賛否両論!?メラニア・トランプを追ったドキュメンタリー映画『メラニア』をあなたはどう見る?

賛否両論!?メラニア・トランプを追ったドキュメンタリー映画『メラニア』をあなたはどう見る?

メラニア・トランプの活動を初めて知る機会に

【写真を見る】イーロン・マスクにジェフ・ベゾス、マーク・ザッカーバーグまで…!錚々たる面々が大統領就任式に集結
【写真を見る】イーロン・マスクにジェフ・ベゾス、マーク・ザッカーバーグまで…!錚々たる面々が大統領就任式に集結[c] Reuters/AFLO

──就任式では、実業家のイーロン・マスクやAmazon.com創業者のジェフ・ベゾスなど、巨大テック企業のCEOたちが閣僚よりもいい席に座っていたこともトランプ政権ならではの光景でした。

渡辺「あの富豪たちって、最初にトランプが大統領に就任した時はアンチ・トランプだったのに、あっという間に変わりましたね。今回の就任式の時点で、すでにトランプとの関係がちゃんとできていたことがわかる。いきなり態度を180°変えて、涼しい顔をしていられるのは、さすがだなぁと。やっぱりこうじゃないと、富豪にはなれないんだな。今回、この映画もAmazon MGMが製作しているもんね」

斉藤「今回はトランプと親しくならないと、もう企業として危うくなるっていうね。だから、とりあえずトランプの奥さんの映画を作って、トランプ政権にも寄付をして…」

野口「トランプに恩を売っておく、そういう感じですかね」

別所「舞踏会の時、トランプの目の前の席にいたイーロン・マスクは、お膝にパートナーの女性を乗せて、満面の笑みでしたね(笑)」

──この映画を観て、メラニアに対するイメージが変わった部分はありましたか?

愛息バロンに笑顔を見せる、メラニア
愛息バロンに笑顔を見せる、メラニアPhoto Credits: Regine Mahaux/Amazon MGM Studios Muse Films/Amazon MGM Studios

別所「いままでは、完全にトランプのトロフィーワイフなのかと思っていたんですけど、実はけっこう自分の名前でいろんな社会福祉活動をしているところですね。劇中でも、それをけっこう主張していて…」

野口「インターネット上のいじめ対策などに取り組む“Be Best”という児童福祉キャンペーンとか、ガザ地区で拘束されている人質の解放運動とか。日本では報道されていないけど、ちゃんと働きかけていたんだ、というのを初めて知りました」

別所「“Be Best”の活動について、フランス大統領エマニュエル・マクロンの妻、ブリジットとオンライン会議をやっていたり、ヨルダンのラーニア王妃と2人で会談したりするシーンは興味深かったです」

渡辺「いつもトロフィーワイフに見られているから、『違うの、私はちゃんと独立した人間なのよ!いいこともたくさんしているの!』って、みんなに教えたかったんじゃない?」

斉藤「それを、これみよがしになるギリギリの線をついて、きれいに描いている感じかな」

渡辺「実際にやっているんだったら、いいことだからね!」

就任舞踏会に向かうトランプ夫妻
就任舞踏会に向かうトランプ夫妻Photo Credits: Regine Mahaux/Amazon MGM Studios Muse Films/Amazon MGM Studios

トランプがハリウッドに介入する理由

──Netflixとパラマウント・スカイダンスがワーナー・ブラザース・ディスカバリー買収の争奪戦を繰り広げるなか、トランプがNetflixとワーナー・ブラザースの社債を計100万ドル以上を購入していたことが先日ニュースになりました。トランプのハリウッドへの介入についてどう思いますか?

渡辺「私、ワーナーはNetflixのほうに行ってほしいんだよね」

斉藤「でもトランプは一応、パラマウント側だよね」

渡辺「パラマウントのCEOについたデビッド・エリソンの父親は世界一の大富豪で、熱烈なトランプ支持者。そういう人たちがトップに立ったパラマウントだと、ジェームズ・ガンみたいな監督は、もう映画をつくらせてもらえなくなりそうだから心配してる。トランプは、表向きはハリウッドを嫌っていても、本当はハリウッドに認めてほしいんだと思うよ。ハリウッドの映画って、アメリカの国策の一環みたいなものだから。自分がそこに関与しないのは変だって思っているんじゃないかな」

斉藤「買収とか、そういうことがあるたびに、自分が口を出さないと気がすまないっていう。ハリウッドを嫌いと言いつつ、『ホーム・アローン2』(92)にカメオ出演しちゃうぐらいなんだから。あれは当時トランプが所有していたプラザホテル内での撮影を許可する代わりに、自分を出せって言ったんでしょ。そんな目立ちたがりの性格で、しかも民主党寄りのハリウッドが自分のことを嫌うから、ヘソを曲げているわけで。介入することで自分の力を見せつけたいんじゃないかな」

映画『ホーム・アローン2』に登場した若き日のドナルド・トランプ
映画『ホーム・アローン2』に登場した若き日のドナルド・トランプ[c]Everett Collection/AFLO

渡辺「すべては自己顕示欲なんだろうな」

斉藤「一方で、メラニアはこの映画のために自分の映画制作会社を作ったみたいなんだよ。“ミューズ・フィルムズ(Muse Films)”っていう名前の」

野口「昨年11月に発表されていますね。第1弾として本作を劇場公開したあと、三部構成のドキュメンタリーシリーズとして配信が予定されているとか」

渡辺「やっぱり私はね、この映画の中で、プライベートのメラニアがジャージ着て歩いているような庶民的な姿の映像をちょっとくらいは見たかったな」

斉藤「そのほうが好感度アップするよね」

別所「このドキュメンタリーが三部作だとすると、もしかしたら、第2弾はそっちに振り切っているのかもしれないですよ!」

斉藤「まあ、そういう感じで、どこまでが作り物であり、演出なのか、みたいなことを考えるのがおもしろいよね、この映画って。もちろん、好き嫌いは別として」

渡辺「ドキュメンタリーって聞くと、100%事実みたいに思ってしまいがちだけど」

斉藤「違うからね。それを編集して、いくらでも演出の意図をこめられるから。今年の秋には中間選挙もあるし、トランプが毎日のようにニュースを賑わせているいま、この映画が公開されるのは、ある意味すごくタイムリー。描かれていることすべてを鵜呑みにするのではなく、疑問を持ちながら、考えながら観てほしいですね」


取材・文/石塚圭子

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