2026年で30歳を迎える横浜流星。『流浪の月』『正体』『国宝』…俳優として踏みしめてきたその軌跡をたどる
数々の映画、ドラマで活躍し、ハードルの高い難役にも果敢に挑戦。20代という若さにして、名実共に実力派俳優へと成長し続けている横浜流星。特に今年は、NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」での主演抜擢、そしてメインで出演した『国宝』(公開中)は興行収入184.7億円を記録(2025年12月30日時点)し、邦画の実写作品の歴代最高興収を22年ぶりに更新するなど、出演作が社会現象を巻き起こした。そこで、2026年に30歳を迎える彼の俳優としての歩みを改めて振り返ってみたい。
特撮や青春モノで着実にステップアップした活動初期
小学1年生から極真空手を始めた横浜は、小学6年生でスカウトされたことを機に芸能界入り。モデルの仕事をしながら空手の稽古を熱心に続け、中学3年生の時には世界大会で優勝している。空手はまず形を学び、それを徹底的に磨き上げ、組手では相手の動きを瞬時に察知し、間合いを見極めながら、自分の技を繰りだしていく。さらに大会という大舞台では審査員や観客が凝視するなかで、臆することなく実力を発揮する精神力も求められる。彼が心身共に空手の訓練で得たものが、俳優業でも役立っていることは想像に難くない。
2012年1月に放映された「仮面ライダーフォーゼ」でテレビドラマ初出演。吉沢亮が演じる朔田流星/仮面ライダーメテオの親友で稽古仲間の井石二郎役として登場した。強い朔田に追いつきたいあまり、人間を怪人へと強制進化させるスイッチに手を出し、昏睡状態に陥ってしまうという役どころも含め、のちに吉沢と『国宝』で共演することを思うと、まさに運命的なものを感じさせる。
高校生時代にレギュラーをとった特撮ヒーロー作品「烈車戦隊トッキュウジャー」では、空手をベースにした戦闘テクニックに長けるクールな青年ヒカリ/トッキュウ4号役で出演。1年間みっちり役と向き合うことになる戦隊ものでの経験が、のちの大きな糧となる。
4人組の人気ボーカルグループGReeeeN(現GRe4N BOYZ)のデビューまでの過程と名曲「キセキ」の誕生にまつわる秘話を描いた、兼重淳監督のヒット映画『キセキ −あの日のソビト−』(17)ではメンバーの1人であるナビを演じ、劇中で実際に歌声を披露。また、同じくメンバー役で共演した菅田将暉、成田凌、杉野遥亮の4人でユニット“グリーンボーイズ”を結成し、CDデビューも果たした。
活動初期の横浜にとって大きな出来事の一つは、のちに盟友ともいうべき関係となる藤井道人監督との出会いだろう。初タッグ作品は7人の若者のビターな青春群像劇『青の帰り道』(18)。彼が演じた不良青年リョウは、漠然と「いつかでかいことをやってやる!」と言うのが口癖で、地元から逃げるように上京してからはオレオレ詐欺に手を染めていく。劣等感を隠しながら強がる危うさと、誰よりも仲間思いで熱い性格のアンバランスさが印象的だった。
不良っぽいけれど内面はピュアなキャラクターでは、オーディションで役を勝ち取った2019年のドラマ「初めて恋をした日に読む話」で演じた不良高校生、由利匡平も当たり役に。髪をピンクに染めたド派手な見た目と真っ直ぐな思いを持つ性格とのギャップが魅力の由利。彼が東大受験を目指しつつ、アラサー塾講師の春見順子(深田恭子)に静かな恋心を抱いていく姿にキュンキュンする女子が急増。20代初期の大ブレイク作品となった。
