賛否両論!?メラニア・トランプを追ったドキュメンタリー映画『メラニア』をあなたはどう見る?

賛否両論!?メラニア・トランプを追ったドキュメンタリー映画『メラニア』をあなたはどう見る?

第47代アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプの、3人目にして現在の妻、メラニア・トランプ。バイデン政権からトランプ政権へとバトンタッチした“米大統領の政権移行”を、ファーストレディであるメラニアと彼女のチームの視点を通してとらえた史上初のドキュメンタリー映画『メラニア』が、1月30日に全世界同時公開された。

2025年1月20日(現地時間)の大統領就任式に向けた準備から、就任式当日の模様、ホワイトハウスへ2度目の引っ越しをするまでを追った20日間の軌跡を鮮やかに映し出した本作。Amazon MGMが製作し、「ラッシュアワー」シリーズで知られるブレット・ラトナーが監督を務めるほか、かつて“隠遁のファーストレディ”と呼ばれながら、再びファーストレディに返り咲いたメラニア本人が共同プロデューサーとして名を連ねていることも注目を集めている。

そこで今回、本作をいち早く鑑賞した映画ジャーナリストの斉藤博昭、映画ライターの渡辺麻紀、MOVIE WAIKER PRESS編集部の野口加奈絵、別所樹の4名が映画『メラニア』を語り合う座談会を実施。なぜいまこの映画が製作されたのか?という疑問から、メラニアとは一体どんな人物なのか?彼女を取り巻く人々との関係、また本作の映像のディテールから読み取れることなど、様々な角度から考察・深堀りしていく。

※本記事は、特定の政治的立場を支持・否定するものではなく、映画作品を多角的に論じる編集方針に基づいて構成されています。

ドキュメンタリー映画だけど、まるでプロモーションビデオのよう

2025年1月の大統領就任式までの20日間、カメラがメラニア・トランプに密着した
2025年1月の大統領就任式までの20日間、カメラがメラニア・トランプに密着したPhoto Credits: Regine Mahaux/Amazon MGM Studios Muse Films/Amazon MGM Studios

──まずは、映画『メラニア』を観た率直な感想をお聞かせください。

斉藤「この作品を観る前は、メラニア・トランプっていう人のことを全然知らなくて。声自体も今回初めて聞いたくらい」

野口「私も同じです」

別所「なかなかかわいらしい声の方なんだなって思いました!」

斉藤「あの声や話し方もイメージと違っていたから、ちょっとびっくりして。だって、トランプの横に立っている時のメラニアって、いつも怖い顔しているように見えて…。本作で実際に彼女が動いたり、しゃべったりする姿をようやく見られた。それはおもしろかったなって」

渡辺「それはそうなんだけど、私はトランプと同じように『私を見て!』っていう自己主張の強さを感じた。ドキュメンタリーというよりも、プロモーションビデオに見えたというか。ドキュメンタリーって、その人の素顔とか私生活が垣間見れるものでしょ。だけど、本作のメラニアは常にばっちり化粧して、ピンヒール履いて。料理は出てくるけど、実際に食べるシーンはないし、お金の話もいっさい出てこないし」

別所「確かに、海外ドラマみたいでしたね。だから、ドキュメンタリー映画を観るのに、ちょっと抵抗がある人にとっては逆にとっつきやすいのかもしれません。オープニングから、ルブタンの靴が大きく映し出されて、コツコツコツ…って、ピンヒールの音を響かせながらメラニアが登場する。『プラダを着た悪魔』みたいだなって」

野口「一瞬、これはメラニア本人じゃなくて、メラニアそっくりな女優さんなのかな?って思っちゃうくらい映画的な登場の仕方でした」


──ドキュメンタリー作品でありながら、フィクションのような印象を受けるのは、ブレット・ラトナー監督の演出によるものかもしれませんね。

ブレット・ラトナーはジャッキー・チェンとクリス・カッターが共演した「ラッシュアワー」シリーズを監督として知られる
ブレット・ラトナーはジャッキー・チェンとクリス・カッターが共演した「ラッシュアワー」シリーズを監督として知られる[c]Everett Collection/AFLO

野口「後半になりますが、メラニアのお父さんが8mmカメラで撮影していた映像を、ところどころに差し込んでくるのがすごく映画っぽいルックに見えて。あのカメラはわざわざお父さんに持たせたのかな?と思いました」

別所「確かにあそこは突然エモーショナルな感じになってましたね」

斉藤「もともとブレット・ラトナーはすごく作家性がある監督というわけではないから、今回もふつうに作っていたと思うけど…。トランプ夫妻が就任式に登壇するところを後ろから撮ったりしていたところは、フィクション映画っぽくて見やすかった」

渡辺「ブレット・ラトナーは2017年にセクハラで訴えられて以来、映画を撮っていなかったから。きっとトランプに近づいたんじゃないかと。それで、『メラニアの映画を撮ってくれたら…』とか言われたんじゃないかな。そういういまのアメリカのいろんな背景が見えてくるのが、ある意味おもしろい映画ではあるかも!?」

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