小栗旬&松坂桃李&池松壮亮&窪塚洋介が映画『フロントライン』で考えた、役者としての真実との向き合い方
「客観性と情熱。冷静と情熱の間みたいなものかな」(松坂)
対策本部で指揮をとる結城、厚労省の役人という立場で対策本部を仕切る立松、最前線でスタッフを引っ張っていく真田、船内で現場を率いる仙道。様々なリーダーの姿が描かれる本作だが、作品で主演を務め自らがリーダー的ポジションを担う機会も多い4人にとっての理想のリーダー像とは。主演作も多い小栗にリーダー的イメージを持つ人も多いだろう。「この作品に関しては、自分が引っ張るという感覚も実感もほとんどなかったです。ただ、40代になった僕に結城のような役をやってほしい、すべての受け皿にならなきゃいけないみたいなことをやってほしいと増本さんに言われたことはすごくうれしかったです」と本作で求められたリーダー像に触れながら笑顔を見せる。
リーダーに必要なことは「客観性と情熱」と答えたのは松坂。「冷静と情熱の間みたいなものかな(笑)。撮影現場で冷静さを持つ存在がいれば、こちらは好き勝手に熱くなることもできる。するとクリエイティブなことに挑戦しやすくなる気がします。安心感が生まれるみたいな感覚なのだと思います」とのこと。こういった考え方は「多くの作品で主演を担ってきた先輩方の背中を見させていただくなかで得た僕のひとつの回答です」と感謝しつつ、自身も次の世代にしっかりつないでいきたいものだとも話した。ちなみに“つなぐ”というのは本作に込められた思い、テーマのひとつだ。
「いま全世界がリーダーを求めていると思います」と語った池松は、「我々はリーダーを求めすぎているのかもしれないとすら感じます」と。「すべてをリーダーに求めるのではなく、新しい時代の組織のあり方のようなものがきっとあると思っています。ですが、リーダー不在が続くこの世界で、誰もが立派なリーダーを探しているのも事実」とし、「人道的であること。奉仕こそこれからの時代のリーダーシップであってほしいと思っています」と意見を述べた池松は「モデルとなったDMATの先生方は、まさに震えるくらい立派なリーダーだと思います」と映画の中には、すでに理想のリーダーがいるとも指摘。窪塚は「よく言われることだけど、リーダーはボスではない。命令するのではなく一緒にやろう!ということ。仲間がミスったら自分のせい。そういうリーダーでありたいという気持ちを忘れないようにしようとは思っています」と自身の心掛けを教えてくれた。