「いま観るべきメッセージがすごくある」伝説の報道写真家、リー・ミラーの激動の人生に映画ファンたちの心が震えた!

コラム

「いま観るべきメッセージがすごくある」伝説の報道写真家、リー・ミラーの激動の人生に映画ファンたちの心が震えた!

リー・ミラーという人物を知っているだろうか?A24が史上最高の製作費を投じ、アメリカで起きる内戦を描く『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(24)で、キルスティン・ダンストが演じた主人公のモデルといえばイメージができるかもしれない。「VOGUE」誌をはじめトップモデルとして活躍したミラーは、報道写真家に転身して第二次世界大戦期に戦場を駆け巡り、壮絶なその実態を記録。アドルフ・ヒトラーが過ごしたアパートも訪れた。そんな彼女の数奇な運命と実像に迫った映画が『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』(5月9日公開)だ。

MOVIE WALKER PRESSで本作の試写会を実施したところ、「想像以上の深いストーリーでした」(40代・女性)「男女問わず、全員が観るべき映画」(20代・女性)「ハラハラドキドキもあり、考えさせられる部分もある」(20代・男性)「『シビル・ウォー アメリカ最後の日』を観た人は、絶対に観てほしい」(30代・男性)といった感想が寄せられた。ミラーを知らなくても、真実を伝えようとする情熱、現実に直面して葛藤する姿に大勢が感銘を受けていた。そこで本稿では、試写会参加者からのコメントをピックアップしながら、『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』の魅力をひも解いていきたい。

「衝撃的な映像が多く、息をのむ映画」…報道写真家リー・ミラーの生き様に圧倒される

1938年のフランス。トップモデルのリー・ミラーには、芸術家や詩人の友人が数多くおり、共に休暇を過ごしては刺激的な日々を送っていた。英国人の芸術家でアートディーラーのローランド・ペンローズともそんな交流の場で出会い、2人はすぐに恋に落ちる。しかし、ほどなく第二次世界大戦の脅威が迫り、ローランドと移り住んだロンドンも例外ではなかった。度重なる空襲にさらされるなか、ミラーは友人でもある英国版「VOGUE」の編集長オードリー・ウィザーズを通して、写真家として活動していく。

芸術家や詩人たちとの刺激的な日々を送るミラー
芸術家や詩人たちとの刺激的な日々を送るミラー[c] BROUHAHA LEE LIMITED 2023

そんな時、友人たちとかけがえのない時間を過ごしたパリもナチス・ドイツに蹂躙されたと伝え聞く。戦場ではなにが起きているのか?真実を追い求めるミラーは、周囲の反対を押し切って従軍記者となって戦地へ赴く決意をする。アメリカの「LIFE」誌のフォトジャーナリスト兼編集者、デイヴィッド・E・シャーマンとも知り合い、彼とチームを組むことに。一方で、女性であることから取材を制限され、前線に向かうことも許されない。それでも様々な障壁を乗り越え、ヨーロッパ各地を進む彼女が目にしたものは、廃墟となった街並み、大勢が連行された強制収容所、人間が持つ残酷さと狂気だった…。

ミラーとデイヴィッドがチームを組む
ミラーとデイヴィッドがチームを組む[c] BROUHAHA LEE LIMITED 2023

主人公のミラーを演じるのは、アカデミー賞をはじめ数々の映画賞に輝くケイト・ウィンスレット。主演だけでなく、製作総指揮も兼ねている。ミラーと行動を共にするフォトジャーナリストのデイヴィッドをアンディ・サムバーグ、夫のローランドをアレクサンダー・スカルスガルドが演じる。さらに、ミラーの親友役にマリオン・コティヤール、「VOGUE」の編集長オードリー役でアンドレア・ライズボロー、晩年のミラーにインタビューするジャーナリスト役でジョシュ・オコナーも出演している。

「衝撃を受けた。涙が出ないほど解像度が高かった」(20代・女性)
「衝撃的な映像が多く、息をのむ映画でした。いま観るべきメッセージがすごくあるなと思いました」(30代・女性)
「戦争は男だけのものではないのに、ほとんどの女性たちが男性に運命を左右されてしまう。女性の瞳を通して戦争を見つめることは重要だと思った」(30代・女性)
「エンドロールの写真に胸が締め付けられた」(40代・男性)


こういったコメントからも、本作で描かれるミラーの生き様がいかに観客の心が激しく揺さぶったのかが理解できる。

リー・ミラーの生き様に突き動かされたケイト・ウィンスレットが自ら主演も務めて映画化
リー・ミラーの生き様に突き動かされたケイト・ウィンスレットが自ら主演も務めて映画化[c] BROUHAHA LEE LIMITED 2023

「彼女の人生経験がすべて詰まったバスルームでの1枚」…ヒトラーのアパートの浴室で撮られた衝撃の写真も登場

敗戦が濃厚となり、追い詰められたヒトラーが自死した1945年4月30日当日、ミラーが記録したものの一つには、ミュンヘンにあるヒトラーのアパートの浴室の浴槽に自身が入ってみせる姿を捉えた有名な写真がある。自らが被写体となり撮影した瞬間を切り取ったポートレイトを撮り、戦争の終わりを伝えた。劇中ではこのエピソードにまつわる一連の流れも映像化されている。

「実際の写真が映画のワンシーンになっているのがよかった」(40代・男性)
「彼女の人生経験がすべて詰まったバスルームでの1枚だった」(40代・女性)
「ただ女性が戦場に入って写真を撮っただけではない。彼女だから撮れた写真であるという理由がわかった」(30代・女性)


【写真を見る】ケイト・ウィンスレットがリー・ミラーを演じ、伝説の報道写真とされる“ヒトラーの浴室”を完全再現
【写真を見る】ケイト・ウィンスレットがリー・ミラーを演じ、伝説の報道写真とされる“ヒトラーの浴室”を完全再現[c] BROUHAHA LEE LIMITED 2023

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