丸山隆平が『金子差入店』で見せた役者としての進化「40代としての覚悟と責任感を持って取り組んだ」

インタビュー

丸山隆平が『金子差入店』で見せた役者としての進化「40代としての覚悟と責任感を持って取り組んだ」

「SUPER EIGHT」のメンバーで、アーティストとしても活躍する丸山隆平が「泥棒役者」以来8年ぶりの主役を演じる『金子差入店』が5月16日(金)公開となる。刑務所や拘置所への差入を代行する「差入屋」を営む男と、その家族の絆を描いたヒューマンサスペンス。監督・脚本を「東京リベンジャーズ」などの助監督を務めてきた古川豪が手掛け、構想から完成まで11年の歳月をかけた長編初監督作品だ。共演には、真木よう子、三浦綺羅、川口真奈、北村匠海、村川絵梨、甲本雅裕、根岸季衣岸谷五朗、名取裕子、寺尾聰ら豪華キャストたちが顔を揃えている。

本作で丸山は、世間ではあまり聞き慣れない「差入屋」を営むまっすぐで不器用な金子真司役を熱演している。「40代としての覚悟と責任感を持って取り組んだ」と語る俳優・丸山の、音楽活動で見せる顔とはまた違った一面を見ることができる本作について、役へのアプローチやこだわり、制作の裏側などたっぷりと語ってもらった。

人には言えない過去を抱えた金子という男を演じるにあたっての、丸山のアプローチとは?
人には言えない過去を抱えた金子という男を演じるにあたっての、丸山のアプローチとは?[c]2025「金子差入店」製作委員会

刑務所や拘置所に収容された人への“差入”には、厳しい審査や検閲がある。そんなルールを熟知し、差入を代行するのが「差入屋」だ。金子真司は妻と共に家族で差入店を営んでいた。ある日、息子の幼馴染の少女が殺害される凄惨な事件が発生。事件にショックを受ける金子一家だったが、逮捕された犯人の母親から差入の依頼を受けることに…。差入屋として犯人と向き合いながらも、日に日に疑問と怒りが募るなか、金子は毎日のように拘置所を訪れる女子高生と出会う。彼女はなぜか自分の母親を殺した男との面会を求めていた。2つの事件の謎と向き合ううちに、金子の過去が明らかになり、家族の絆を揺るがしてゆく。

【写真を見る】眼光に惹きつけられる!丸山隆平が役者としての変化を明かす
【写真を見る】眼光に惹きつけられる!丸山隆平が役者としての変化を明かす撮影/興梠真穂

「複雑な想いやメッセージ性の入り組んだ作品に参加させていただけて、とても光栄」

──金子真司役のオファーが来た当初の気持ちは?

「真司をシンプルに捉えると、社会に反したことのある人間という部分もありますが、物語をひも解いていくとそこには彼の性質や理由が隠されています。これまで僕はエンタメ系の作品に出演する機会が多かったんですが、ここまでささくれ立つような登場人物それぞれの心の影や有り様を描いた作品(への出演)は少なかったように思うので、“ひとつの挑戦”のような気持ちでした。本作を手掛けられた古川監督の長年の想いという側面もありましたし、日本特有とも言える『差入屋』という職業に対してのカルチャーを自分としてはどう切り取るか?ということもひとつのテーマでした。複雑な想いやメッセージ性の入り組んだ作品に参加させていただけて、とても光栄だと胸を躍らせました。ただ、主演をいただけた喜びより、もっと重くしっかりと作品の本質をキャッチし、こちらも演技で打ち返さなきゃいけない、というプレッシャーは大きかったです。40代としての覚悟みたいなものの責任感も踏まえて取り組みました」。


罪を犯した人々や、その家族に対峙する金子
罪を犯した人々や、その家族に対峙する金子[c]2025「金子差入店」製作委員会

──古川監督とはどのようなやり取りがありましたか?

「クランクイン前にお話しする時間があったので、ひとつひとつ確認しながら、双方にズレがないかを微調整しながら自分の中で育てていきました。作品論がどうこうという前に、まずは監督と僕がお互いを知るみたいなところが自然になされて。出生だったり、育った環境とかこれまでの歩みみたいなものを語り合って。なんとなくお互いにポロポロと交わした会話が、結果、役柄にとって有効な養分になりました」。

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