超能力ヒーローエンタメ『ハイファイブ!』にカン・ヒョンチョル監督が込めた“人”への眼差し「ファンタジーは、必ず現実に足をつけていなければならない」

超能力ヒーローエンタメ『ハイファイブ!』にカン・ヒョンチョル監督が込めた“人”への眼差し「ファンタジーは、必ず現実に足をつけていなければならない」

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『サニー 永遠の仲間たち』(11)、『スウィング・キッズ』(18)など、個性豊かな登場人物たちが出会い、ぶつかり合いながらひとつのチームになっていく物語を描いてきたカン・ヒョンチョル監督。彼が、最新作『ハイファイブ!』(公開中)で選んだのは、ある日突然“超能力”を手にした、ごく普通の人々の物語。

ある男から臓器を移植された5人は、怪力と超スピード、強靭な肺活量、回復能力といったそれぞれ異なる力を得て、寄せ集めヒーローチーム「ハイファイブ」を結成する。立ちはだかるのは、彼らの能力を奪って“神”になろうとするカルト教主。ファンタジーとコメディ、アクションが入り混じる、カン・ヒョンチョル監督らしさあふれる1作だ。監督に、超能力というファンタジーに込めた思い、そして現場で見つめ続けた俳優たちの素顔について聞いた。

「最もか弱く見える少女が、実は最強の超能力を持っている。アイロニーから生まれるおもしろさを出したかった」

「ハイファイブ」メンバー同士の丁々発止の掛け合いが楽しい!
「ハイファイブ」メンバー同士の丁々発止の掛け合いが楽しい![c]2025 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & ANNAPURNA FILMS. All Rights Reserved.

「超能力者から臓器を移植された人々が、能力を受け継ぐ」というユニークな着想は、長年共に作品を作ってきたプロデューサーからの提案がきっかけだったという。「私自身、以前から超能力を題材にした映画を撮ってみたいという思いがありました。『それなら、一緒にやってみよう』と制作が始まったんです」。

「超能力はどうしてもファンタジーというジャンルになります。でも私は、ファンタジーは、必ず現実に足をつけていなければならないと思っています」。観客にとっても作り手にとっても、まったく新しい想像より、身の回りの日常から始まったほうが共感を得やすいという考えから、「私たちの周囲で日常的に出会うような人たち」に超能力を与えるアプローチが選ばれた。

「ハイファイブ」の中心にいるのは、心臓移植で怪力と超スピードを手に入れた少女ワンソ(イ・ジェイン)。その周りを、肺移植で人並外れた肺活量を得た脚本家志望のチソン(アン・ジェホン)、角膜移植で電磁波を操るヒップスターのキドン(ユ・アイン)、腎臓移植で謎の能力に目覚めた乳酸菌飲料配達員ソンニョ(ラ・ミラン)、肝臓移植で回復能力を授かった現場作業班長ヤクソン(キム・ヒウォン)らが固める。それぞれが移植された臓器と巧みに重なる超能力を身につけた、境遇も性格もバラバラな5人組。演じるキャストも同様に、注目の若手からベテラン、個性派まで、韓国映画界の実力派たちが顔をそろえた。

時速100kmで走るワンソ
時速100kmで走るワンソ[c]2025 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & ANNAPURNA FILMS. All Rights Reserved.

監督はワンソについて、「キャスティングに、少し意外性を持たせたかった」と語る。「映画の中では、最もか弱く見える少女が、実は最強の超能力を持っている。アイロニーから生まれるおもしろさを出したいと思いました」。当時すでに子役として高く評価されていたイ・ジェインだが、一人で作品を引っ張っていくような役の経験はまだ少なかった。その周りを、すでに主演経験のあるアン・ジェホンやユ・アインといった俳優たちが取り囲み、共に作品を引っ張っていく。こうした構図自体におもしろさを感じたという。


実は監督とイ・ジェインの出会いには、意外な前史がある。主要キャストの中でオーディションを受けたのは彼女だけだったというが、以前に、ある授賞式で偶然見かけたことがあった。「彼女がいまよりずっと幼かったころですが、とても魅力的だったんです。それでInstagramをフォローして、成長していく過程をずっと見守っていました」。脚本ができた時点で、すでに「この役はイ・ジェインさんが演じたらいいな」と考えていたと明かした。

【写真を見る】ワンソ役のイ・ジェインにかわいく演出するカン・ヒョンチョル監督
【写真を見る】ワンソ役のイ・ジェインにかわいく演出するカン・ヒョンチョル監督[c]2025 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & ANNAPURNA FILMS. All Rights Reserved.
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