「SHAMAN KING」武井宏之の描き下ろしイラストも公開!超能力アクション活劇『ハイファイブ!』が放つ凸凹ヒーローたちの熱きドラマ
『サニー 永遠の仲間たち』(11)、『スウィング・キッズ』(18)で知られる韓国映画界が誇る娯楽職人、カン・ヒョンチョル監督の待望の新作『ハイファイブ!』(10月23日公開)は、まさかの超能力ヒーロー・エンタテインメント。移植手術をきっかけにスーパーパワーを得た主人公たちが、凸凹チームを結成して巨悪に立ち向かう!アメコミヒーロー映画の名作群や、日本のバトル漫画を彷彿させる内容に、思わず手に汗握ること必至の快作だ。
ある男の臓器を移植されたことで超能力を手に入れた、ごく普通の5人。心臓移植で怪力と驚異的な脚力を得た中学生ワンソ(イ・ジェイン)、肺を移植しすべてを吹き飛ばす肺活量を手に入れた脚本家志望のチソン(アン・ジェホン)、角膜を移植したことで電磁波を操る力に目覚めた自由人キドン(ユ・アイン)、肝臓移植により治癒能力を宿した工事現場の班長ヤクソン(キム・ヒウォン)、そして、腎臓移植でなんらかの能力を得たものの、まだ自らの力に気づいていないヤクルト配達員のソンニョ(ラ・ミラン)。境遇も性格もバラバラな5 人の前に、膵臓を移植された新興宗教の教祖が現れ、彼らの力を奪おうとする。
個性的な超能力者たちが集まり、絆を深め、巨悪に立ち向かう。そんな少年漫画風に展開する本作を、「SHAMAN KING」で知られる武井宏之が鑑賞し、特別にイラストを寄せてくれた。「最強の超能力は優しさ。ヤクルトとか優しさしかない」とコメントし、劇中のキーアイテムであるヤクルトも描かれている。時速100kmのテコンドー少女や並外れた肺活量を持つオタクら登場人物それぞれの個性もしっかり捉え、このまま漫画版として新連載を始めてほしい魅力的!そんな超能力チームの熱き戦いを描く本作の見どころを、韓国映画に欠かせない人気キャスト、カン・ヒョンチョルの演出、ド派手なアクションを中心に解説する。
人気実力派キャストが演じる凸凹エスパーチームのドラマが熱い!
前作『スウィング・キッズ』では戦争映画+タップダンスという重厚な題材に挑み、もはやコメディジャンルは卒業かとも思われたカン・ヒョンチョル監督。しかし、7年の歳月を経て監督復帰した本作では、持ち前のライトかつパワフルなエンタメ作家としての本領発揮!VFXを駆使して描かれるスーパーパワーの大暴走&右往左往アクションは前半随一の見どころであり、それが後半ではマーベル・シネマティック・ユニバース顔負けの大活躍シーンに反転するクライマックスの盛り上げ方はさすがの職人技。現代韓国を舞台にした反骨のヒーローアクション活劇としても、寄せ集め超能力者チームの友情&成長ドラマとしても、見応え満点の一作に仕上がっている。
それぞれに個性の異なる超能力を得た主人公たちは5人のアンサンブルも見どころ。全員、最初はその力の使い道がよくわからず、宝の持ち腐れ状態になってしまうあたりが所帯じみていてリアルだ。さらに、5人が5人とも全員がアメコミキャラを連想させるとも限らない。「X-MEN」シリーズにおける超速野郎「クイックシルバー」をはじめ、『バロン』(89)に登場する驚異的肺活量の持ち主「グスタヴァス」、アニメ「ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日」(92~98)の指パッチンしながら敵をまっぷたつにしていく悪役「素晴らしきヒィッツカラルド」なども想起させ、練りに練ったヒーロー造形に感心する。また、ヒーローとしての覚醒と同時に、宿敵との対決も約束されてしまう悲劇性は、M・ナイト・シャマランの『アンブレイカブル』(00)とその続編『ミスター・ガラス』(19)も思わせる。
圧倒的な脚力&腕力を獲得する少女ワンソを演じるのは、注目の若手女優イ・ジェイン。8歳で子役デビューし、本作の撮影当時は17歳ながら中学生役を堂々たるマイペースぶりで演じきり、体を張ったアクションも全編にわたって披露。まさに看板役者の風格たっぷりの逸材だ。また、心配性で過保護な父親役で、人気俳優オ・ジョンセが『スウィング・キッズ』に続き出演。愛する娘を守るべく、ヒーローたちと共闘するダメオヤジを好演する。
肺活量を最大の武器とする脚本家志望の致命的オタク・チソン役は、バイプレイヤーとして長年活躍してきたアン・ジェホン。ドラマでは「恋のスケッチ ~応答せよ1988~」(15)や「マスクガール」(23)などで実力を示してきたが、本作をきっかけに映画ファンにも知名度が増していくとうれしい。さらに、指パッチンしながら電磁波を操るお調子者のイケメン、キドンを悠々と演じるのは『バーニング 劇場版』(18)のユ・アイン。アンサンブルキャストの一員に徹した本作では、久々に彼の軽妙なコメディリリーフぶりが堪能できる。後半ではシリアスな満身創痍展開もあったりするが、この硬軟取り混ぜた振れ幅が役者ユ・アインの真骨頂だろう。
このほか、ラ・ミラン、キム・ヒウォンといった名優陣も「ハイファイブ」メンバーとして激闘に加わる。ラ・ミランは映画界で最もヤクルトおばさんが似合う女優なのではないか?と思わせる圧倒的儲け役。また『アジョシ』(10)の強烈な悪役も印象深いキム・ヒウォンのかつてないほどジェントルで落ち着いた芝居も見どころだ。


