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「第一印象は変な映画!」「いつ爆発するかわからない心理的恐怖」吉田恵輔監督が人間の業をあぶり出す『mentor』を観た映画ファンによる感情カオス体験をレポート!

コラム

「第一印象は変な映画!」「いつ爆発するかわからない心理的恐怖」吉田恵輔監督が人間の業をあぶり出す『mentor』を観た映画ファンによる感情カオス体験をレポート!

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『ヒメアノ〜ル』(16)や『空白』(21)、『ミッシング』(24)など、観る者の心に鋭く切り込む“人間描写の鬼”吉田恵輔監督の最新作『mentor』が10月16日(金)より公開される。花火遊びが原因で近隣のアパートを全焼させてしまった2人の少年と、その火事によって最愛の妻と子を失い、自身も全身に大火傷を負った男。15年後、3人は再会を果たし、憎んでも憎み切れない存在であるはずの元少年たちを、男は赦し、その胸に強く抱きしめる。すべてを包み込む男の言葉にほだされる一方、“優しすぎるアドバイス”が2人の運命を不気味に侵食していく…。

果たして、男の言葉は「導き」なのか、それとも「支配」なのか…。火事の罪の意識を封印し、アーチェリーに打ち込む龍之介を磯村勇斗、止まった時間を取り戻すように、前向きな思考にのめり込む拓海をAぇ! groupの末澤誠也が演じ、綾野剛が火事の被害者でありながら慈愛に満ちた男の得体の知れなさを体現する。全編にわたって観客の感情を揺さぶる新感覚エンタテインメントとなっている本作。ジャパンプレミアの参加者からも、「これまで見たことのない狂気に満ちた芝居が見られた」(30代・男性)や「狂気ももちろん、『ここで!?』という笑いの量も質もとてもよかった」(30代・女性)、「なんとも言えないざらついた感じが残りました!」(40代)といった戸惑いと興奮、ある種の充足感に満たされたという感想が湧き上がっていた。なにがここまで観客を引きつけたのか?その理由に迫っていきたい。

「“優しすぎる”態度が底知れぬ狂気や違和感を生みだす」タイトルの“mentor”が秘める不気味さに慄然

15年前に花火遊びで近隣のアパートを全焼させてしまった龍之介(磯村)と拓海(末澤)。以来、拓海は大きな罪悪感を抱えながら生きてきた。そんな彼の前に現れたのは、火事で大火傷を負い、妻子を失った埜本(綾野)。恨んで当然の相手なのに、土下座して涙ながらに詫びる拓海を優しく包み込む。その不思議な包容力に感化された拓海は、埜本を“メンター"として慕い急速に距離を縮めていく。

一方、拓海と共に火事を起こした龍之介は、アーチェリー競技と出会い、オリンピック日本代表になるという夢を追いかけていた。いまの龍之介にとって拓海や埜本との再会は、平穏を揺るがしかねない。そして、埜本との出会いを機にかつての被害者たちに謝罪して回る拓海にも、不気味なほどに優しすぎる埜本の態度にも違和感を拭えない龍之介。やがて事態はまさかの方面に転がり、歪な三角関係が狂っていくなか、物語は誰も想像しなかった結末へと向かっていく…。

痛ましい火災事故と、それによって人生が狂ってしまった3人。その再会によって、それぞれが過去と向き合い、人生を前向きに生きていくようにも見えるが、物語はどんどん不可思議な方向へと突き進んでいく。観客からも、「前向きな言葉やハグがこれほど人を変えていくとは思わなかった」というような感想が続出。居場所のない人間の隙間に入り込む“メンター”の不気味さや加害者と被害者の歪な関係性に大勢が戦慄していた。

「優しさはあまりにすぎると狂気。ありのままの人間の感情は悍ましいけれど、埜本の押しこらえてるのかわからないほど本気で人に優しく振る舞う行動と嘘らしさが微塵もない言い方がなによりも怖かった」(30代・女性)
「前を向くためには依存的に信じるなにかが必要で、またそれによって狂わされて…。必死に生きていこうとする登場人物たちの健気さとは裏腹に、苦しみから本当の意味ではなかなか解放されない残酷さがとても苦しかったです」(30代・女性)
「“優しすぎる”態度が逆に底知れぬ狂気や違和感を生みだし、いつ爆発するかわからない心理的な恐怖で常に煽られました」(40代・男性)
「最初から最後まで、埜本が優しく拓海に寄り添う姿が、穏やかそうなシーンであっても背後に不気味さを感じる感覚がした」(40代・女性)

埜本に再会した拓海は、彼の優しさに触れて抑えていた感情があふれ出す
埜本に再会した拓海は、彼の優しさに触れて抑えていた感情があふれ出す[c]2026「mentor」製作委員会

「喜怒哀楽のすべてを経由して着地した、出会ったことのない感情」笑いと恐怖が交錯し感情がカオス!1分先すら読めない予想不能な映画体験

自らの存在を否定して生きてきた拓海が、埜本と出会ったことで少しずつ前向きになっていく姿には感動を覚える。一方で、埜本の物事を肯定的に捉える言動にはやはり違和感が拭えないし、2人を警戒する龍之介の感覚はもっともだろう。そんなふうに緊張感を保ったまま、3人に対する見方もどんどん変化していく。感情が迷子になるジェットコースターのような怒涛の展開、吉田監督ならではの不謹慎なブラックユーモアに対し、「泣けばいいのか笑えばいいのかわからない」という感想が寄せられている。

「観終わったあとの一番強い感情は変な映画!途中までは丁寧な人間の感情描写に共感していたのですが、狂ったエンディングを見せられてそう来たか!と思った一方、納得の気持ちもありました」(20代・女性)
「率直に述べるのなら、わからなかった、が私的には正解。一部に共感し、恐れも抱き、腹も立ち、笑い、喜怒哀楽のすべてを経由して着地したのは出会ったことがなく形容しがたい、しかし確実に人間のなかに潜んでいた、名のない感情だった」(30代・女性)
「土下座の時の腰の角度や龍之介の発狂などに笑い、拓海がメンターの考えに取り憑かれていく様に狂気を感じ、埜本のずっと感情を押し殺して生きてきた悲しさに共感し…。感情が入り乱れ、ハラハラした」(30代・男性)

埜本と再会したことで龍之介のアーチェリーの成績にも影響が!?
埜本と再会したことで龍之介のアーチェリーの成績にも影響が!?[c]2026「mentor」製作委員会
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