“映画紹介マンガ”でこれまでが丸わかり!『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』ハサウェイ・ノアが戦う理由と濃厚なヒューマンドラマ
ギギへの想いと使命感との間で葛藤
話は戻って、ハイジャック事件の事情聴取のため、ハサウェイとギギは緊急着陸したダバオで足止めされていた。ギギは周りの男性を魅了し、女性たちを嫉妬させる容姿端麗な少女。そんな彼女と高級ホテルの一室をシェアすることになる。普通ならテンションが上がり、心臓もバクバクしそうものだが、そんなことはおくびにも出さない。そもそもハサウェイは、クェスとの一件があったからか、女性に対して潔癖なところを感じさせる。
一方、ギギには優れた洞察力があり、ハサウェイの正体が「マフティー」であるとすぐに見抜いてしまう。なんとか取り繕うにも効果がなく、「マフティー」の活動にも疑問を投げかけられ、ちょっとムッとした表情を見せるところは、なんだかんだ年相応の若者に映るし、彼女と接していると隙ができてしまうのはかわいいところ。
どれだけ振り払ってもギギのことが頭に浮かんできてしまう。しかし、自分には地球を腐敗した連邦政府から取り戻すという大義があるんだ!そんな使命感と欲望のなかで葛藤するハサウェイの姿は、まるで高尚な文学作品の主人公のよう。
ギギをめぐって立ちはだかるケネス
そして、ハサウェイとギギの間に割って入るのが地球連邦軍の大佐ケネス。元モビルスーツのパイロットで指揮官としてもとにかく優秀。また、捕虜の拷問や人質を取るといった冷徹な判断もできるなど、とにかく敵にはしたくないタイプ。しかも成熟した大人の男の魅力も漂わせ、ギギにも強い興味を持っている。
悩み、自己問答を繰り返すハサウェイから目が離せない!
気づけばギギに振り回されているハサウェイ。ダバオに降り立った夜、彼の脱出と世間に連邦政府の無能さを見せつけるため、「マフティー」によるモビルスーツでの襲撃作戦が実行される。早く仲間と合流しなければならないのに、ハサウェイは怯えるギギを連れて街中を逃げ続ける。いったい僕はなにがしたいんだ?そんなことが頭をよぎり続けていたのかもしれないが、ケネスの指揮と新型モビルスーツ、ペーネロペーを駆るレーン・エイム(声:斉藤壮馬)の活躍により、「マフティー」のメンバー、ガウマン・ノビル(声:津田健次郎)が捕らえられ、捕虜になってしまう。
ここまでなんかクールぶっているだけであんまりいいところがないぞハサウェイ!そう感じた観客も少なくないのでは?しかし、そこは主人公。ギギと別れ、仲間たちとの合流を果たすと、アデレード会議襲撃のために準備していたΞ(クスィー)ガンダムを成層圏で空中受領して起動させるという離れ業も披露。ペーネロペーを撃退し、見事ガウマンの奪還にも成功するのだった。
能力は申し分ないのに、どこか詰めの甘さや未熟なところも見せがちなハサウェイ・ノア。そして、自分の使命に悩み続け、自己問答を繰り返す。多少複雑な一面を持つ人物ともいえなくないが、そんなところも応援したくなる。ハサウェイの活躍、ギギ、ケネスとの関係も見守っていきたい。
文/平尾嘉浩

