映画ランキング - 国内映画
(2025/4/4~2025/4/6)
2025年4月7日
発表(毎週火曜更新)
2025年4月4日~2025年4月6日に日本国内で上映された映画の観客動員数ランキングはこちら。『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』『ウィキッド ふたりの魔女』『片思い世界』などがランクイン!(興行通信社調べ)
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「映画ドラえもん」シリーズ45周年記念となる、長編映画シリーズ第44作。絵の中に広がるアートリア公国を訪れたドラえもんたちが、幻の宝石をめぐって強大な敵に立ち向かう。監督は『映画ドラえもん のび太のひ···もっと見る
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小説「オズの魔法使い」に登場する正反対な2人の魔女の友情を描くミュージカル「ウィキッド」を映画化した2部作の前章。『クレイジー・リッチ!』のジョン・M・チュウがメガホンをとり、舞台「カラーパープル」の···もっと見る
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アニメや漫画、舞台など多ジャンル展開する音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク』が初めてアニメ映画化。6チーム総勢18名による男の威信をかけた熱いラップバトル、第三回ディビジョン・ラ···もっと見る
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2023年にテレビアニメ化もされた同名コミックを実写映画化。監督を『よだかの片想い』の安川有果、脚本を『キャラクター』の川原杏奈が担当する。アイドルグループHiHi Jetsの作間龍斗と『六人の嘘つき···もっと見る
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『怪物』の脚本家である坂元裕二と、『ラストマイル』の塚原あゆ子監督が初タッグを組み、事故で夫を亡くした妻が、タイムトラベルで若い頃の夫と再会し、もう一度恋に落ちるラブストーリー。『ラストレター』の松た···もっと見る

4月4日から4月6日までの全国映画動員ランキングが発表。全国的に春休み期間の最後の週末となった今週も、『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』(公開中)と『ウィキッド ふたりの魔女』(公開中)の2強は揺るがず。まずはこの2作品の成績からチェックしていこう。
5週連続のNo.1を勝ち取った『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』の週末3日間の観客動員は26万3000人、興行収入は3億2300万円。これは前週末対比74%で、近10年(夏公開だった2020年を除く)の「映画ドラえもん」シリーズの春休み最終週末とその前週末の比較では最も高い数字。とはいえ例年は公開6週目末と5週目末の比較になるのに対し、今年は5週目末と4週目末の比較になるため、これだけで判断するのは少々難しい。
ここまでの累計成績は動員が317万人&興収37億円。直近で最大のヒットを記録している『映画ドラえもん のび太の月面探査記』(19)は公開5週目末の段階で動員332万人&興収38億円だったので、それを少々下回っている。しかも同作の場合は、翌週も春休み期間だったため動員を大きく伸ばしていた。今年は春休みが終わったとはいえ、強敵である「名探偵コナン」が始まるまで1週間の猶予がある。次週末はどれだけ数字を維持できているかに注目が集まるところだろう。
一方、1か月間にわたって『映画ドラえもん』の背中を追い続けている『ウィキッド ふたりの魔女』。この週末3日間で動員11万6000人、興収1億9400万円と、前週比78%の好成績をキープしており、公開31日間での累計成績は動員167万3000人&興収26億4400万円に達している。
洋画の実写作品が興収25億円を突破するのは(達成日ではなく公開日基準で)、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(23)以来、およそ1年8か月ぶりのこと。競合すると思われていたディズニーの『白雪姫』(公開中)をはじめ、ライバルとなる作品が不足しているおかげで相対的に好調を保っているわけではないことは、新作タイトルを押し除けて2位を守り抜いたことが証明しているだろう。
引き続き複数のフォーマットで鑑賞するリピーターが相次いでおり、春休み終了によるダメージも少ない『ウィキッド』は、当初想定されていた興収25〜30億円というラインを悠々と突破する可能性も充分に秘めている。場合によっては次週末、『のび太の月面探査記』以来のV6がかかる『のび太の絵世界物語』と大接戦、あるいは悲願の大逆転を成し遂げるなんてこともありえない話ではない。
今週は新作タイトルが2本、いずれも“2強”に次ぐ3位と4位にランクインを果たしている。3位に初登場を果たしたのは、今週も9位にランクインした『ファーストキス 1ST KISS』(公開中)の脚本家である坂元裕二が、『花束みたいな恋をした』(21)の土井裕泰監督と再タッグを組んだ『片思い世界』(公開中)。
広瀬すずと杉咲花、清原果耶と、いずれもNHKの連続テレビ小説で主演を務めた経験がある当代トップクラスの女優3人がトリプル主演を果たした同作。初日から3日間の成績は動員8万1000人、興収1億1600万円と、『花束みたいな恋をした』の初動成績との対比では44%。大きく離されてしまったが、同作も『ファーストキス』も、坂元脚本作品は口コミでじわじわと広がり成績を伸ばしていく傾向にある。本作もそれに続くことができると期待しておきたい。
また4位には、『ふしぎな岬の物語』(14)など複数の著作が映像化されている森沢明夫の同名小説を、なにわ男子の長尾謙杜主演で映画化した『おいしくて泣くとき』(公開中)がランクイン。長尾演じる主人公と、當真あみ演じるヒロインの切ない恋模様が、30年の時を経て描かれるラブストーリー。今年に入ってから邦画実写の感動系ラブストーリーの好調が目立っており、こちらも今後の持続力に注目だ。
既存作品のなかでひときわ興味深い推移を見せているのが、前週の10位から一気に6位までジャンプアップを果たした『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』(公開中)。公開初週の当記事でも触れた通り、上映中に行われる観客の投票で展開とエンディングが変わる日本初の観客参加型“インタラクティブ映画”と銘打たれた本作は、公開7週目にして累計動員44万人&興収10億円を突破する大健闘。
なぜここにきて急激に順位を伸ばしたのかと調べてみると、この週末から1週間限定で「無発声上映」がスタートしたことがポイントではないだろうか。通常の映画であれば静かに観ることが推奨され、一部の熱狂的なファンのためにイベントとして“発声OK”の応援上映が行われるものだが、『ヒプマイ』の場合は真逆の発想。発声はもちろんのこと、“リンライ”と呼ばれるグッズを用いた応援上映が基本形であり、今回の「無発声上映」ではその両方がNG事項となっている。
それによって楽曲や作品自体のクオリティに集中できること、熱量が高い応援上映で足踏みしていた新規ファンなども気兼ねなく参加できるというメリットが多数。逆に無発声上映で観たことで、応援上映でまた観たいという意欲が高まっているファンの姿もSNS上では確認できる。ちなみに作品の性質上、各ディビジョン(劇中でラップバトルを繰り広げるチーム)の聖地にある劇場では結果が顕著に偏る傾向があるのだが、公式ホームページの「VOTING STATUS」を見る限り、「無発声上映」でもそれはあまり変わらないようだ。
以下は、1~10位までのランキング(4月4日〜4月6日)
1位『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』
2位『ウィキッド ふたりの魔女』
3位『片思い世界』
4位『おいしくて泣くとき』
5位『白雪姫』
6位『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』
7位『山田くんとLv999の恋をする』
8位『ミッキー17』
9位『ファーストキス 1ST KISS』
10位『教皇選挙』
今週末は、『ボヘミアン・ラプソディ』(18)のラミ・マレックが主演を務めるスパイアクション『アマチュア』(4月11日公開)、レネー・ゼルウィガー主演の人気シリーズ第4弾『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』(4月11日公開)、ファン・ジョンミン主演×リュ・スンワン監督の人気アクション映画の続編『ベテラン 凶悪犯罪捜査班』(4月11日公開)などが控えている。
文/久保田 和馬
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