オバンバもビックリ?『バタリアン』40周年が“泥沼状態”に…2本の続編が別々に進行中
“ゾンビ映画の名作『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(68)で描かれたできごとはすべて事実だった”という設定のもと、日本でもカルト的人気を博したホラーコメディ『バタリアン』(85)。今年で誕生から40周年を迎える同作の続編が2本、それぞれ異なる製作会社によって進められている。
一見するとホラーファンがワクワクするニュースなのだが、その実情は少々複雑に入り組んでいるようだ。そこで本稿では、この『バタリアン』続編をめぐる現在の状況を簡単に整理していきたい。
20年ぶりにシリーズが復活!?ティザー予告は公開されたが…
死体をよみがえらせてゾンビ化させる化学兵器「トライオキシン」によって、人間の脳みそを求めるゾンビたちが次々と発生。大騒動へと発展するさまを描いた「バタリアン」シリーズ。『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』が確立したゾンビ映画のルールを逆手に取り、人間と同じように動いてしゃべり、そう簡単には倒せない新手のゾンビ描写。さらにその強烈すぎる造形が話題を呼び、ゾンビ映画ジャンルに大きな革新をもたらした作品だ。
1作目の大成功を受けて、異なる製作陣によって続編となる『バタリアン2』(87)が製作。その後も『バタリアン リターンズ』(93)やテレビ映画として製作された『バタリアン4』(05)、『バタリアン5』(05)とシリーズ展開。2011年には複数の関係者のインタビューを通してその歴史をたどるドキュメンタリー映画が製作されるなど、伝説的なゾンビコメディ映画として語り継がれている。
そんな「バタリアン」シリーズが“よみがえる”と最初に報じられたのは2023年夏。Living Dead Mediaという製作会社がリブート版『Return of the Living Dead』の製作を発表する。同社は当時「オリジナルが築き上げた世界観をさらに拡張し、カルト的人気を誇るそのルーツを忠実に守り続けます」と宣言し、世界中のホラーファンを歓喜させた。
シリーズ第1作に参加した特殊メイクアーティストのトニー・ガードナーが復帰を果たし、メガホンをとるのは『Muck』(15)や『Kill Her Goats』(23)の新鋭スティーブ・ウォルシュ監督。『死霊伝説 呪われた町』(24)のアレクサンダー・ウォードが出演することなどがその後明かされていき、2024年12月にはファーストルックとなるティザートレーラーが公開。その際に、1985年冬を舞台にした物語になることと、映画の公開日が2025年の12月であることが発表された。
と、ここまでは近年よくある名作ホラーのリブート情報だ。ここで一旦話は2024年の夏に遡る。実はその時点で、リブート版『Return of the Living Dead』の公式サイトは一旦閉鎖されている(その数か月後に再開し、現在も情報が更新されているが)。いったいなにが起きていたのだろうか?