【ネタバレあり】『劇場版モノノ怪 第三章 蛇神』中村健治総監督&越田智明監督がシリーズ完結編に込めた想いと、思い描く「モノノ怪」の今後の展開

【ネタバレあり】『劇場版モノノ怪 第三章 蛇神』中村健治総監督&越田智明監督がシリーズ完結編に込めた想いと、思い描く「モノノ怪」の今後の展開

「核となるのはやっぱりテーマ」(越田監督)

情報補完ができる小説も発売中
情報補完ができる小説も発売中[c]ツインエンジン

——薬売りの持つ“退魔の剣”の封印が解かれるには、“形”“真”“理”の3つが揃うことが必要。以前、中村総監督にはアニメ制作をするうえで必要なのは、「テーマ、作品を象徴する人物、ほかの作品と差別化できるアイデア」と伺いました。越田監督が思うアニメ制作をするうえで必要な3つのことをお聞かせください。

越田「中村総監督が挙げた3つに尽きると思います。その核となるのはやっぱりテーマ。なにを表現したいのか、伝えたいのか。それがないとなにも作れません。次はどう見せるか。そこは演出部分になるのかな。あとは統一された世界観。みんなに『あっち向いてね』と仕向ける、道筋を立てることが監督として大事なことだと思っています。美術がいいものを作り、作画がいいものを描いても方向性が間違っていたら、結果、全然いいものにはならないですから」

——第三章まで観たうえで、第一章、第二章の「ココを観るとおもしろい!」という注目ポイントはありますか?

総監督&監督が注目して欲しいポイントは?
総監督&監督が注目して欲しいポイントは?[c]ツインエンジン

中村「第一章で、背景の目がポンっと変わったりするところ。あれはなんだったの?と思いつつも、そこまで意味を持っているとは思ってなかった方も多いかもしれません。あの目の理由は第三章にがっつりと繋がっています。第一章の時には『分かりにくくしているだけでは?』と感じてノイズになっていた演出もあったかもしれません。『ごめんなさい、いまは言えないけれど…これは最後に繋がっていくんです』という気持ちでした。第一章で回収されてないじゃん!とモヤっていたところが、第三章でしっかりと回収されているので、また最初から観ていただく際には、スッキリとした気持ちでおもしろく観られるポイントになるのではと思っています」

越田「作り込まれている美術のなかにもいろいろな絵が描かれていて、ギョロっとした目があるとか、割と目立つ感じに描かれているので注目してほしいです」


——劇場版ではTVシリーズでは出していなかった設定なども“公に”出していましたが、劇場版が一区切りしたところで、「いまだから言える!」みたいな新しい設定が出てくるといったことはあるのでしょうか?

中村「さらに具体的に細かく文章で説明できることはいろいろあります。劇場版は小説も公開と同時に出ますので、そこでも情報を補完することは可能です」

——細かな設定が実はいろいろあったと聞いてしまったら、可能な限り「見せてほしい!」と思ってしまいます(笑)

大奥に隠されていた秘密が明らかに…
大奥に隠されていた秘密が明らかに…[c]ツインエンジン

中村「SNSの質問企画やチャンスがあれば、是非!」

——期待しております。第三章で大奥を舞台にした物語は一旦、幕を下ろしますが、まだまだお話のアイデアはあるのかなと想像しています。今後の展開で考えていることがあれば、アイデアの段階でもよいので、ぜひ伺いたいです。

中村「僕自身がどの立場で関わるかどうかは置いておいて、『モノノ怪』という作品ができるだけいろいろな人に広がっていくといいなと考えています」

——越田監督をはじめ、安心して作品を任せられる方もいらっしゃいますし。

中村「そういう人を増やしていきたい、増やしていかないといけないと思っています

——薬売りのように増やすのですね。薬売り一人につき、監督ひとりになったらすごい数になりますね(笑)。

中村「でも、それぐらいが理想です」

——観る側の期待も高まります!

薬売りの数だけ、物語が誕生する可能性も!?
薬売りの数だけ、物語が誕生する可能性も!?[c]ツインエンジン

中村「アニメだけではなく、いろいろなコンテンツで広げていきたい気持ちもあって。コンテンツが展開して、『モノノ怪』が創られ続けることが重要だと思っているので、そういう方向でも頑張っていきたいです」

越田「僕としてはアニメを期待しますが(笑)」

中村「まあ、ね(笑)。越田監督の感覚としては、やっと『モノノ怪』の作り方も分かってきたから、これからなのになぁ…という段階なのかなって思っていますが、いかがですか?」

越田「関わり始めた頃は右も左も分からない迷子みたいな感じでしたが、やっとこのあたりの地理に詳しくなってきたという感覚があります」

中村「そうそう。だから逆に、新しい人に道も教えられるみたいな」

——繋いでいく感じ、いいですね。いろいろなクリエイターにチャンスがあるみたいな。

中村「いろんな声の薬売り、いろんなデザインの薬売りが観たい方もいると思うし、その気持ちもちゃんと伝わっていますので!」

——伝わっている、よかったです。「お気に入りの薬売りさんを探してください」というお話も前回のインタビューで出ていたので、期待はかなり高まっています。

中村「僕だけの力ではどうにもならないけれど、作品を開いていきたい気持ちがあるので、『モノノ怪』でこんなことをやってみたいという方は企画を持ち込んでいただいてもいいなと思っています!」

——まさか「モノノ怪」がそんなタイプの作品になるとは…。

中村「狭いところで焚き火を囲んで楽しいね、ってやっていたあの頃から、都会に出てきちゃいましたみたいな感じになっていて、僕自身もびっくりしています。だからこそ、どんどん広げていきたいという気持ちも強くなったのかなと思っています。まだ具体的なことはお伝えできませんが、気持ち的には『続いていきます』といったところですので、これからも『モノノ怪』を何卒よろしくお願いいたします!」

取材・文/タナカシノブ

※種崎敦美の「崎」は「たつさき」が正式表記

関連作品