『キルケーの魔女』どうだった?ガンダム上級者&初心者が『閃光のハサウェイ』を語り合う!「ガンダム好きの大きな夢が叶った」
「上田麗奈さんの“魔性の女”のような生っぽいお芝居が魅力的でした」
石井「そんなハサウェイとケネスに対するギギは、ちょっと間違えるとエキセントリックなだけのわかりにくいキャラクターになってしまうので、ギギがすてきじゃないとこの作品は成立しないくらい、いかに魅力的な女性に見せるかが重要なのかと思います」
阿部「上田麗奈さんの声の求心力も強いですよね。アニメのキャラクターの声というよりは、人の声に聞こえて生っぽい感じのお芝居。魔性の女のような感じがすばらしくて、すごく魅力的でした」
石井「ギギは心の機微に対しての鋭さが人よりも秀でていて、超然的な子なのかと思ったら、意外と経験の浅さや精神的に弱いところもあって普通の女の子のような魅力もある。ハサウェイが第1章で見捨てられなかったのは、そういう守ってあげたい感じがあるからなのかなと思いましたね」
平尾「でも、ギギはわりと人を振り回すキャラクターですよね。いまの年齢になれば、ギギの魅力はわかるんですが、劇中のギギと同世代だったらちょっと苦手かも…と思いましたね(笑)。そういうバランスもおもしろいです」
別所「私はギギに対してはもうアイドル的な感じで、“かわいい〜”という気持ちしかないです(笑)」
阿部「あそこまで完璧だと、憧れというか別次元のアイドルを見ているみたいな気持ちですよね。むしろ、ケリアのほうには共感性羞恥みたいなものを感じました。彼女は普通の女の子なので、この子を見ているのはつらいな…って。ものすごく女性的だなと思いましたね。ハサウェイに対する感情は、もはや母性に近いものだったのかなと思います。だからこそ、別れるところは子離れするような感じで、恋人から離れるというよりも、自分が見ていなくても大丈夫だろうと。そんな構図に見えて悲しいというか、切なくなりましたね。単に恋人同士の痴情のもつれではない、もっと深い感情が彼女にはあったのかなと思いました」
別所「組織のリーダーのパートナーとしての選択をしたという。そういう達観した感じには見えましたね」
石井「ケリアが髪を剃るシーンは、その決意の表れだと思いますね。髪を切った自分に対してハサウェイがどんな反応を見せるのかを知りたかった。なにか気にしてほしかったけど、気にしてくれなかったから、別れるしかないと決断したんじゃないかと」
別所「ハサウェイに見せつけるのではなく、“私もそういう選択をしたのよ”ということだとするなら、理解できる気がします」
平尾「ただ、ハサウェイにとっては、“マフティー”としての大義を優先して、さらにギギのこともあって抱え込んでいる時に、母親的にいろいろ言われたら鬱陶しい存在になってしまったのかなと」
阿部「ケリアの咀嚼音を強調するシーンがありましたよね。あれは、ハサウェイの心が離れたからああいう音が気になってしまったのかなと」
平尾「薬を飲んだかというやり取りあたりで、気持ちが離れているのはわかりますよね」
別所「咀嚼音を含めて、リアルさを感じる演出でした」
石井「でも、ケリアはキャラクターとして不憫だなと思うんですよね。登場した時点でハサウェイの心が離れているので、魅力は減じている形でしか描かれていない。より魅力的な子と出会った結果離れる存在として描かれているので。ある種、ハサウェイのダメなところを映し出しているんですよね。そういう意味で、男女の距離感の絶妙さを描く存在だったのだと思います」

