ポルターガイスト、呪いの人形、一家殺人…ウォーレン夫妻が挑んできた「死霊館」シリーズ元ネタ事件簿

コラム

ポルターガイスト、呪いの人形、一家殺人…ウォーレン夫妻が挑んできた「死霊館」シリーズ元ネタ事件簿

「悪魔が殺させた…!」と主張した「アーニー・ジョンソン事件」

1981年にコネチカット州で起こった「アーニー・ジョンソン事件」(『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』)
1981年にコネチカット州で起こった「アーニー・ジョンソン事件」(『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』)[c] Warner Bros. / Courtesy Everett Collection

死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』のモデルとなった「アーニー・ジョンソン事件」は、コネチカット州ブルックフィールドで、19歳の青年アーニー・ジョンソンが大家のアラン・ボーノを口論の末にナイフで刺殺し、裁判で“悪魔が殺害を命じた”と主張した事件。

アーニー・ジョンソンの婚約者の弟が悪魔に憑かれたことを発端とする(『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』)
アーニー・ジョンソンの婚約者の弟が悪魔に憑かれたことを発端とする(『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』)[c] Warner Bros. / Courtesy Everett Collection

若き青年が悪魔によって犯行を強いられたと主張し…(『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』)
若き青年が悪魔によって犯行を強いられたと主張し…(『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』)[c] Warner Bros. / Courtesy Everett Collection

この殺人事件より前に、アーニーの婚約者の幼い弟デヴィッドに悪魔憑きの症状が出ていたため、ウォーレン夫妻主導のもと、カトリック教会が悪魔祓いを行ったが、その際にアーニーが悪魔に“自分に取り憑け”と呼びかけたことが原因だとか。アメリカで初めて“悪魔憑き”が殺人の弁護理由として用いられたが、ジョンソンは第一級殺人罪で有罪判決。模範囚として5年後に釈放された。

ウォーレン夫妻が最後に挑んだ「スマール家事件」

スマール一家を襲った怪奇現象をベースとする『死霊館 最後の儀式』
スマール一家を襲った怪奇現象をベースとする『死霊館 最後の儀式』[c] 2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

そして『死霊館 最後の儀式』で描かれるのが、ウォーレン夫妻が引退するきっかけとなった最後のケースとされる「スマール家事件」だ。ペンシルベニア州ウェストピッツトンに、子ども、そして両親と共に引っ越してきたスマール夫妻が、1974〜89年にかけて物音や異臭といったポルターガイスト、さらにはジャックが悪魔から暴行を受けるなど、心霊現象に悩まされたと主張した出来事だ。

ウォーレン夫妻は1986年に相談を受け、例の如く泊まり込みで徹底的な調査を決行し、人間以外の声や物が宙に浮く現象、そして肉体的な暴行を観察したと主張。除霊をするも失敗に終わり、結局はスマール一家が引っ越すことになったそうだ。

ウォーレン夫妻が挑んだ最後の事件となった「スマール家事件」(『死霊館 最後の儀式』)
ウォーレン夫妻が挑んだ最後の事件となった「スマール家事件」(『死霊館 最後の儀式』)[c] 2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

映画ではこの家を舞台に“呪いの鏡”にまつわる謎の超常現象が次々発生。調査に足を運ぶウォーレン夫妻だが、邪悪な悪魔によって婚約中の最愛の娘ジュディ(ミア・トムリンソン)がねらわれることに…と、最後にふさわしい壮絶な戦いが繰り広げられていく。

また邪悪な悪魔の存在が…(『死霊館 最後の儀式』)
また邪悪な悪魔の存在が…(『死霊館 最後の儀式』)[c] 2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

ウォーレン夫妻が実際に調査した事件を題材とした恐怖を描く「死霊館」シリーズ。悪魔との戦いはどのような結末を迎えるのか?ぜひ劇場でその行く末を見届けてほしい。

『死霊館 最後の儀式』は10月17日(金)より公開
『死霊館 最後の儀式』は10月17日(金)より公開[c] 2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved


文/サンクレイオ翼

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