ポルターガイスト、呪いの人形、一家殺人…ウォーレン夫妻が挑んできた「死霊館」シリーズ元ネタ事件簿
史上最長のポルターガイスト!?「エンフィールド事件」
『死霊館 エンフィールド事件』(16)にてメインで扱われるのが、タイトルにもある「エンフィールド事件」。1977〜79年にイギリス・ロンドンのエンフィールドで4人の子どもと暮らしていたシングルマザーのペギー・ホジソンが、2年2か月(それ以上とも!)にわたり、自宅で怪異に悩まされたポルターガイスト現象だ。重いタンスが勝手に動いたり、謎のノック音が聞こえたり、数か月の間だけでも1500を超える超常現象が記録されたというから恐ろしや…。
娘の一人であるジャネットは悪魔に取り憑かれたことを主張しており、野太い声で話したり、宙に浮いたりしたそうで、劇中でもその様子を再現。映画では数々の怪異の元凶が、悪魔のシスター、ヴァラク(ボニー・アーロンズ)の仕業とされ、エンフィールドの家を舞台に、ロレインと対決が繰り広げられた。
一家惨殺を発端とする「アミティヴィル事件」
この『死霊館 エンフィールド事件』のプロローグとして語られた「アミティヴィル事件」は、『悪魔の棲む家』(79)など、これまでに繰り返し映画化されてきたニューヨーク州ロングアイランドにある町、アミティヴィルの有名な心霊ハウスで起こったとされる事件のこと。
事の発端は、1974年にこの家に住む一家6人を長男のロナルド・デフェオ・ジュニアが銃で惨殺した事件。彼が“家に殺しを命じられた”と主張したこと、また事件の1年後、曰くつきを承知のうえで引っ越してきたラッツ一家が、数々の怪異に見舞われたと主張したことから“悪魔が家に取り憑いているのでは?”と噂が広まった。
『死霊館 エンフィールド事件』では、冒頭にアミティヴィルの家で心霊調査を行ったロレインがヴァラクによってもたらされる恐ろしい光景を目にし、エドも恐ろしい夢を見るようになり…と、最強のケースである「アミティヴィル事件」にふさわしい重要なシーンとして描かれた。