人骨プールにキャストの相次ぐ死…“呪われた映画”『ポルターガイスト』の家に本当に泊まれる!?
スティーヴン・スピルバーグがプロデューサーを務め、公開当時に北米年間興収ランキングのトップ10に入る大ヒットを記録したホラー映画『ポルターガイスト』(82)。公開から40年以上が経った現在も、“呪われた映画”として語り継がれている同作の撮影で使用された家が、現在Airbnbなどの民泊サイトを通して宿泊可能になっているようだ。
この家はカリフォルニア州のシミバレーに位置するロクスベリー通りに実在しており、築46年。外観が同作の撮影で使用された以降、どのような使われ方をしてきたのか定かではないが、「abc45news」の報道によれば、2024年に売りに出された際に起業家であるレイチェル・パワーズが128万ドルで購入。そこからさらに16万5000ドルをかけて、映画劇中のセットを再現したという。
1階には広々としたリビングルームと2か所のダイニングルーム、日当たり抜群のキッチンが。中央の階段(映画のように特徴的な階段ではないが)を上がっていくと、2階には4つの寝室と2か所のバスルームが完備。内装は古き良きアメリカの邸宅を思わせるデザインだが、最新の設備が取り入れられており、裏庭には大きなプールも。最大8人(ペット可)まで宿泊でき、1泊の料金は600ドルからとのこと。ちなみにウィジャボード(西洋版コックリさん)、儀式、霊的召喚は規約で明確に禁止されており、「浄化料金」がかかるそう。
『悪魔のいけにえ』(74)のトビー・フーパー監督がメガホンをとった『ポルターガイスト』は、カリフォルニアの郊外に暮らす平凡なフリーリング一家が突如として超常現象に襲われ、どこかへ連れ去られてしまった末娘を助けだすために霊たちと激闘を繰り広げる物語。第55回アカデミー賞では視覚効果賞など3部門にノミネートされるなど、興行的にも批評的にも大成功を収めた。
“呪われた映画”と呼ばれるようになったのは、出演者の相次ぐ死がきっかけといわれている。北米公開から4か月後、長女ダナ役を演じた当時22歳のドミニク・ダンが交際相手によって殺害される事件が起きる。それでも1985年に続編の撮影がスタートするのだが、そのクランクアップを迎えた直後にケイン役のジュリアン・ベックが60歳で、2年後には祈祷師のテイラー役を演じたウィル・サンプソンが53歳でそれぞれ病死。
そして1988年、シリーズ第3作の北米公開を4か月後に控えるなか、第1作から一家の末娘キャロル=アン役を演じてきたヘザー・オルークが12歳の若さでこの世を去る。彼女は第3作の撮影開始前にクローン病と診断され、治療を受けながら撮影に臨んでいたのだが、ある朝自宅で倒れて病院へ搬送され、その数時間後に先天性腸狭窄症と敗血症性ショックで帰らぬ人となった。
それ以外にも撮影現場ではさまざまな不可解なできごとが起きていたと言われており、本物の呪術師でもあったサンプソンが現場で悪魔祓いをしたというエピソードも残されている。また後年、第1作のなかでジョベス・ウィリアムズ演じるダイアンが落下するプールに現れる骸骨が、撮影用に作られたものではなく本物の人骨であったことが判明。もしかすると、それがすべての元凶なのかも…。
シリーズ3作まで製作され、1990年代にはテレビシリーズ化。さらに2015年にはサム・ライミのプロデュースでリメイク版も製作された「ポルターガイスト」シリーズ。その“呪い”を探るドキュメンタリー映画が計画されたこともあったが実現には至らず、また2019年にはルッソ兄弟によって再リメイクの話が持ち上がったものの立ち消え状態に。
しかし、2023年10月にAmazon MGMのもとでリメイクドラマシリーズの開発が進められていることが明らかに。その続報を楽しみに待ちつつ、カリフォルニアを訪れる際にはこの家に泊まり、フリーリング一家の恐怖を追体験してみてはいかがだろうか。
文/久保田 和馬