『チェンソーマン レゼ篇』が前週比110%の成績でV3達成!『鬼滅』『国宝』、9月らしからぬ“夏興行”の持続ムードはいつまで続く?

『チェンソーマン レゼ篇』が前週比110%の成績でV3達成!『鬼滅』『国宝』、9月らしからぬ“夏興行”の持続ムードはいつまで続く?

10月3日から10月5日までの全国映画動員ランキングが発表。公開3週目を迎えた『チェンソーマン レゼ篇』(公開中)が、今週も危なげなくトップの座を守り抜きV3を達成。しかも週末3日間の成績は観客動員57万7000人、興行収入8億9700万円と、前週末を110%以上も上回る成績を収めている。

9月公開アニメ最大のヒットとなった『レゼ篇』はどこまで伸びるのか?

週末3日間の成績は前週以上!この勢いで予測以上のヒットをねらう
週末3日間の成績は前週以上!この勢いで予測以上のヒットをねらう[c] 2025 MAPPA/チェンソーマンプロジェクト [c]藤本タツキ/集英社

ここにきて『チェンソーマン レゼ篇』が上昇カーブを描いた要因としては、この週末から新たに入場者プレゼント第2弾が配布となったことと、MX4Dや4DX、Dolby Cinemaといった上映フォーマットの拡大が考えられる。週末時点での累計成績は動員288万人&興収43億円を突破。本作が今後どのように推移し、どのぐらいの成績で着地するのかはまだ見えてこない。

というのも、今年の夏から9月にかけての興行は“例外”づくしであったから。通常であれば9月公開作は大作がひしめき合う夏興行を避けた作品が目立ち、ややターゲットの年齢層を高めにねらった作品など、ヒット作は生まれても“メガヒット作”が生まれづらい時期でもある。しかし今年の場合、夏興行に『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(公開中)が組まれていたことで従前から一強ムードが確定的となり、これまでのパターンがはっきりと崩されることに。

週末3日間の成績は前週以上!この勢いで予測以上のヒットをねらう
週末3日間の成績は前週以上!この勢いで予測以上のヒットをねらう[c] 2025 MAPPA/チェンソーマンプロジェクト [c]藤本タツキ/集英社

しかも夏が終わっても『鬼滅の刃』の勢いは衰えておらず、さらに夏の終わりに存在感を示した『8番出口』(公開中)もまだまだ元気で、初夏に公開された『国宝』(公開中)が異例の社会現象を起こして夏を堂々と越えてきた。よって今年の9月興行は、従来のような“秋興行”ではなく、“夏興行”の勢いがそのまま持続しているといっても過言ではない状況。10月に入っても夏のような天気が続いているが、それは映画界も同じのようだ。

結果的に『レゼ篇』は、9月公開のアニメ映画としては過去最大のヒットとなっている。そうなると気になるのは、この“夏”がいつまで続くのか。10月以降、『秒速5センチメートル』(10月10日公開)を皮切りに安定したヒットが見込めそうなタイトルがいくつか控えているものの、現状でメガヒットの可能性を備えているタイトルは少なく、あっても年末興行を見据えた11月後半になってから。


本格化する秋興行のなかで、どこまで首位を守れるのか
本格化する秋興行のなかで、どこまで首位を守れるのか[c] 2025 MAPPA/チェンソーマンプロジェクト [c]藤本タツキ/集英社

『レゼ篇』が作品自体のポテンシャルの高さをフルに活かし、終わらない夏興行の勢いを年末興行へとつなぐ橋渡しの役割を果たすことになれば、現時点で予測されている最終興収60〜70億円という着地点を突破することも可能なはずだ。もちろん『鬼滅の刃』や『国宝』との対決も今後さらに熾烈になってくるだろう。

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