ポルターガイスト、呪いの人形、一家殺人…ウォーレン夫妻が挑んできた「死霊館」シリーズ元ネタ事件簿
実在の心霊研究家であるウォーレン夫妻を題材とした人気ホラー「死霊館」シリーズ。これまでスピンオフを含めて10作が製作されてきたこのユニバースの最終章となる『死霊館 最後の儀式』が10月17日(金)から公開される。実際にウォーレン夫妻が遭遇した事件をモデルに、死霊がもたらす恐怖が描かれる本シリーズ。これまでにどんなケースが扱われてきたのか、ここで振り返っていきたい。
この古い農家がなにかがおかしい…「ペロン一家事件」
記念すべき第1作『死霊館』(13)の題材となったのが「ペロン一家事件」。1971年にロードアイランド州にある古い農家に引っ越してきたロジャー&キャロリン夫妻と5人の娘たちのペロン一家が、騒音や異臭騒ぎ、夢遊病といった超常現象に悩まされ、その話を聞きつけたウォーレン夫妻が一家を訪問。夫妻は19世紀にこの場所に住み、黒魔術に傾倒していたと“噂”されていた女性バスシーバ・シャーマンの霊の仕業と主張し、降霊会を実施したというケースだ。
映画では扉が勝手に閉まったり、家具が動いたり、子どもが見えざる力に引っ張られたり…立て続けに怪異が起こるなか、ビデオカメラ検証、温度感知器など科学を取り入れた調査によりウォーレン夫妻は、19世紀に自殺した魔女バスシーバの仕業と断定。ペロン家の妻キャロリン(リリ・テイラー)に取り憑いたバスシーバを、エド(パトリック・ウィルソン)が悪魔祓いすることで事件を解決へと導いた。
ちなみに、ペロン一家はその後、1980年までこの家に住み続けたそうだ。
かわいらしい人形がもたらす呪い…「アナベル人形事件」
同じく『死霊館』でペロン一家事件の前にプロローグとして登場するのが「アナベル人形事件」だ。ジョニー・グルエルの絵本「ラガディ・アン&アンディ」に登場するラガディ・アンの人形、通称“アナベル”が、1970年に看護学生のドナに母親から贈られると、そこから数々の奇妙な振る舞いを起こしたという。
『死霊館』では、アナベルの持ち主である2人の看護師がエドとロレイン(ヴェラ・ファーミガ)に人形がもたらす恐怖を語るシーンから始まり、その後、講演会で人形が安全に保管されていることが明かされるという意外にもあっさりとした形で登場した。
なお、一発目のドアップのカットなど強烈なインパクトを残したアナベル人形はその後スピンオフ化。アナベル・ヒギンズの怨霊が人形に憑依するきっかけが描かれた前日譚『アナベル 死霊館の人形』(14)、さらに時代を遡り、人形が作られる原点が語られた『アナベル 死霊人形の誕生』(17)、ウォーレン夫妻によって自宅に封印された人形がもたらす騒動を描いた『アナベル 死霊博物館』(19)…と物語が膨らまされた。
ちなみに、現実でもアナベル人形のケースを叩いた男性がその後バイク事故で亡くなったり、人形を放り投げた神父が大事故に遭ったり…様々な悲劇が起こったとか。現在も月に2度ほどお祓いが実施されているアナベル人形、最近では人形の管理者ダン・リベラが人形と共に全米を巡るツアー中に“自然死”し、ネット上で「呪いでは?」と話題になった。
