二宮和也が映画『8番出口』について川村元気監督と語り合う!「元気さんでなければここまで振り切ったことはできなかった」
インディーゲームクリエイターのKOTAKE CREATEがたった一人で制作し、累計販売本数190万本超の世界的大ヒットを記録したゲームを実写映画化した『8番出口』(公開中)。川村元気監督のもと、二宮和也が初となる名前のない主人公を演じると共に、脚本協力としても参加を果たしている。地下通路に迷い込んだ男が、異変があれば“引き返し”、なければそのまま“前に進む”という二択を繰り返し、絶望的なループから抜けだそうとする姿を描く本作。撮影現場ではその場で編集を行い、セリフやシーンにどんどん変更が加えられていくという前例のないものづくりに挑んだ川村監督と二宮が、いまだからこそ『8番出口』に注ぐことができた力。人生における“選択”で大切にしていることを語り合った。
「リスクを取らないと、志向性の高いものは生まれない」(二宮)
――人気ゲームを映画化した本作ですが、ゲーム「8番出口」のスリリングな魅力を詰め込みながら、観客も二宮さん演じる“迷う男”と一緒に地下通路に迷い込むような、まったく新しい映画体験をするような作品だと感じました。
川村「僕はいつも、新しい映画体験を提案したいと思っているので、とてもうれしいです。今回目指していたのはまさに、ゲームと映画の境目が曖昧になるような映画体験ができる作品です。以前、任天堂の宮本茂さんと対談をさせていただいた時に、『プレイしている人も楽しいけれど、それを後ろから見ている人も楽しくなるのが、いいゲームなんです』とおっしゃっていて。自分がゲームをしているような感覚になるのと同時に、『コイツ、あの異変に気づいていないぞ』『こっちじゃない、あっちだぞ』と“迷う男”にツッコみたくなったり、まるでゲーム実況を観ているような体験を映画の中に閉じ込められたとしたら、ものすごく新しい映画体験が生まれるのではないかと感じました」
――第78回カンヌ国際映画祭ではミッドナイト・スクリーニング部門に選出され、すでに100以上の国と地域での上映も決定するなど、世界的にも注目を浴びる作品になりました。企画当初は、いろいろな人から「ゲームを題材にした映画は失敗するよ」と言われることもあったそうですが、そういった意味での不安はありませんでしたか?
川村「カンヌのような新しい表現を求めている映画祭では、『ゲームというものを、こういう形で解釈したのか』という点に注目していただいたように思います。とはいえ原作の『8番出口』と出会って映画化したいと思った時には、正直まったく勝算はなかったです。でもうまくいったら、超絶おもしろい映画になるだろうと思いました。そこで欠かせなかったのが、二宮くんの存在です。ゲーム体験そのものを映画にするとしたら、ゲームリテラシーのある人に参加してもらえないと難しい。芸能界で一番ゲームをやっている俳優は誰だろうな…と」
二宮「アイツがいたな!と(笑)!」
――チャレンジングな企画ですが、二宮さんは本作のオファーをどのように受け止めましたか。
二宮「僕自身、リスクを取らないと、こういった志向性の高いものは生まれないだろうと感じています。今回の企画をいただいた時に、結果として失敗する、成功するということは気にすることなく、『ここまでみんなで尖りきれたよね』というところまで辿り着けそうだなと思って。迷うことなく『参加したい』とお返事しました」
――興味を惹かれると同時に、参加するうえで心掛けたことがあれば教えてください。
二宮「演じるうえで演劇的にならないようにすることが重要だと思いました。役作りに関しては、塩・胡椒の味付けくらい。見えないくらいの分量でやるのが、ベストかなと思っていました」