二宮和也が映画『8番出口』について川村元気監督と語り合う!「元気さんでなければここまで振り切ったことはできなかった」
「選択をしたからには、それを正解にしていかなければいけない」(二宮)
――積み重ねたものがなくなってしまうかもしれない不安と戦いながら、二択を迫られていく“迷う男”。二宮さんにとって、選択をするうえで大事にしている考え方があれば教えてください。
二宮「常に、大事な選択をしながら生きていると思います。なにも考えずに、いただいたものに対して『はい』と言ってやるのも危ないし、自分の『休みたい』という私利私欲のためになにもやらないのも間違っていると思うし。これをやったらどういうことが起こるのか。どういうリスクがあるのか。逆にやらないとどういったことが起こるのか。後悔が残るのだろうか…と一つ一つ、きちんと考えながら選択をしています。そして選択をしたからには、それが正解だったということにしていかなければいけない。正解にするためには、どういったフェーズを踏む必要があるのかを徹底的に考える。そういった思考、行動は『嵐』を組んでからずっとやってきたことなので、自然発生的にできるようになったところがあります。それはとてもありがたいことですね」
――川村監督は、ここ数年は特に大きな選択をしながら力強く前に進んでいる二宮さんから、刺激を受けることはありますか?
川村「僕は、その俳優さんの実人生と映画のフィクション性がシンクロした時に、演じる役に一番パワーが出ると思っているタイプで。一人で歩き始めるという本作の主人公の旅路が、どこか二宮くんと重なるところもありました。簡単にする選択にはあまり意味がなく、この主人公はずっと悩んでいます。悩んで、選択をするということがポイントです。そしてそうやって出した一つ一つの選択が、最終的に自分の形になっていく。二宮くんはその時その時、すごく考えながら選択をしている人だと思うので、やはり本作の主人公にぴったりでした」
二宮「やっぱり選択したならば、その答えに責任を持たないといけないですよね。これからもずっと、『よかったね』と感じてもらえるような働きかけをしていかなきゃなと思っています」
取材・文/成田おり枝