北米で口コミが拡大中!「バイオハザード」リブートに抜擢されたホラー界の新鋭が放つ『Weapons』とは?

コラム

北米で口コミが拡大中!「バイオハザード」リブートに抜擢されたホラー界の新鋭が放つ『Weapons』とは?

今年4月に北米公開されるや、ホラージャンルとしては異例の高評価を獲得し、“現象”ともいえる大ヒットを記録した『罪人たち』(25)。同作のようにクオリティの高さが口コミで伝播し大きな話題を集める作品は、数年に一度あるかないか。ところが早くもこのサマーシーズンに、“第二の『罪人たち』”と目されているホラー映画が公開を迎えた。その作品のタイトルは『Weapons』。いったいどんな映画なのだろうか?

小学生が集団失踪!?小さな町でなにが起きているのか…

【写真を見る】午前2時17分に子どもたちがいなくなる…スタイリッシュな表現の源は、ポール・トーマス・アンダーソン映画と“スリラーの巨匠”?
【写真を見る】午前2時17分に子どもたちがいなくなる…スタイリッシュな表現の源は、ポール・トーマス・アンダーソン映画と“スリラーの巨匠”?[c]Everett Collection/AFLO

単独長編監督デビュー作『バーバリアン』(22)がスマッシュヒットを記録した、ホラー映画界の新鋭ザック・クレッガー監督がメガホンをとった『Weapons』。物語の舞台はペンシルベニア州の小さな町。ある水曜日の深夜2時17分に、地元の小学校の3年生クラスの児童18名のうち17名が、突然家を抜けだして姿を消してしまった。

それから1ヶ月経っても子どもたちの行方はわからず、クラスの担任教師であるジャスティン(ジュリア・ガーナー)は休職処分を言い渡され孤立し、アルコール依存症に陥ってしまう。一方、行方不明になった児童の一人マシューの父であるアーチャー(ジョシュ・ブローリン)は、自ら子どもたちの捜索を開始。そんななか、ジャスティンとアーチャーはそれぞれ奇妙な悪夢を見ることとなる。

子どもたちの担任ジャスティンを演じるのは『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』のジュリア・ガーナー
子どもたちの担任ジャスティンを演じるのは『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』のジュリア・ガーナー[c]Everett Collection/AFLO

公開前からホラーファンのあいだで大きな注目が寄せられていた理由は、その斬新な宣伝手法。今年春にオープンした公式サイトを開いてみると、出現するのは「Maybrook News」と題された、インターネット黎明期の個人ホームページのようなシンプルなページ事件の情報を呼びかけるニュース記事のような文章が書かれ、その下には子どもたちが失踪した時間をとらえた短い監視カメラ映像がいくつか掲載されている。

あたかもネットサーフィンをしている時に偶然不気味なサイトを見つけてしまったかのような臨場感。作品の世界が現実と地続きになっていると思わせる“モキュメンタリー”のようなリアリティ。これらは四半世紀前に『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(99)が成功させたマーケティング手法を踏襲したものといえよう。

さらにページ上部の「BREAKING NEWS」をクリックすると、YouTubeにリンクが飛び、20分弱のさらに不穏なフッテージを見ることができる。また、トップページの両サイドにはクレッガー監督の前作『バーバリアン』の紹介や、なぜかホットドッグのレシピまで掲載されているという茶目っ気も凝った作りだ。

こうしたホラーファンの心をくすぐる戦略が功を奏したのか、公開前日の木曜日に行われたプレビュー上映では、先述の『罪人たち』を上回る興収520万ドルを記録し、週末3日間では興収4350万ドルを売り上げて北米興収ランキングで初登場No. 1を獲得。公開7日間で北米累計興収6000万ドルと全世界興収1億ドルをそれぞれ突破し、さらなる躍進が期待されている。

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