映画ランキング - 国内映画
(2025/4/18~2025/4/20)
2025年4月21日
発表(毎週火曜更新)
2025年4月18日~2025年4月20日に日本国内で上映された映画の観客動員数ランキングはこちら。『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』『ウィキッド ふたりの魔女』などがランクイン!(興行通信社調べ)
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4月18日から4月20日までの全国映画動員ランキングが発表。今週のトピックは、ついに公開を迎えた『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』(公開中)がいったいどれだけの成績をたたき出したのか、ということ以外ありえない。改めて言うまでもなく、同作は2位以下に途方もない差をつけて初登場No.1を獲得。もはやゴールデンウィーク前の風物詩であり、日本の映画興行における最大のビッグイベントといっても過言ではないだろう。
シリーズ史上最多規模となる全国522館(IMAX55館、4DX62館、MX4D12館、DolbyCinema9館を含む)で公開された『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』。まず初日から3日間の成績からお伝えすると、観客動員数は231万4690人で、興行収入は34億3862万6700円。これは昨年の『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(24)と比較すると102%の成績であり、シリーズ過去最高のオープニング記録を更新。まさに期待通りのスタートだ。
ちなみに各日の成績を細かくチェックしてみると、初日の4月18日は動員69万7355人で興収10億5842万2300円。これは『100万ドルの五稜星』対比109%の成績となる。そして4月19日の土曜日には動員83万5908人&興収12億4631万4200円で、4月20日の日曜日には動員78万1427人&興収11億3387万200円。あえてなにかと比較するならば、先日「金曜ロードショー」で放送されたシリーズ第2作『名探偵コナン 14番目の標的』(98)の最終成績を、土日2日間だけで達成したことになる。
一昨年の『名探偵コナン 黒鉄の魚影』(23)でシリーズ初の最終興収100億円突破(138億8000万円)を成し遂げ、前作『100万ドルの五稜星』では興収158億円に到達と、近年右肩上がりの本シリーズ。先述のように前作対比102%のオープニング成績ということは、まったく同じペースで興収を積み上げていけばシリーズ初の興収160億円超えの可能性もあるということなのだが、はたしてそううまくいくだろうか?
先述した土日2日間の成績を足すと、動員が161万7335人で興収は23億8018万4400円。土日2日間の成績だけで見れば、ごくわずかではあるが前作を下回っている。週末3日間成績に占める初日成績の割合は、金曜日公開となった2018年以降、コロナ禍前の2年は21%だったのに対し、2021年から昨年までは27〜28%で推移。今年はついに30%に乗っている。観客が初日に集中するのは期待値の高さのあらわれではあるが、土日の成績が微妙に落ちてしまったことはやはり気掛かりなところ。
また、ここ2年は公開3週目末がGWの序盤で公開4週目末がGWの真っただ中。この期間が初週末に次ぐピーク期間となり、GW終了時までで『黒鉄の魚影』は動員728万人、『100万ドルの五稜星』が動員845万人と、最終成績の4分の3をあげている。今年の場合は公開3週目末がGWの真ん中に位置し、初日から稼ぎどころまでの期間が数日短いカレンダーになっている。GW終了後に下降する傾向はどうしても避けられないだけに、いかに前2年よりも短い期間で成績を伸ばすかが課題となることだろう。
ちなみに内容面では、“黒の組織”や“怪盗キッド”という「名探偵コナン」を象徴するキャラクターがキーパーソンだった近2年と比べて、長野県警の大和敢助を軸にしたストーリーというのは通好みでチャレンジング。さらに劇場版シリーズに求められるド派手なエンタメ活劇としての色よりも、ひたすら脚本のクオリティの高さ一本で勝負に出たという印象を受けた。これでシリーズ最大のヒットとなったら、コナンファンとしてはうれしい限り。なにはともあれ、しばらくの間、動員ランキングでは“王者の貫禄”をたっぷりと見せつけてもらおう。
さて、ここからはランキングの2位以下の作品を簡単に紹介していくことにしよう。前週まで6週連続で1位をキープしていた『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』(公開中)は、例年通り「コナン」にその席を譲りわたすかたちとなり、2位にランクイン。
週末3日間の成績は動員7万4000人、興収9300万円と、前週からおよそ半減しているが、ほとんどの劇場がキャパシティの大きなスクリーンを『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』に割いていることを考えれば、まだまだ健闘しているほう。公開から45日間の累計成績は、動員が349万人を突破し、興収は42億円目前。まだ前作・前々作の最終成績に届いていないが、作品評価の高さから見るに、GW前後でもうひと伸びあっても不思議ではない。“春の王者”ドラえもんの底力に注目だ。
一方、公開7週目を迎えた『ウィキッド ふたりの魔女』(公開中)は前週に引き続き3位をキープ。こちらは週末3日間で動員6万1000人&興収9500万円と、興収だけではあるが、ここにきて『映画ドラえもん』を逆転することに成功。累計成績は動員194万人、興収30億円をそれぞれ突破している。
新作タイトルでは、「週刊少年ジャンプ」で連載中の宮崎周平によるギャグ漫画をアニメーション化した『劇場版 僕とロボコ』(公開中)が4位に初登場。また、前週2位に初登場したラミ・マレック主演の『アマチュア』(公開中)は5位となり、9位にランクインした『ファーストキス 1ST KISS』(公開中)は公開から11週連続でトップテン圏内をキープしている。
そして10位には『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』(7月18日公開)に向けて、「鬼滅の刃」のテレビシリーズ特別編集版を週替わりで上映する「鬼滅シアター」の第3弾『鬼滅シアター-「鬼滅の刃」特別編集版 劇場上映-』竈門炭治郎 立志編「鼓屋敷編」(公開中)がランクイン。5月9日(金)からは、日本歴代興収ランキング第1位に君臨する『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(20)のリバイバル上映も予定されており、GW明けに「名探偵コナン」と「鬼滅の刃」が相見えることとなりそうだ。
以下は、1~10位までのランキング(4月18日〜4月20日)
1位『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』
2位『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』
3位『ウィキッド ふたりの魔女』
4位『劇場版 僕とロボコ』
5位『アマチュア』
6位『片思い世界』
7位『教皇選挙』
8位『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』
9位『ファーストキス 1ST KISS』
10位『鬼滅シアター-「鬼滅の刃」特別編集版 劇場上映-』竈門炭治郎 立志編「鼓屋敷編」
今週末は、結城真一郎の同名ミステリー小説をMrs.GREEN APPLEの大森元貴とtimeleszの菊池風磨ダブル主演で映画化した『#真相をお話しします』(4月25日公開)、世界的人気ゲームを実写映画化し全世界で大ヒットを記録している『マインクラフト/ザ・ムービー』(4月25日公開)、2023年に放送されたテレビドラマの劇場版『パリピ孔明 THE MOVIE』(4月25日公開)などが控えている。
文/久保田 和馬
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