伝説のB級ホラーがまさかのリメイク!『トキシック・アベンジャー』メイコン・ブレア監督が語る、「手作り感」に宿したオリジナル版のDNA

伝説のB級ホラーがまさかのリメイク!『トキシック・アベンジャー』メイコン・ブレア監督が語る、「手作り感」に宿したオリジナル版のDNA

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「資源があるかないかはではなく、映画作りからなにを得たいのかを見つけ出すことが大事」

トロマからはジェームズ・ガンも巣立ち、いまやハリウッドの大作を手掛けている。「ロイドのグループからは『サウスパーク』の2人も出てきましたよね。ジェームズ・キャメロンやジャック・ニコルソンが出てきたロジャー・コーマンのグループを思い出します。手作りで、自力でやる環境から出発することには意味があると思うんです。資源があるかないかは実は重要ではなくて、自分にとってなにが大切か、映画作りからなにを得たいのか、自分の映画をどんな感触にしたいのかを見つけ出すことが大事。それが見つかれば、予算の大小はほとんど副次的なものになります。そういった時間を過ごしてきたからこそ、チャンスが巡ってきたときに、より完成された状態で臨めるんです。トロマやコーマンの世界からスタートした人が、やがて『スーパーマン』や『アバター』シリーズのような映画を作るようになる。そうした軌跡を見るのが大好きです」。

『悪魔の毒々モンスター』の長年のファンであるブレア監督は、オリジナル版のDNAをがっちり継承しながら製作に向き合った
『悪魔の毒々モンスター』の長年のファンであるブレア監督は、オリジナル版のDNAをがっちり継承しながら製作に向き合ったTM & [c]2025 Legendary. All Rights Reserved.

「人間の物語への欲求のなかには、実際の代償を払うことなく死と向き合う体験をしたい、というなにかがある」

近年、アメリカではホラー映画の好調が続いている。ブレア監督はその背景をこう分析する。「現在のアメリカには大きな不安が広がっていて、それが反映されているのかもしれません。劇場に足を運んで、緊張や不安を集団で体験する。でもその恐怖は、劇場という安全な場所でみんなと共有し、現実世界には持ち越されず、その場で手放すことができる。そこにカタルシスがあるのだと思います。ただ、外の世界がこれほど不安に満ちていなくても、ホラー映画は人気だったでしょう。人間の物語への欲求のなかには、アドレナリンを高め、実際の代償を払うことなく死と向き合う体験をしたい、というなにかがあります。無声映画の時代でさえ、『フランケンシュタイン』や『ジキルとハイド』が作られていましたから。大作のイベント映画やコメディには、はやり廃りがありますが、ホラー映画は決して時代遅れになりません」。

ウィンストンの息子ウェイド役にジェイコブ・トレンブレイ
ウィンストンの息子ウェイド役にジェイコブ・トレンブレイTM & [c]2025 Legendary. All Rights Reserved.

本編には、オリジナル版のファンに向けたイースターエッグ(仕掛け)も散りばめられている。「オリジナル版のファンに向けて手を振るような、小さなウィンクのつもりで入れました。たとえば、何度か登場するニュースキャスターの背景はトロマの街並みです。劇中の架空の街にある店の看板『Belgoody』は、オリジナル版に登場する市長への言及です。背景に見える『Pat’s』という店は、ロイドの奧様のパット・カウフマンさんのお名前を借りました。彼女はニューヨーク州の映画コミッショナーを務めた、とてもすてきな方なんです」。「本編とほぼ同じくらい長い」と冗談を飛ばすポストクレジットシーンについては、「普通は『お楽しみに』と盛り上げるものですが、私たちは逆に『史上最も退屈で、延々と続くポストクレジットシーンを作ろう』と考えたんです」と告白する。ブレア監督の弟ブルックが担当した音楽でも、オリジナルへのオマージュが活きている。オリジナル版で誰もが覚えている、ムソルグスキーの「はげ山の一夜」を再解釈した楽曲が流れることにも耳を傾けてほしい。

ブレア監督のオリジナル版への愛が詰まった『トキシック・アベンジャー』は、11月13日(金)より公開
ブレア監督のオリジナル版への愛が詰まった『トキシック・アベンジャー』は、11月13日(金)より公開TM & [c]2025 Legendary. All Rights Reserved.

カルト的に愛されるB級映画を、ずっと愛してきた監督やキャストによって作られた2020年代版『トキシック・アベンジャー』は、新たな愛すべきB級ホラー作品として、新旧ファンから熱烈な愛情を受けることだろう。


取材・文/平井伊都子

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