日本の人気作家も騙された!?アン・ハサウェイ主演『ヴェリティ/真実』に4人の文筆家が取り憑かれたワケ「どうやらこの映画、一筋縄ではいきません」

日本の人気作家も騙された!?アン・ハサウェイ主演『ヴェリティ/真実』に4人の文筆家が取り憑かれたワケ「どうやらこの映画、一筋縄ではいきません」

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全世界で大ヒットした映画『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』(24)の原作者であり、いまアメリカでもっとも人気のある作家の1人として知られるコリーン・フーヴァーの同名ベストセラー小説を、アン・ハサウェイ主演で映画化した『ヴェリティ/真実』(11月6日公開)。本作は交通事故で体の自由を失った人気作家が隠してきた衝撃的な秘密を、彼女のゴーストライターを務めることになった新人作家が暴き出す、愛憎うずまくミステリー・サスペンスだ。

ひと足先に公開を迎えた全米では、週末興収ランキングで初登場No.1を獲得するなどスマッシュヒットを記録。原作同様、大胆な仕掛けが施されたスリリングな展開に、観客のあいだでは様々な考察や議論が巻き起こっている。そんな本作を、小説家の山内マリコ、作家の浅倉秋成、イラストエッセイストの犬山紙子、コラムニストの山崎まどかと、それぞれ異なる立場の文筆家4名がいち早く鑑賞。稀代の人気小説家が生みだした“問題作”を、彼らはどのように見たのか?各々から寄せられた絶賛コメントをピックアップしながら、本作の魅力を深掘りしていこう。

仕事にも人生にも行き詰まった売れない作家、ローウェン(ダコタ・ジョンソン)。彼女の元に、交通事故で生死を彷徨っている人気作家ヴェリティ(ハサウェイ)のゴーストライター業という驚くようなオファーが舞い込む。なぜ自分が選ばれたのか疑問を抱きながら、人里離れたヴェリティの邸宅へ移り住むローウェン。ヴェリティの夫ジェレミー(ジョシュ・ハートネット)と親密な関係になっていく彼女は、ある時、ヴェリティが書いたと思われる不気味な原稿を発見。そこには衝撃的な告白が綴られており…というストーリーで映画は始まる。

妖艶さと恐怖を備えたサスペンス…主人公たちと同じ“小説家”はどう観た?

売れない作家ローウェンは、人気作家ヴェリティのゴーストライターとして雇われる
売れない作家ローウェンは、人気作家ヴェリティのゴーストライターとして雇われる

劇中の大部分が広大な邸宅の中で繰り広げられ、ヴェリティが書いたと思しき原稿に記された文章をローウェンが読み進めていくことで、サスペンスが増幅していく。そうしたミステリー文学の旨みを活かしつつ、作品全体に流れるのは“サスペンスの神様”アルフレッド・ヒッチコック作品を思わせる緊迫感や、エイドリアン・ラインやブライアン・デ・パルマを彷彿とさせる妖艶で時折ゾッとするような空気感。

「六人の嘘つきな大学生」で第43回吉川英治文学新人賞の候補にあがり、「俺ではない炎上」で第36回山本周五郎賞候補にもあがるなど、作家として目覚ましい活躍を見せる浅倉秋成は「小説原作でありながら、映像作品ならではの妙に満ち溢れていた」と称賛。「作品はときに平然と作者を呑み込み、作者の人生そのものを書き換えていく。私も小説家の端くれとして、体の髄が冷える恐怖作品であった」と身震いを禁じえなかったことを告白。

【写真を見る】こんなアン・ハサウェイ見たことない…極上ミステリー『ヴェリティ/真実』で妖艶さ全開
【写真を見る】こんなアン・ハサウェイ見たことない…極上ミステリー『ヴェリティ/真実』で妖艶さ全開

また、映画化もされた「ここは退屈迎えに来て」や「あのこは貴族」など、女性同士の関係性を描くことに長けた小説家の山内マリコは「俗悪美とでも言いたくなる粘度のある世界観。女が女を見る悦び。作家の創作の秘密。憧憬と侮蔑がシーソーゲームを繰り返す熟達したケレン味演出。これはとんでもなく…ギルティ・プレジャー(背徳感)を刺激される映画!」と興奮気味に本作の魅力を語る。いまや指一本動かせなくなったヴェリティだが、事故に遭う前はファム・ファタール的な妖艶さを持つ女性。いっぽうでローウェンは朴訥とした雰囲気の女性だが、ヴェリティの原稿を通じ、やがて危険な魅力を開花させていく。正反対な2人の人生が交わっていく様は、見てはいけないものを見てしまっている空気感へ観客を誘う。


さらに「アン・ハサウェイ演じるヴェリティが小説を書くようになったきっかけに、この作品の世界観の根幹がある気がしました。その動機づけを思いつけるところに、コリーン・フーヴァーのベストセラー作家たるゆえんがあるのは確かだな、と思いました」と、同業者としての視点から、フーヴァーの才能に舌を巻いていた。山内も注目した“きっかけ”とはなんなのか、ぜひ映画館で確かめてみてほしい。

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