エログロだけじゃない!数々の名作(?)や才能を輩出してきたカルトムービー量産工場「トロマ」の豆知識
伝説のカルト作品として愛され続ける『悪魔の毒々モンスター』(84)を復活させたリブート版『トキシック・アベンジャー』が11月13日(金)より公開。さらにU-NEXTで作品が一挙配信されたことがSNS上で話題になるなど、このところ日本で盛り上がりを見せているトロマ・エンタテインメント。
グロ描写や下品なユーモア、ヌードをふんだんに盛り込み、“B級を超えたZ級”と称される作品を量産する映画会社としてファンにはおなじみだが、知らない人も多いことだろう。ここでは改めて基礎知識から日本の人気アニメとの関係といった意外なトリビアまで、トロマについておさらいしていきたい!
ロイド・カウフマンを中心に、1974年に創設!
まずトロマを語るうえで欠かせないのが、創業者ロイド・カウフマンの存在だ。1974年に、映画プロデューサーのマイケル・ハーツと共に映画製作、配給会社のトロマ・エンタテインメントを立ち上げ、低予算のインディペンデントなホラーやSFの製作、配給をスタート。
自身もメガホンを握り、「悪魔の毒々モンスター」シリーズをはじめ、『カブキマン』(90)、『チキン・オブ・ザ・デッド 悪魔の毒々バリューセット』(08)などの代表作を監督した。
ちなみにカウフマンはキャリア初期にはフリーランスとしてハリウッドの現場を経験。『ロッキー』(76)では酔っ払い役で出演しているほか、スタッフとしてもプロダクションマネージメントを担当するなど、名作の誕生に関わった。
おっぱい…?中国…?トロマという名前の意味とは
そんなカウフマンとハーツが命名したのが、「トロマ(Troma)」という社名。日本人にとっては、“とんま”や“のろま”を想起させるなんとも絶妙な名前だ。
「長年、意味を聞かれた際に、古代ラテン語で“セルロイドの卓越性”を意味する言葉と答えていた」「“Tits R Our Main Asset(おっぱいこそ我々の大きな強み)”の頭文字と噂された」「中国で産出される金属合金の名前として実在することを知った」など、カウフマンは「DVD Talk」のコラムで、冗談めかして語っていたが、特に意味はなし。なんとなく醜い言葉の発音をハーツと考えていたなかで、それとなくたどり着いたそうだ。
『悪魔の毒々モンスター』はアニメやゲームにもなった!
ホラー、SF、セックスといった、あらかじめある程度の客層が決まった、採算が取れるテーマで作品を作りだしてきたトロマにとって、最大のヒット作となったのが、1984年の『悪魔の毒々モンスター』だ。
清掃員のメルヴィンが有毒廃棄物によって醜いモンスター、トキシーへと変貌を遂げ、悪を成敗する。50万ドルで製作されたこの異色のヒーローものは予想外のヒットを記録。3本の続編とリブート版が作られた。
さらにはアニメ「悪魔の毒々モンスター 毒々あにめいしょん! 」やミュージカル、あのマーベルやアホイコミックスから出版された漫画、ゲームやフィギュアといった玩具…とフランチャイズ化するヒットコンテンツに。世界中で70を超える企業がトキシーやテレビシリーズといったトロマ・ブランドに基づいた商品を製造しているそう。実現しなかったアニメのシーズン2のプロットを引き継いだゲームが今年リリースされた。
悪趣味なだけでなく、社会的メッセージも
この「悪魔の毒々モンスター」シリーズが、環境問題や弱者への視点を孕んでいるように、悪趣味なユーモア、描写の奥に社会的なエッセンスも盛り込んでいるのが、トロマ映画の特徴の一つだろう。
『Class of Nuke 'Em High』という原題を持つ『悪魔の毒々ハイスクール』(86)では、原発近くの高校の生徒たちが放射能の影響を受けて変異するという原発問題を戯画化。聖地に建てられたファストフード店で、チキン・ゾンビが大暴れする『チキン・オブ・ザ・デッド 悪魔の毒々バリューセット』では利益優先主義のファストフード産業に冷ややかな眼差しを向けるなど、あえて下品な娯楽にしつつも主張を盛り込んだ骨のある作品が楽しめる。

