『BOSS/ボス』ではボスになりたくない料理人を好演!『インサイダーズ/内部者たち』『国家が破産する日』「ナルコの神」見応えのある作品で光るチョ・ウジンの活躍をプレイバック

コラム

『BOSS/ボス』ではボスになりたくない料理人を好演!『インサイダーズ/内部者たち』『国家が破産する日』「ナルコの神」見応えのある作品で光るチョ・ウジンの活躍をプレイバック

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演技派俳優としての道を着実に歩んでいく

チョ・ウジンにとって映画単独初主演作となった『ハード・ヒット 発信制限』
チョ・ウジンにとって映画単独初主演作となった『ハード・ヒット 発信制限』2021. [c] CJ Entertainment Courtesy Everett Collection

コロナ禍にあっても、『コレクターズ ~ソウルに眠る宝刀を盗み出せ~』(20)、『SEOBOK/ソボク』(21)など、出演作が途切れなかったチョ・ウジンは、2021年の『ハード・ヒット 発信制限』で、ついに初の単独主演を果たす。スペイン映画『暴走車 ランナウェイ・カー』(15)の舞台を韓国、釜山に移したこの作品は、娘と息子と共に乗る車の中に爆弾を仕掛けられた銀行員の奮闘を描くサスペンス・アクション。冒頭から車を運転し続け、画面のなかで上半身しか映らないという、かなり制限のある役柄だった。同作を手掛けたキム・チャンジュ監督は、チョ・ウジンを「表情がスクリーンの外へ飛び出しそうなエネルギーを放っていた」と評価。その言葉のとおりチョ・ウジンは、オープニングからラストまで緊張感を保ち続ける見事な演技を見せている。

長期にわたった軍事政権に対抗する民主化勢力のリーダーとして知られ、日本での拉致事件や死刑宣告といった波乱の人生の末、73歳で大統領となった金大中(キム・デジュン)の若き日をモチーフにした『キングメーカー 大統領を作った男』(21)では、礼儀正しい口調の向こうに残酷さを隠す中央情報部長役。大統領選挙を目指す政治家の参謀に近づき、陣営を揺さぶる。参謀役のイ・ソンギュンとの、言葉で見せる対決シーンが高く評価され、第58回百想芸術大賞映画部門助演男優賞を受賞した。

麻薬王に忠誠を誓う幹部を演じた「ナルコの神」
麻薬王に忠誠を誓う幹部を演じた「ナルコの神」Netflixシリーズ「ナルコの神」独占配信中

さらに同じ年には、南米のスリナムで麻薬を扱っていた韓国人の逮捕に向けて国家情報院と民間人が協力して挑んだという驚きの実話を、映画監督ユン・ジョンビンが映像化したNetflixドラマ「ナルコの神」に出演。中国マフィアを裏切り、ファン・ジョンミン扮する麻薬王の右腕となる男を演じた。「この人物を通じて組織の凶悪さと闇の深さを体現しようとした」ということでヘアスタイルやメイク、衣装にもこだわり、殺気あふれるキャラクターを完成。朝鮮族の話す韓国語と中国語のアクセントも習得して臨んだ役作りが評価され、第59回百想芸術大賞テレビ部門の助演男優賞に選ばれた。

『BOSS/ボス』では前代未聞の後継者争いを繰り広げる幹部をコミカルに演じる

スンテ(チョ・ウジン)は料理の道を極めるため、後継者の座を辞退したいと願うが…(『BOSS/ボス』)
スンテ(チョ・ウジン)は料理の道を極めるため、後継者の座を辞退したいと願うが…(『BOSS/ボス』)[c] 2025 HIVE MEDIA CORP & MINDMARK, Inc ALL RIGHTS RESERVED. 

2000年代のはじめに多数作られた“暴力団コメディ”の流れも感じさせる『BOSS/ボス』では、情に厚いボスを支え続けてきたものの、大切な家族を守るため足を洗う決心をする組織の幹部スンテを演じている。中華料理店の腕利きの料理長という設定のため、撮影前にはアクションだけでなく料理の指導も受けたという。妻と娘を心から愛する人物であると同時に、組織の一員であることが身についている男をコミカルかつエネルギッシュに見せている。後継者の座を譲り合うガンピョ役のチョン・ギョンホ、本人だけがやる気満々のパノ役のパク・ジファンとアイディアを出し合いながらシーンを作り上げていった。「コメディこそ、より真剣に演じるべきだと思う」というチョ・ウジンの演技が堪能できる作品となっている。

チョ・ウジン、チョン・ギョンホ、パク・ジファンらによるアンサンブルを堪能できる『BOSS/ボス』
チョ・ウジン、チョン・ギョンホ、パク・ジファンらによるアンサンブルを堪能できる『BOSS/ボス』[c] 2025 HIVE MEDIA CORP & MINDMARK, Inc ALL RIGHTS RESERVED. 

チョ・ウジンのこれまでの歩みを振り返ると、彼が一つひとつの役に真摯に、誠実に向き合ってきたことがわかる。だからこそ彼の演技が多くの人に届き、評価され続けているのだろう。思惑渦巻くドラマから、思わず笑いがこみ上げるコメディまで幅広い作品で輝くチョ・ウジンのこれからにも注目だ。


文/佐藤 結


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