のせりん、初主演作『ライフセーバー!』ロケ地に帰還&きらめく海に再び感動!福井県高浜町を巡って振り返る“濃密な夏”
「ライフセーバーをやってみたいという方が増えたら、うれしい」
本作の企画は、河合広栄プロデューサーと児玉監督が、高浜町へ移住して「若狭和田ライフセービングクラブ」を立ち上げた細田直彦さんの活動を知ったことから始まった。映画では、細田さんをモデルとしたクラブのリーダー役を徳重聡が演じている。
自分たちの活動を「映画にしたい」という話が舞い込み、「驚きました」と笑顔を浮かべた細田さん。「児玉監督が、私たちの活動を深く理解してくださった。講習会や監視活動にも密着していただきながら、熱意を持ってライフセーバーの活動を取材してくれました」と制作陣に敬意を表し、「ライフセーバーについて“救助をする人”だと感じる人が多いと思うんですが、実際はまず事故が起きないように見守ることがとても大切で。そのためには、お客さんに注意したりもしなければいけない。映画では、そういった私たちの心情や葛藤の部分まで描いていただいた」と心の動きにもリアリティが感じられたと話す。
自身をモデルとしたキャラクターを演じた徳重について、細田さんは「私は、徳重さんのように男前ではないので」と照れ笑い。「徳重さん、オーラがすごいんですよ。そして“こういう時はどう動くのか”、“こっちの手がこうならば、反対の手はどうするのか”といったかなり細かい所作まで、たくさん質問をしてくれました。また日々、走り込みをしたり、懸垂をしたりと体力作りにも余念がない。すばらしかったです」と徳重のストイックな役作りを目にしつつ、「私たちライフセーバーも、1人では決してできない活動。チームで動くことが大切になります。俳優の皆さんも常にコミュニケーションを取り、空き時間には、うちのライフセーバーのメンバーも一緒になって腕立て伏せや懸垂勝負をしたりしながら、絆を深めていました。すごくいいチームワークができていたように思います」と一体感に満ちた撮影を懐かしんだ。
本作を通して、細田さんは「ライフセービングに興味を持ってくれる方が増えたらうれしい」と期待を寄せる。細田さん自身、各地にライフセーバーという仲間が広がっていくことが活動の励みになっているという。
体格も性格もライフセーバーには程遠く見える勇輝が、少しずつ成長を遂げていく。その姿は本作ならではの味わいとなっているが、細田さんは「のせりんさん演じる主人公が、“等身大”といった雰囲気でとてもいいなと感じていました。ライフセーバーって“筋肉がないとダメなんでしょう?”、“運動神経がよくなければダメなんでしょう?”というイメージがあると思うんですが、そんなことはないんです」と考えを述べ、「ライフセーバーの活動はとても間口が広く、声がけをしたり、ゴミ拾いをしたりすることも、ライフセービングになります。いろいろな方に携わっていただけるといいなと思っていますし、本作の主人公を通して“自分もやってみたいな”と感じる方が増えたら、こんなにうれしいことはありません」と心境を明かす。
もともと細田さんがこの町への移住を決めたのは、「海がきれいなのはもちろんのこと、地域の方々がライフセーバーの活動に理解を示して、受け入れてくださった」からだという。「豊かな自然環境と、人のつながり。その2つが揃っている海って、そんなに多くはないと思うんです。地域の皆さんの間ではビーチの清掃が習慣化していて、基本的に“この海を守りたい”という気持ちが強いんだと思います」。
海と人を守るライフセーバーを描く映画に、町の人々も「楽しみながら協力していた」と証言するのは、高浜町産業振興課の仲野博之さん。「延べ人数、200人くらいの方がエキストとして参加してくれました。海の家の人たちも撮影のためにお店を開けてくれたり、パラソルを貸してくれたり。暑い時期の撮影だったので、お弁当以外になにか出せないかと話し合ってスイカを持ってきてくれる方がいたり、“なにか足りない”となると、誰かが手を貸してくれたり。スタッフやキャストさんの宿の方にも、たくさんご協力いただきました」と感謝を込める。高浜町の魅力を捉えた映画には、町の人々の愛情がたっぷりと息づいていた。
取材・文/成田おり枝
※西岡徳馬の「徳」は旧字体が正式表記

