『マンダロリアン・アンド・グローグー』ペドロ・パスカル、“愛息子”グローグーの人気ぶりにも「嫉妬はありません(笑)」
「ジョージ・ルーカスの考え方は、自然に自分のなかに入り込んでいると思います」
――「マンダロリアン」シーズン3ではボイスオーバーのみで参加しています。今回はいかがでしたか?
「『1』と『2』はちゃんとアーマーを着けヘルメットを被って演技をしていましたが、シーズン3ではボイスオーバーだけでした。今回の映画ではかなり自分でやっています。途中、ヘルメットが外され水の中でモンスターと対峙するシーンはもちろん、自分でやっています。アーマーが重いと思われそうですが、実は地面を歩くより浮力があって楽でした。テイクとテイクの間では、泳ぎも得意なこともあり水に浮いていましたよ(笑)。モンスターとの闘いは大変でしたけどね。
『スター・ウォーズ』の伝統として、みんなで一緒に創って行くというのがあるんですが、ディン・ジャリンも私とブレンダン(・ウェイン/スーツ・パフォーマー)、そしてラティ(ラティーフ・クロウダー/ファイト・コーディネーター&スタント・パフォーマー)が一緒に創り上げている感じがします。それでいうと今回、すばらしかったのは演技だけではなく、プリプロやポスプロにも参加させてもらえたこと。またとない経験になりました」
――「スター・ウォーズ」シリーズには、創造主であるジョージ・ルーカスの精神や哲学、思想が盛り込まれています。そのなかであなた自身、大切にしていることがあれば教えてください。
「幼いころからずっと『スター・ウォーズ』を観ていたので、すでに頭にインプリントされている感じがあります。その最たるものは、“フォースは善のために使うものであって悪のためではない”です。“大きなアドベンチャー映画ではグッドガイを応援する”というのも刻んでいます。ジョージ(・ルーカス)の考え方はごくごく自然に自分のなかに入り込んでいると思いますよ。たとえ大人になったいまでも、それらのことについては考えさせられますから。もう1本、私に似たような影響を与えたのはスパイク・リーの『ドゥ・ザ・ライト・シング』(89)です。アメリカに移り住んでから観た作品で、いまでもいつも、このタイトルを自分に言い聞かせているくらい大好きなんです」
――本作、そしてドラマシリーズの「THE LAST OF US」と父親役が続いています。それも、血のつながってない父子という共通点も。
「意識して選んでいるわけではないんですよ。父と子、そしてアドベンチャーというのはストーリーテリングのひとつとして普遍性があり人気の高い物語なんです。『THE LAST OF US』のジョエルとエリーはお互いにインスピレーションを与え合う関係性ですが、愛の強さでいうとディン・ジャリンのほうでしょうか。厳しくて愛にあふれた父親像。ハードなアーマーをつけているのに、そのなかは愛が満ちているわけです。いうまでもなく、ディン・ジャリンとグローグーのお手本は日本の『子連れ狼』ですよね」
――最後の質問です。俳優を続けるうえで大切にしていることがあれば教えてください。
「ずっと映画を愛し続けている人間として、また、若いころからひとつのアートとして演技や舞台を学び、生涯それで生計を立てようとしている者として、もっとも大切にしているのは“versatility(ヴァーシティリティ)”です。多才&多様でありつつ高い適応能力をもっていたいということです。そう考えるなかにディン・ジャリンがいるのは私にとってとてもすばらしいことだと思っているんです」
取材・文/渡辺麻紀
