『箱の中の羊』で夫婦を演じた綾瀬はるかと大悟が振り返る是枝監督との撮影の日々「遊んでいた空気そのままで、すっと入っていけた」
「どこの世界でも、すごい人ってあんまりうるさく言わないんだなって感じました」(大悟)
――是枝監督は子役の方には、台本を見せずに自由に演じさせることが多いですけど、今回はどうだったんですか?
大悟「台本を渡してましたね。わしに台本を渡すかどうかは悩んでたいみたいですけどね」
綾瀬「逆にね。でも、里夢くんは覚えないと大変なセリフ量でしたよね」
――今回息子の翔くんはヒューマノイドで、ただ自分たちの子どもと接するというわけではない設定なので難しかったんじゃないかと思いますが、現場ではどのような感じだったんですか。
大悟「翔を演じた里夢の性格が、ロボットから一番、離れた感じの人間味あふれる子やったんで、勝手に僕たちも仲良くなれたのがよかったんじゃないですかね。すっごい人懐こいんですよ」
綾瀬「それに、子どもがみんなで集まるとパワーアップしてやんちゃが爆発していました。『おれーがさー』『おーれがよー』みたいな感じでいつもはしゃいでて(笑)。
大悟「でも、2時間くらいしたら里夢は眠くなるんで、充電が切れるということはありましたけどね(笑)」
――映画の中の翔くんと同じく里夢くんも充電が切れてしまうんですね(笑)。是枝監督の演出はいかがでしたか?
大悟「なんか言われた?」
綾瀬「私は『息を多めにして』って言われましたね。息8:声2で、ほぼウィスパーボイスでやってくださいって言われた以外は、あんまり言われませんでした」
大悟「どこの世界でも、すごい人ってあんまりうるさく言わないんだなって。おもろない人ほど、あそこが違う、ここが違うって言うのはありますからね」
綾瀬「空気を変えないまま、自然に演技に入れるようにしてくれてましたね。『よーい』って言っても、そのまま緊張感なく、すっと入っていけましたね」
大悟「急に“がちーん”って入る感じはなくて、遊んでいた空気そのままで、『はい、行きまーす』って感じでやってくれるんでありがたかったですね」
綾瀬「監督がすごいんだと思います」
大悟「その空気づくりはすごかったですし、あんまりほかの現場を知らんけど、周りのスタッフさんも、ピリピリした人がいなかったです」
綾瀬「すごくおだやかでしたね」
大悟「カットかけずに遊んだりもしてましたしね」
――アドリブも出せる現場だったんですか?
大悟「綾瀬さんは、そんなに楽し気なシーンが台本上少なかったんですけど、僕と里夢は、普通に長回しになって遊んでいたところもありました。けど、コントみたいになったんで使われてないと思いますけどね(笑)」
「AIをどう使うか、どう付き合っていくかは自分次第だと問われてるのかな」(綾瀬)
――この作品を経験してのいまの心境はいかがですか?
綾瀬「AIをどう使うか、どう付き合っていくかは自分次第だということを、みんなそれぞれが問われてるのかなっていうことは思いました」
――AIを使われたりしていますか?
大悟「まったく僕は使わないですね。使い方がわからない。でもみんないろんなことをAIに聞くっていいますもんね」
――大悟さんはなにか聞いてみたいことはありますか?
大悟「あいつら、成長するんですよね?だからなにかを吸収されそうで怖くて。ずっとやってると、わしのしゃべり方に似てくるんじゃないかなと思って。AIがテーマの映画に出てる僕が言うのもなんなんですけど、死ぬまで関わらずに生きていこうと思ってます(笑)」
取材・文/西森路代
