『箱の中の羊』で夫婦を演じた綾瀬はるかと大悟が振り返る是枝監督との撮影の日々「遊んでいた空気そのままで、すっと入っていけた」
「ほんとは『役に入りすぎてバラエティに戻るのがしんどい』って言ってみたかった(笑)」(大悟)
――実際に現場で演じてみて、初めてニュアンスがわかるところはありましたか?
大悟「正直、あんまわからんと入りました。やりながら、そういうことかと気づいていく感じで。綾瀬さんの雰囲気を見て、『そういうことなんかな』ってやりながらなんとなくわかっていった感じですかね」
綾瀬「台本を読んでいると近未来の話なのでよくわからないところもあったけど、翔の手の内側でやっぱりロボットなんだとわかるシーンがあって。その時に『こういうことなんだな』ってわかったりしたんですよね」
大悟「なるほどね。翔のことはヒューマノイドだって知ってはいるけど、普段はやっぱり人間のように見えてて。でも、機械である中身が見えた時にやっぱ本当はロボットなんだってわかったっていうね」
綾瀬「『こういう映画なんだ』って、その時に急に思ったんです」
大悟 「綾瀬さんが演じる音々の感情がね、だいぶ大変やったから2人で、このシーンではこういう感情なんやろなって話してましたけど」
綾瀬「『おかえり』っていうシーンがあるんですね。その時は、何度も(細部を変えて)同じセリフを言ったりしましたね。音々の危ういメンタルを一番冷静に見ているのは、大悟さんが演じる夫の健介なんだろうなと思っていました」
――大悟さんの場合、普段のテレビ番組とは違う現場で、現場や綾瀬さんのことをどのように見てたんですか?
大悟「ほんとはね、『けっこうあの期間中は役に入ってたから、バラエティに戻るのしんどかったです』とか言ってみたかったですけど、なんの問題もなかったです(笑)」
――撮影中もバラエティの仕事もしながらやっていたんですよね。
大悟「監督が『しゃべり方とかも意識せずそのままやってください』って言ってくれたので、そんなに作る必要もなく、合間にバラエティ撮っていても、全然大丈夫でした」
――今回のロケは郊外が多かったでしょうし、お忙しかったのでは?
大悟「撮影の前日は酒を抜いて、朝早く起きて、『なんか映画やってんな、役者やってんな』と思う瞬間はあって、その時は自分のことがちょっとおもしろかったです」
綾瀬「大悟さんは、普段はお笑いをやっていて、俳優とは違うっていうのもあるんでしょうけど、なにが起こってもあんまり動じなくて、どんっと構えていて…。常に大悟さんのペースで、それはすごいなって思っていました。通常だったら、感情が揺れそうなところも、いつもどんとされてて、果てしなく器が大きくて、果てしなくなにかを超えてきたのかなって思いました」
大悟「わしがすごいってバレちゃったみたいですね(笑)。でも実は、とにかく動揺を見られないようにしてました。笑っちゃうでしょ、端っこのほうでわしがひとり練習してたら。『ちょっと時間ください、1回止めて5分ください』ってわしが言ったらいやでしょ(笑)。そういうことがないようにしてたら、どんと構えてるように見えたのかもしれないですね」
――ということは、見えないところでちゃんとしてないと、そうはできないんじゃないですか?
綾瀬「確かに、大悟さんいつもセリフ完璧だった」
大悟「ええようにとっていただけたらいいんですけど、そんなになにも考えずにやっていました。1行くらいは覚えられます!長台詞がないんで」
綾瀬「でも、けっこう直前に変わったり足したりもあったんですけど、これくらいならって大丈夫という感じで。柔軟でしたよ」
大悟「漫才師ですから、変わるほうが楽なんです」
