30歳を迎えたティモシー・シャラメのこれまで。新たな代表作『マーティ・シュプリーム』で”サーティ”イヤーも加速必至!
「デューン 砂の惑星」シリーズでハリウッド大作でも存在感を示す
20代で演技派として認められたシャラメは、名だたる鬼才たちの作品に次々と出演。ウディ・アレンの『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』(19)では主演を務め、ウェス・アンダーソンの『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(21)ではアンサンブルキャストの一員として個性を発揮。
とりわけ評価と興行の両面で大きな成功を収めたのは、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が名作SF小説の映画化に挑んだ『DUNE/デューン 砂の惑星』(21)だろう。シャラメは砂の惑星で過酷な運命をたどる主人公の若者を演じ、大作の主演を堂々と務め上げた。本作はパンデミック下で公開されたにもかかわらず、4億ドル超えの世界興収を計上し、アカデミー賞では作品賞など10部門にノミネートされる快挙を成し遂げた。この成功を受けて製作された続編『デューン 砂の惑星PART2』(24)では前作超えの7億ドルの世界興収を上げている。シリーズ第3作は2026年に全米公開予定で、もちろんシャラメは前2作に続いて主演を務める。
ボブ・ディランの若き日に完全になりきった『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』
ハリウッド大作でも主演を務められることを証明したシャラメは、『チャーリーとチョコレート工場』(05)の前日譚『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(23)にも主演し、さらなる大きなチャレンジに取り組む。
それはロック界最大のカリスマ、ボブ・ディランの若き日を演じること。ジェームズ・マンゴールド監督の『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』(24)は、1960年代のディランの成功と、それに対する戸惑いや反骨をドラマチックに描いている。シャラメはギターやハーモニカを習得し、独特の歌唱をも自分のものにして驚くほどディランになりきった。この演技は高く評価され、20代のうちに2度目のアカデミー賞主演男優賞にノミネートされるという、ジェームズ・ディーン以来の快挙を果たす。
最新主演作『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』では人生のどん底で足掻きまくる男に!
そんなシャラメの最新主演作が『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』だ。卓球がマイナーなスポーツだった1950年代のアメリカで、世界チャンピオンを目指そうとした若者の奔走を実話に基づいて描いているが、彼の役どころは多くの観客を驚かせるに違いない。
卓球の卓越した腕を持ちながらも、口八丁手八丁の詐欺師のような男で、万年金欠状態、女性関係にもだらしがない、いわゆるクズである。しかし、クズにはクズの意地があり、そこから抜けだそうともがく。そんなキャラクターをシャラメはユーモアと人間味をにじませて演じ、なおかつどこか憎めない魅力を与えた。
そう、これはまさに彼の新境地。すでに第83回ゴールデン・グローブ賞にノミネートされているが、今後の全米賞レースを賑わせることは間違いない。30歳となり、役の幅を広げていくティモシー・シャラメから、ますます目が離せない!
文/相馬学
