春とヒコーキがどハマり!映画『爆弾』スズキタゴサクのモノマネが止まらない!?
「すごく引っ張られるカメラワークでした」(ぐんぴぃ)
――映画を1回しか観ていないモノマネのクオリティとは思えません。
ぐんぴぃ「ありがとうございます!僕が惹かれたのは、染谷さん演じる等々力との取り調べシーンが始まってからのカメラワークのエグさ。取調室は画替わりしない地味なシーンになりがちだけど、横から撮ってひっくり返るみたいな」
土岡「カメラが上を通るみたいなのもあったよね」
ぐんぴぃ「そう!それがタゴサクの術中にハマりつつあるみたいなところを表現しているのかなと。山田さん演じる類家が出てくるシーンのカメラワークもおもしろくて。部屋に入るシーンを後ろから撮るところから始まって、渡部さんが演じる清宮を映しての『類家です』と挨拶するまでのあの一連の流れ。類家、何者だ?と思うけれど、そんなことよりすごく引っ張られるカメラワークでした。実は僕、主演が誰なのかそれまでわかっていなかったのですが、このシーンでなるほど、主役は類家だ!と思いました。独特で際立ったコマ割りでおなじみの松井優征先生の漫画『魔人探偵脳噛ネウロ』もよぎりました。演出の勝利です。平坦なしゃべりの多い映画なのに、退屈だと思う瞬間がまったくなかったです」
土岡「類家って言葉が割と軽快。爆弾魔かもしれないヤツから情報を引き出す重要な責任があるポジションなのに、言葉の軽快さがおもしろくて。食い止めるぞ!みたいな社会的責任ももちろんあるけれど、人間同士として向き合って『俺はこうやって生きている。お前のポリシーは否定する』と個人の感情や意地で向き合っているところがおもしろかったです」
――そんなに自分のことさらけ出してしまっていいの?と思うところは結構ありましたよね。
ぐんぴぃ「そうそう!」
土岡「仕事としてやっているのではなく、本当にいち人間として向き合って、さらけ出していくところが新鮮でした」
ぐんぴぃ「さらけ出してきた相手に対して、さらに上からというのがタゴサク。それが強く出ていたのが清宮との対峙シーンです。タゴサクが舌舐めずりするところがあって。それまでは清宮にへつらって、へつらって、下に、下にみたいな雰囲気だったのに、あの舌舐めずりの瞬間に、タゴサクには悪意がある!と感じました。無邪気なタイプなのかなと思ったりもしていたけど…」
土岡「あのシーンはタゴサクのなにかが見えたような」
ぐんぴぃ「腹を割って曝け出している警官をいとも簡単に翻弄していく。タゴサクのほうが上だと思いました。到底、見た目からはタゴサクが勝てるなんてとても思えないんですけどね」
土岡「タゴサクって、結構滑舌悪くしゃべっているのに時々ハッキリするところが怖くて。正直、ナメていた相手だけど、タゴサクにも明確な怒りがあるんだと感じました。怒りで刺してくる感じをハッキリと向けてくるから、なんかゾッとする感じがありました。こんなヤツ、なにも考えていないだろうと思っていたら…」
ぐんぴぃ「怒りも手懐けている感じもある。それを全部やるってすごいよなぁ。野球の話を絡めるシーンもよかったよね。類家が勝てる気がした瞬間に、やっぱりタゴサクの得体の知れなさが勝ってしまうという(笑)」
――取調室で次々とタゴサクと対決を繰り広げる刑事たち。寛一郎さん演じるタゴサクの見張り役である伊勢との絡みは、ほかの対決とはちょっと違うタイプでした。
土岡「誘惑に負けている感じはしないのに、気づいたら負けていたみたいな。急に丸め込まれていった感じがしました」
ぐんぴぃ「『等々力さんにしか話しませんよ』と言っていたタゴサクから、『伊勢さんとは仲間ですから、友達ですから』って。そこで欲が湧いてしまったところ…での!」
土岡「利用だよね」
ぐんぴぃ「そう!伊勢さんにしか話さないタゴサクの昔話もおもしろかった。昔話の真相がわかる瞬間に、インサートで挟み込んでくるあの演出!」
土岡「すごかったよね」
ぐんぴぃ「あれは、相当よかった。うっそでーす!って。僕らも嘲笑われてる感じがして、タゴサクのことわかると思ったのに…っていうね。なんか気持ち悪いけど、気持ちよかったシーンです」
