ただ怖いだけじゃない!実は感動できる「死霊館」ユニバースのエモーショナルな家族ドラマ

コラム

ただ怖いだけじゃない!実は感動できる「死霊館」ユニバースのエモーショナルな家族ドラマ

ドラマチックな恐怖を世界に放ち、「アナベル」、「死霊館のシスター」などの傍系シリーズを含めて好評を博してきた「死霊館」ユニバース。その主流を成す「死霊館」シリーズが4作目『死霊館 最後の儀式』(公開中)で完結を迎える。

戦線に復帰したウォーレン夫妻はジュディと家族を救うことができるのか?(『死霊館 最後の儀式』)
戦線に復帰したウォーレン夫妻はジュディと家族を救うことができるのか?(『死霊館 最後の儀式』)[c]2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

ホラーだから、背筋も凍る心霊描写があるのは当たり前。一方で、このシリーズにはホラーとは真逆の、もう一つ大きな特徴がある。それは時に感動的な、家族のドラマであること。怖いだけでなく、愛の力でつながった者たちのエモーショナルな絆も魅力となっていたことが見過ごされがちではなかっただろうか?というワケで改めて、「死霊館」がどんなファミリードラマを紡いできたかを振り返ってみよう。

アナベル人形をはじめウォーレン夫妻の家には様々な呪物が厳重に保管されている(『死霊館』)
アナベル人形をはじめウォーレン夫妻の家には様々な呪物が厳重に保管されている(『死霊館』)[c]2013 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

心霊研究家、ウォーレン夫妻が心霊現象に見舞われた家族を救う

まずは基本をおさらい。「死霊館」シリーズは心霊研究家エド(パトリック・ウィルソン)とロレイン(ベラ・ファーミガ)のウォーレン夫妻を主人公に設定し、とある一家を脅かす悪霊や悪魔に2人が立ち向かうというストーリーを毎回紡いでいる。映画そのものは完全な実話ではなく、毎回大胆な脚色がなされているのだが、ウォーレン夫妻は米国に実在した有名な心霊研究家で、実際に様々な超常現象を調査してきた。

実在した有名な心霊研究家であるウォーレン夫妻が対峙してきた心霊現象が描かれる(『死霊館』)
実在した有名な心霊研究家であるウォーレン夫妻が対峙してきた心霊現象が描かれる(『死霊館』)[c]2013 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

記念すべき1作目『死霊館』(13)は、ウォーレン夫妻が封印してきた“1971年の事件”の映画化という設定。米ロードアイランド州の森に囲まれた新居に引っ越してきた夫婦と5人の娘たちのペロン家が、奇怪な超常現象に見舞われる。これに立ち向かうことを決意したウォーレン夫妻もまた、娘を持つ身。それだけに、この一家をどうしても救いたい気持ちは強い。この構図を俯瞰しただけでも、家族ドラマが軸になっていることがよくわかるだろう。

郊外の新居に引っ越してきたペロン家が奇怪な超常現象に見舞われる(『死霊館』)
郊外の新居に引っ越してきたペロン家が奇怪な超常現象に見舞われる(『死霊館』)[c]2013 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

悪魔に立ち向かうため家族の結束を呼びかける!

2作目の『死霊館 エンフィールド事件』(16)は、ロンドンで起きた有名なポルターガイスト現象の実話に基づいている。シングルマザーと女児2人、男児2人のホジソン家は、誰もいない部屋から物音がするなどしだいに激しさを増す怪現象に追い詰められていた。この事件がイギリスで一大ニュースとなるなか、アメリカでは同様の心霊事件への対処をめぐってエドとロレインがメディアからのバッシングを受けてしまう。しかし、夫妻はホジソン家の人々を救うために渡英。そこで待っていたのは、霊はもちろん、それを操る悪魔そのものだった!そこでウォーレン夫妻は、強大な悪魔と対峙するのみならず、一家の結束を促すことにする。その際、エドがギターを弾きながらエルヴィス・プレスリーの声色を真似て「好きにならずにいられない」を歌うシーンがあり、シリーズ屈指のエモい名場面となっている。

悪霊だけでなく、それを操る悪魔にも立ち向かう(『死霊館 エンフィールド事件』)
悪霊だけでなく、それを操る悪魔にも立ち向かう(『死霊館 エンフィールド事件』)[c]2016 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.


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