篠原明里役は高畑充希に決定!『秒速5センチメートル』原作・新海誠も「作っておいてよかった」と絶賛

篠原明里役は高畑充希に決定!『秒速5センチメートル』原作・新海誠も「作っておいてよかった」と絶賛

<キャスト、スタッフコメント>

●高畑充希(篠原明里役)

「正直、お話をいただいた時は、本当に!?私ですか???と、不安だらけでした。なぜなら、新海さんのアニメの中にいる明里さんは、動くたび花びらが舞うような、『すてきな女性、という概念』みたいな存在だったので。私にとって。ですが、いただいた台本を開くと、そこには『概念』じゃなくて『人間』が居て、私が見させてもらっていた明里さんは、貴樹の目を通した明里さんだったのかなぁ、と。少しだけ明里さんを身近に感じることができました。今回あの新海さんの世界観を実写に落とし込んだスタッフさんたちが、本当にすごくって!なにより、10年以上前から写真で一緒にお仕事してきた同級生の奥山監督の、1本目の商業長編作品に参加できて、幸せな気持ちです」

●新海誠(原作)

「映画を観始めて、最初はなんだか居心地が悪かったのです。不完全で未熟なバトンを若い作り手たちに渡してしまったような気持ちでした。しかし途中から映像に呑まれ始め、最後には自分でも驚いたことに、泣きながら観ていました。原作由来の要素に自分で泣いているのか、奥山組に泣かされているのか、あるいは失われた2000年代に泣いているのか自分でもよくわからないまま、でもとにかく、強く感動させられました。改めて、『秒速5センチメートル』は奇妙な物語です。大したドラマツルギーもなく、胸のすく活劇もなく、ヒーローも悪役もいない。みなが理由もなく傷つき、傷つけられ、いつもなにかが満たされずにいる。でも20年前は、その『なにもなさ』が私たち自身の姿であり生活であり、それを掬いあげるようなアニメーション映画を作ろうと思っていたのです。アニメーション版がその目標に届いていたかは心許ないのですが、今回の実写映画では当時のその不器用な種が、青さも含んだままに見事な結実となっていました。『秒速5センチメートル』を作っておいてよかったと、(ほとんど初めて)心から思えました。奥山組のみなさん、本当にありがとうございました」


文/鈴木レイヤ

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