『近畿地方のある場所について』菅野美穂&赤楚衛二が語り合う、恐怖演技の“間と計算”「一瞬の余韻がお客さんのドキドキにつながる」
「ラストで菅野さんが、どうやってあのお芝居をされたんだろう?って思いました(笑)」(赤楚)
――怖いものが苦手な人は、どんなに熱く語ってもホラー映画は躊躇してしまうと思うのですが、そういう人たちに『近畿地方のある場所について』をどのようにオススメしますか?
菅野「最近は暑すぎるので、『映画館に涼みに行くといいよ』と言って誘うのはどうでしょう?友だちと一緒に肝試し感覚で映画館に行って、涼しくなってもらいながら最後まで観ていただきたいですね」
赤楚「確かにそうかもしれないです!出てくる人たちがすごくリアルに見えるので、すごく身近な恐怖に感じるかもしれないけれど、後半はジメジメと続いていた陰鬱な怖さが晴れて、ある種の爽快感がありますからね」
菅野「そうそう」
赤楚「その感じが、またおもしろいんじゃないかな~」
――ラストの菅野さんもスゴかったです。
赤楚「僕も、菅野さんがどうやってあのお芝居をされたんだろう?って思いました」
菅野「ありがとうございます。白石監督から『CMみたいな爽やかな感じで』って言われたんですが、すぐには理解できなかったんです。でも、あのラストも白石監督のなかには最初から明確にあって、あそこに持っていくためにそれまでのシーンを積み重ねていたんだってわかった時はすごく興味深かったです」
赤楚「そうだったんですね」
――CMみたいな感じですか?
菅野「暗い夜の感じから太陽の光が降り注ぐ朝の光景に変わって、穏やかな空気に包まれるような…」
赤楚「あれは見方によっては希望もあるし、バッドエンドだったりするから、そこがおもしろい。もう1回観たいと思えるラストでしたね。僕は、菅野さんがどうやってあのお芝居をされたんだろう?って思いましたよ(笑)」
菅野「いやいや、あれは白石監督がすばらしかったんですよ(笑)」
取材・文/イソガイマサト