過去を書き直した=リライトしたのは誰なのか?“あの夏”の謎に迫る『リライト』ミステリPV
数々の青春映画で若い世代からの支持を集める松居大悟監督と“時間もの”で高い評価を獲得している脚本家、上田誠が初タッグを組み、法条遥による同名小説を映画化した『リライト』(6月13日公開)。本作より、“あの夏”の謎に迫るミステリPVが解禁となった。
1冊の小説を巡るタイムリープ×青春ミステリが展開される本作。高校3年生の美雪(池田エライザ)が、ある小説に憧れて300年後の未来から来た転校生、保彦(阿達慶)と出会い、恋に落ち、現在、過去、そして未来が絡み合う物語が描かれていく。大林宣彦監督の『時をかける少女』(83)へのオマージュも込められ、広島県尾道市でオールロケを敢行。古い坂道、瀬戸内海からそよぐ柔らかい風、ラベンダーの香り、神社での夏祭りと花火大会、雨の匂い、風鈴の音など、普遍的なノスタルジーが観る者の五感を刺激する美しい風景をバックにした緻密な時間のパズルが完成した。
解禁となったミステリPVは、美雪と未来から来た転校生、保彦との出会いから幕を開ける。時を超えて複雑に絡み合う運命は思わぬ展開を見せることに。物語の鍵となるのは、美雪が執筆するはずだった1冊の小説。300年後の未来で、保彦が出会う小説を美雪が書くことで、時間のループが完成する。しかし、自身の作品と酷似する物語が存在することが発覚し、出版が危ぶまれる事態に。
映像の後半では、10年ぶりに再会した同級生たちの姿が映しだされる。美雪は大人になった彼らの言葉や表情の端々に違和感を覚える。「あいつ(保彦)と特別な思い出あんだろ」という同級生たちへの茂(倉悠貴)の鋭い問いかけに、美雪は言葉を失う。疑念の先に彼女がたどり着く真実とは。
主人公の美雪を演じる池田エライザはじめ、橋本愛、久保田紗友、倉悠貴、前田旺志郎ら若手実力派俳優が集結した『リライト』。高校時代と10年後の大人時代を鮮やかに演じ分ける姿にも注目してほしい。
文/平尾嘉浩