スタジオツアー東京で『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の名シーンを体験!ハーマイオニーのドレスや死喰い人の衣装の制作秘話も明らかに
恐怖感漂う空間で再現度の高さに唸る「トム・リドルの墓」
怖くて不気味なのに見入ってしまう展示が「トム・リドルの墓」。ハリーがピーター・ペティグリューの魔法で拘束され、ヴォルデモートが復活する衝撃のシーンを再現した高さ3mにもおよぶ迫力の展示コーナーには、「怖い…」と思わず声が漏れてしまうほどの恐怖感が漂っている。ここでも質感や汚れなどは注目ポイント。墓にこびりついた苔や埃、汚れなどもリアルに再現。本当に怖くて不気味だが目が離せず、気づけば長い時間滞在してしまうという不思議な魅力を放つこのコーナーで、まさに拘束されたハリーの気持ちを体感できるかもしれない。
インパクトという点においては、「水中に沈むロン」の人形もなかなかのインパクトだ。水中での体のゆらめきを再現するために、足から出るチューブから水を送り込んだという。シリコンを使用し、髪の動きや顔や手の血管までしっかりと確認できるリアルな質感を実現。ダームストラング専門学校のビクトール・クラムが変身したサメや、マーピープルの頭は近づくのを躊躇してしまうほどの恐怖を与える作りとなっている。
死喰い人(デスイーター)のマスク、衣装の進化の展示も本企画の見どころのひとつ。初期のマスクと衣装はシンプルで目立たないものだが、ヴォルデモートの復活により徐々にデザインが変化。ガンシーも「シリーズ4作目以降に非常にクリアな進化を遂げています」と話し、「最初は仮装している、まるで自分を隠しているかのようなコスチュームでした。簡単に言うとローブを着ているような感じです。しかしヴォルデモートの力が強くなっていくにつれ、デスイーターも強くなっていきます。マスクも徐々に軍事的な雰囲気になっていきます。デスイーターの間にはランキングのようなものがあって、刺繍が入っている衣装を着ている人はランクが高いという表現をしています。ヴォルデモートが力強くなっていくとその影響でデスイーターは隠れないでもいいようになっていく。だから、特に第7作目以降ではコスチュームも全然違うし、マスクもしていないというシーンが登場しているわけです」と進化の背景を丁寧に説明した。
“変化”という点で忘れてはいけないのが、ハリーとロンが思わず息をのんだハーマイオニーのピンクのドレスだ。三大魔法学校対抗試合を記念して開催されたダンス・パーティでは、可憐なフリルと鮮やかなピンクが印象的なハーマイオニーのドレス、その隣にはビクトール・クラムが着用したモコモコの毛皮付きの制服を並べて展示。シリーズのファンもガラリと大人びたハーマイオニーのドレス姿にはドキッとさせられたであろう。あのピンクのドレスも実際に見ることができる貴重な機会となっている。
スタジオツアーのラストは「ホグワーツ城の模型」。三大魔法学校対抗試合の第一の課題でハリーがドラゴンと闘いを繰り広げたシーンをプロジェクションマッピングで再現。劇中と同じ音楽をバックに、ホグワーツ城の昼から夜のシーンが壁面いっぱいに広がり、迫力の映像とダイナミックな音楽を楽しむことができる。こちらももちろん隅々までこだわった再現がされているので、ホグワーツ城の正面からだけでなく、様々な角度からのホグワーツ城の美しさを堪能してみてはいかがだろうか。
取材・文/タナカシノブ