『35年目のラブレター』で夫婦役の重岡大毅&上白石萌音、9年ぶり共演も息ぴったり!「コンプレックスが原動力」と共鳴

『35年目のラブレター』で夫婦役の重岡大毅&上白石萌音、9年ぶり共演も息ぴったり!「コンプレックスが原動力」と共鳴

「原動力は、コンプレックスだと思います」(重岡)

――保は支えてくれた妻に感謝の手紙を書くために、夜間中学に通って長い年月をかけて読み書きを学んでいきます。お二人にとってコツコツと積み重ねて、実になったというご経験はありますか。

「どんな時も寄り添い支えてくれた皎子へ感謝のラブレターを書きたい」その一心で保は読み書きを学んでいく
「どんな時も寄り添い支えてくれた皎子へ感謝のラブレターを書きたい」その一心で保は読み書きを学んでいく[c]2025「35年目のラブレター」製作委員会

重岡「できる、できないに関わらず、コツコツやることは好きかな。日記も書き続けています」

上白石「私も!人生で初めて長続きしているのが、日記を書くことです。あと私、すごく覚えていることがあって。9年前に共演した時に、重ちゃんが『楽器をやることになったとしても、俺は絶対に無理だ』と言っていたんです。でもいまは楽器をやって、それを続けていますよね。びっくりしました」

重岡「そうだね、やっているな。確かに音楽は、コツコツと続けたことかもしれないな。そうやって話していたあとに楽器を始めて、いまではライブが大好きになりました」

――続けられた原動力は、どういったものでしたか?

結婚当初、保は読み書きができないことを言い出せずにいた
結婚当初、保は読み書きができないことを言い出せずにいた[c]2025「35年目のラブレター」製作委員会

重岡「コンプレックスだと思います。周りにすごい人ばかりがいたからか、僕はずっと音楽に対してコンプレックスがあって。人前で歌うだけで脂汗をかいてしまうくらい、苦手で、嫌いという気持ちを抱いてしまっていました。いまではそれが、いい感じに裏返って。コンプレックスって、自分にとってプラスの力を生みだすものなのかなと感じています。いまは『こんなに音楽を愛し続けたんやから、愛されないと困る』という気持ちでいます」

――ご自身の想いを乗せているからこそ、重岡さんの歌声は熱っぽく、パワフルなのですね。上白石さんは、コンプレックスが原動力になるということに共鳴する点はありますか。

夫を支え続ける妻の強さ、やさしさを体現した上白石萌音
夫を支え続ける妻の強さ、やさしさを体現した上白石萌音[c]2025「35年目のラブレター」製作委員会

上白石「私は劣等感の塊で、すべての原動力はコンプレックスから来ています」

重岡「俺もそうやな」

上白石「悔しくて、不甲斐ないからこそ、頑張る…ということの繰り返しです。歌に対してもそう思うことが多いです」

重岡「ええ!ホンマに!?以前ミュージックステーションで共演した時に、萌音ちゃんが1人で歌っていて。今回のホン読みの時と同じように、『コイツ!』って思ったけどな(笑)。歌にしても、声優業にしても、ホンマにすごいなと思いながらいつも見ていました」

上白石「音楽は、できなかったことができるようになるというのがわかりやすい気がしていて。出なかった音が出たり、何拍伸ばせるようになったりなど、結果が出るとうれしいんです。できないことがあるからこそ、頑張れるのかもしれません」

――いろいろなことにチャレンジしているお二人ですが、お互いに支え合いながら一歩ずつ前に進んでいく西畑夫妻の姿から刺激を受けたことはありますか?

長年連れ添った者同志が醸しだす、穏やかな空気感を体現した笑福亭鶴瓶と原田知世
長年連れ添った者同志が醸しだす、穏やかな空気感を体現した笑福亭鶴瓶と原田知世[c]2025「35年目のラブレター」製作委員会

重岡「保さんは夜間中学に入って字を学んでいきますが、台本を読ませていただいた時に『なにかをやることに遅いことはない』というメッセージがすごく自分にも刺さって、勇気づけられました。いまでもそうだけれど、人生って『あの時にもう少しこうやっておけばよかった』と思うことばかりですよね。でもこの作品が、『なにかをやることに遅いことはない』と信じられるきっかけをくれそうな気がしました」

上白石「保さんと皎子さんのように『この人のためになにかをしたい、役に立ちたい』という気持ちがどれほど温かく、ステキなことなのかと思いました。そう思える人がいるということは、生き甲斐にも、自分の心身を支えてくれるものにもなるはず。夫婦っていいな、愛っていいなと感じていました」

――一生懸命にひとつ一つ文字を書いて、妻にラブレターを送ろうとする保。その姿を見ていると、手紙は相手への想いやぬくもりも伝えられるものだと感じますが、お二人にとって思い出に残る手紙のエピソードがあれば教えてください。

保が一生懸命に綴った手紙から、たくさんの愛や温かさがにじみ出す
保が一生懸命に綴った手紙から、たくさんの愛や温かさがにじみ出す[c]2025「35年目のラブレター」製作委員会

上白石「私は鹿児島出身なんですが、中学校3年生の時に東京の高校を受験することになって。受験に行く前の日に、当時の一番の友だちがノートの端っこをビッと破って『東京に行くんだね、頑張っておいで』という手紙を書いてくれました。それはいまでも取ってあります。きれいな便箋を準備して書いてくれる手紙もうれしいものですが、ノートの切れ端に書いてくれたというのも臨場感があってまたいいもので。それをポケットに入れて、受験に行きました」

重岡「とてもええやん!いい手紙だなあ。俺は20歳になった時に『育ててくれてありがとう』というメッセージをカードに書いて、両親に渡したのを覚えています。すごく恥ずかしかったけれど、やっておこうと持って。おとんとおかんも小っ恥ずかしそうで、全員がどうしていいいかわからない感じになって(笑)。俺、字が汚いんやけど、それでも手紙は好きで。最近もよく書いています。例えば曲を作ってメンバーに歌ってもらう時に、自分の想いを手紙にして一人一人に渡したりもします」

――メンバーの方々の反応は、どのようなものですか?

重岡「『なにを書いているかわからへん』って言われる(笑)」

上白石「照れ隠しですね(笑)」

重岡「そう(笑)。でも書いたことによって、返ってくる歌が全然違うから。伝えることで、その想いが歌に乗っかるものだなと思う。やっぱり手紙には体温があって、好きだなと思います」

上白石「熱い男だ!」

「重ちゃんが9年前と変わらないでいてくれたことが、とてもうれしい」(上白石)

――約9年ぶりの共演で夫婦役を演じたお二人ですが、こうしてお話を聞いていてもとても息が合っています。9年前と今回で、お互いの変化を感じたことはありますか。


重岡と上白石、2人の原動力は共に「コンプレックス」だそう
重岡と上白石、2人の原動力は共に「コンプレックス」だそう撮影/河内彩

上白石「なにも変わらないです(笑)」

重岡「ほんまにそうやわ(笑)」

上白石「あはは!でも変わらないってすごいことだと思うんです。重ちゃんが9年前と変わらないでいてくれたことが、私はとてもうれしくて。それでいてこの9年でいろいろな経験をしたからこそ、変わらないけれど、より人としての円熟味や深みが増している気がします」

重岡「萌音ちゃんは、変わらずにステキです。俺、いろいろ質問攻めにしたのを覚えている。『昔はどこでどうやって暮らしていたの?』『妹ちゃんとはどうだったの?』とか、『人生でこれ!という一冊を教えて』とか。聞いてすぐに、その本を読んだもん。言っていい?『センス・オブ・ワンダー』を勧めてもらったんです」

上白石「そうだ!私も重ちゃんに『なんでこんなにお芝居がステキなのか』と聞いて、いろいろと教えてもらいました。演技についての本も教えてもらって、すぐに買いました」

重岡「萌音ちゃんは歌もお芝居もいろいろなことをやってはるけれど、常に作品を追いかけたいなと思う人です。今回またご一緒できて本当によかったです」

上白石「こちらこそ。私も追いかけます。なんだか今日、いい日だね」

重岡「いい日だね!」

取材・文/成田おり枝

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■衣装協力
・重岡大毅
白ニット(RAINMAKER KYOTO):¥24,200(RAINMAKER KYOTO/075-708-2280)
赤かぎ編みニット(LUFON):¥46,200
パンツ(ANARCHIST TAILOR):¥44,000
※LUFON、ANARCHIST TAILOR共にSian PR プレスルーム/03-6662-5525
ブーツ(RED WING):参考商品 (RED WING/03-5791-3280)
その他スタイリスト私物

・上白石萌音
プルオーバーニット(Theory):¥42,900
中に重ねたワンピース(Theory):¥57,200
※共にリンク・セオリー・ジャパン/03-6865-0206
イヤリング(La Chiave):¥17,600(ドレスアンレーヴ/03-5468-2118)
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