『35年目のラブレター』で夫婦役の重岡大毅&上白石萌音、9年ぶり共演も息ぴったり!「コンプレックスが原動力」と共鳴
「萌音ちゃんは天才やと思う。うますぎて腹が立ってきた(笑)!」(重岡)
――お二人の共演は『溺れるナイフ』以来、約9年ぶりのことになりました。
重岡「鶴瓶さん、原田さんもいらっしゃって、みんなで台本を読み合わせる日があって。その時の萌音ちゃんが、すでに原田さんととても重なって!原田さんがまとっている雰囲気やオーラが、にじみ出ていたんです。萌音ちゃんのお芝居がすごすぎて、ちょっと焦るくらいでした。天才やと思ったし『俺も、頑張らな』と思った。関西弁も完璧やし、監督さんやプロデューサーさんにも『萌音ちゃん、すごい』と伝えたくらいです」
上白石「(絶賛の声に)気持ちいい…(笑)」
重岡「あはは!関西人でも関西弁が下手な人っているものなんですけど、萌音ちゃんの関西弁は、もっとも大事な気持ちの部分が伝わってくる。完璧やったな。うますぎて、腹立ってきたもん(笑)」
上白石「なんでやねん!でも私も腹が立っていました(笑)」
重岡「なんや!」
上白石「私は、重ちゃんのお芝居が本当に大好きで。いろいろと作品も観ていましたし、初めて共演した時から『なんだ、この人は』と思っていたんです。本作の脚本を読んだ時はまだキャスティングを伺っていなかったんですが、『保さんの若いころは、重ちゃんにやってほしいな』と感じていました」
重岡「うれしい。そう言ってくれていたね」
上白石「本読みの時も、『そうそう、そうです!これ、これ!』と思うくらい保さんにぴったりで。重ちゃんのお芝居を見ていると、自然と鶴瓶さんの姿と重なるようでした。あと関西弁ということもあり、より生き生きとしていて(笑)。監督から演出をいただいたあとには、重ちゃんが『もう1回やってもいいですか?』と自分からお願いしたこともありました。そのステキさに、腹が立つほどでした(笑)」
重岡「大汗をかきながら、『もう1回やらせてほしい』とお願いしたんです」
上白石「そういった一生懸命さも、保さんと重なりましたし、そういう姿を目にすることで『この人に付いていこう、大丈夫だ』と思うことができました」
重岡「ありがとうございます!こちらこそ相手役を演じるのが萌音ちゃんだと聞いて、ものすごく安心しました。一度共演していたからこそ、そういった気持ちになれた。約9年ぶりの共演となりましたが、続けていくとこういうことがあるんだなと思いました」
――思わず腹が立つほど、お互いの俳優力に惚れ込んでいるお二人。俳優として心掛けているモットーなどがあれば教えてください。
上白石「重ちゃんが心掛けていること、すごく知りたいです!『溺れるナイフ』のころから感じていることですが、なぜあんなにセリフを自分の言葉にできるんですか?体の使い方も、ものすごく自由だなと思います」
重岡「どうなんやろう…。誰かになるというよりは、自分のままでやっているからかな。俺、なにかに縛られるのが苦手やねん。萌音ちゃんはどういったことを心掛けている?」
上白石「現場では、相手のことをよく見る、言葉をよく聞くこと。そしてもらえるものを全部もらって、お芝居をしていくことかな。やっぱりお芝居は、1人ではできないものだなと感じています。今回も重ちゃんから、いろいろなものをもらいました」
重岡「本当にそうやな。俺も“1人ではできない”ということはよく考える。今回で言うと、プロデューサーさんや塚本監督は、コロナ禍より前から本作の話し合いを進めて、保さんに話を聞きに行ったりしていたそうです。そこから脚本を作って、撮影をして、音楽を作ったりしながら、映画が完成して。こうやって記者の皆さんが話を聞いてくださったり、いろいろなプロフェッショナルな方たちが集まって、いまこの場所があるんだと思うんです。30代に突入してからは特に、“1人ではできない”ということをすごく実感しています」
――保が皎子に読み書きができないと打ち明けるシーンは、相手へ注ぐ視線、かける言葉などからお互いの気持ちが痛いほどに伝わる場面となっていました。まさに“一緒に作り上げた”という場面だったように感じます。
重岡「あのシーンは、ものすごく緊張したね。でも周りには本当に信頼する人しかいなかったので、『よろしくお願いします!』という気持ちでぶつかっていきました」
上白石「私はなんの準備もいらなかったというか、(重岡演じる)保さんから出てくる言葉をただ聞いているだけでよかった。保さんの言葉を聞いて、顔を見ていればよかったんです。あのシーンも『なんやねん、コイツ!』と思うくらい、重ちゃんのお芝居がすばらしかったです」
重岡「あはは!やっぱり思うのは、自分の秘密を打ち明けるのってものすごく勇気がいることだということ。一番大事で、一番近くにいる人に対して言えないことがあるというのは、とてもつらいものだったと思います。とても大切なシーンで、俺も萌音ちゃんも、スタッフさんも、みんなが自己ベストを探し求めて頑張ったシーンです」
上白石「あのシーンは、静かな“間”がとても印象的です。保さんがペンで書き始めて、それを皎子さんが見ている“間”や、なにを言ったらよいのかわからない沈黙。それがとても真実味があったなと思っていて。以前共演しているからこそ、信頼や居心地のよさを覚えながらあの“間”を取ることができたように感じています」

■衣装協力
・重岡大毅
白ニット(RAINMAKER KYOTO):¥24,200(RAINMAKER KYOTO/075-708-2280)
赤かぎ編みニット(LUFON):¥46,200
パンツ(ANARCHIST TAILOR):¥44,000
※LUFON、ANARCHIST TAILOR共にSian PR プレスルーム/03-6662-5525
ブーツ(RED WING):参考商品 (RED WING/03-5791-3280)
その他スタイリスト私物
・上白石萌音
プルオーバーニット(Theory):¥42,900
中に重ねたワンピース(Theory):¥57,200
※共にリンク・セオリー・ジャパン/03-6865-0206
イヤリング(La Chiave):¥17,600(ドレスアンレーヴ/03-5468-2118)
右手リング(1DK Jewelry works):¥14,850(ドレスアンレーヴ/03-5468-2118)
ブーツ(銀座かねまつ):¥39,600 (銀座かねまつ6丁目本店/03-3573-0077)