映画ランキング - 国内映画
(2025/2/28~2025/3/2)

2025年3月3日 発表(毎週火曜更新)
2025年2月28日~2025年3月2日に日本国内で上映された映画の観客動員数ランキングはこちら。『ファーストキス 1ST KISS』『知らないカノジョ』『劇場版『トリリオンゲーム』』などがランクイン!(興行通信社調べ)

”ラブストーリー”の1.2位奪取は4年振り!『ファーストキス 1ST KISS』が首位返り咲き、中島健人主演『知らないカノジョ』は2位デビュー
”ラブストーリー”の1.2位奪取は4年振り!『ファーストキス 1ST KISS』が首位返り咲き、中島健人主演『知らないカノジョ』は2位デビュー
”ラブストーリー”の1.2位奪取は4年振り!『ファーストキス 1ST KISS』が首位返り咲き、中島健人主演『知らないカノジョ』は2位デビュー

2月28日から3月2日までの全国映画動員ランキングが発表。坂元裕二が脚本を務め、松たか子と松村北斗が共演した『ファーストキス 1ST KISS』(公開中)が、公開4週目にしてNo.1に返り咲きを果たした。
『ファーストキス 1ST KISS』の週末3日間の成績は、観客動員14万2000人で興行収入は2億400万円。前週の成績と比較すると、映画サービスデーと重なったこともあり興収は80%だが、動員は84%。しかも公開初週末との比較でもいまだ82%の動員を維持しているという驚きの安定感。累計成績では動員117万人、興収16億円を突破しており、まだまだその数字を伸ばしそうだ。 一方、惜しくも2位スタートとなったのは、中島健人が主演を務めmiletが映画初出演でヒロインを務めた『知らないカノジョ』(公開中)。ユーゴ・ジェラン監督のフランス・ベルギー合作映画『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋の終わりから』(19)を原作に、三木孝浩監督がメガホンをとったラブストーリーだ。初日から3日間の成績は動員11万9000人で、興収は1億5800万円を記録している。 ここ最近、日本の実写ラブストーリーが活況を見せているが、こうして動員ランキングでこのジャンルの作品が1位と2位を飾るのは2021年の2月以来。1月から続いている『366日』(公開中)のヒットと、『ファーストキス 1ST KISS』のヒット、必ずしも客層が一致するわけではないが、こうした“泣けるラブストーリー”を求める観客層で共通している点で、現在のラブストーリーブームが『知らないカノジョ』にも好影響を与えていると考えられる。 しかも『ファーストキス』と『知らないカノジョ』は近年の同ジャンルで増加傾向のファンタジー要素が含まれ、『ファーストキス』と『366日』は定番である主要登場人物の生死がカギとなり、『366日』と『知らないカノジョ』は楽曲が感動を後押しするなど、各作品同士の共通項も見受けられる。それぞれの公開間隔のバランスもちょうどよく、劇場で流れる予告編が作品へのリーチに効果的に働いていると思えるあたり、なかなか興味深い連鎖といえよう。 とはいえ『花束みたいな恋をした』(21)や『あの花の咲く丘で、君とまた出会えたら。』(23)など、この2020年代のラブストーリーブームを牽引する作品の多くが、どういうわけか1月から3月にかけての公開作(『あの花』は12月公開だったが、年明けに強さを発揮した)に集中している点が気になるところ。このブームが一過性のものではなく、2000年代の純愛ブームや2010年代の少女漫画映画ブームのように日本映画の潮流と呼べるものになるためには、春先以降もヒットするラブストーリーが生まれる必要があるだろう。 閑話休題。『知らないカノジョ』の初動成績は、ジャンル違いなので参考外かもしれないが、中島の主演前作『おまえの罪を自白しろ』(23)対比140%。また先述の『366日』の初動成績(具体的な数字は発表されていなかったが、公開4週目に初週末対比161%で18万1000人の動員だったので、11万人強と推測できる)をも上回っている模様。つまり現在のブームに乗ることができれば、がつんと伸びる余地があるということだ。 2週連続で1位を飾っていた劇場版『トリリオンゲーム』(公開中)は、週末3日間で動員11万2000人、興収1億4500万円をあげて3位にランクイン。累計成績では大台の100万人を突破して105万人まで達し、累計興収も14億円を突破している。 ティモシー・シャラメ主演の『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』(公開中)は4位に初登場。日本時間3月3日に発表された第97回アカデミー賞では惜しくも受賞に至らなかったが、アカデミー賞作品賞など8部門でノミネートされていた。伝説のアーティスト、ボブ・ディランの若き日をシャラメが演じた同作。第31回SAG賞(全米映画俳優組合賞)では主演男優賞を史上最年少で受賞し、若きボブ・ディランになり切るため5年間の準備期間に磨いた歌唱と演奏力も高評価を受けている。 1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルでディランが画期的なエレクトリック・ロックンロール・パフォーマンスで頂点を極めるまでが描かれている。メガホンをとったのは『フォードvsフェラーリ』(19)や『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(23)のジェームズ・マンゴールド監督が、サーチライト・ピクチャーズとタッグを組んだ。 5位には公開6週目を迎えた『アンダーニンジャ』(公開中)が、前週の9位から一気にジャンプアップ。前々回の当記事でも軽く触れた通り、出資元であるフジテレビで通常のCMが少なくなった代わりに同作の予告映像が頻繁に流れていること、その効果もあり、映画館に足を運びやすい1日のサービスデー(しかも土曜日)に選ばれたという可能性が高そうだ。この珍しい推移に、メガホンをとった福田雄一監督もXに困惑の投稿をするほど。累計成績では動員82万人&興収11億円を突破している。 そして公開7週目の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』(公開中)は8位となり、累計成績で動員180万人&興収29億円に到達。10位の『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』(公開中)も累計動員187万人&興収28億円を突破しており、どちらも興収30億円が目前に迫っている。 第97回アカデミー賞で作品賞など主要5部門を制した『ANORA アノーラ』(公開中)も2月28日に公開を迎えたが、上映館数が決して多くない点とR18+であることが響いたのか、ランキング圏外からのスタートに。アカデミー賞での受賞効果で浮上することがあるのか、次週の推移に注目しておきたい。 以下は、1~10位までのランキング(2月28日〜3月2日) 1位『ファーストキス 1ST KISS』 2位『知らないカノジョ』 3位劇場版『トリリオンゲーム』 4位『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』 5位『アンダーニンジャ』 6位『366日』 7位『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』 8位『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』 9位『野生の島のロズ』 10位『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』 今週末は、春休み映画の目玉である「映画ドラえもん」シリーズ第44作『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』(3月7日公開)、第97回アカデミー賞で衣装デザイン賞と美術賞の2部門に輝いた『ウィキッド ふたりの魔女』(3月7日公開)、笑福亭鶴瓶と原田知世が夫婦役を演じた『35年目のラブレター』(3月7日公開)が控えている。 文/久保田 和馬


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