映画ランキング - 国内映画
(2025/6/27~2025/6/29)
2025年6月30日
発表(毎週火曜更新)
2025年6月27日~2025年6月29日に日本国内で上映された映画の観客動員数ランキングはこちら。『国宝』『映画『F1(R)/エフワン』』『リロ&スティッチ』などがランクイン!(興行通信社調べ)
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6月27日から6月29日までの全国映画動員ランキングが発表。前週、公開から3週目にして1位に浮上するなど異例の大ヒットを続けている『国宝』(公開中)が今週も首位をキープし、見事2週連続No. 1を獲得。まずは同作の、公開4週目とは思えない週末成績からチェックしていくことにしよう。
週末3日間で観客動員41万2339人、興行収入6億1014万円を記録した『国宝』。この成績は前週の週末3日間対比118%であり、公開初週末の3日間と比較すると動員が168%で興収が176%。引き続き右肩上がりの成績を維持しているだけでなく、その上がり幅は公開2週目から公開3週目にかけての動員112%&興収114%よりも大きくなっている。
また、6月29日までの公開24日間の累計成績は動員が231万8016人で、興収が32億6795万7800円。これで『ファーストキス 1ST KISS』(25)を抜いて2025年の邦画実写映画No. 1のヒット作に躍りでたことになる。しかも概算できる平日4日間(6月23日から6月26日まで)の成績も前の週の平日4日間を大きく上回っており、この“旋風”はまだまだ続きそうだ。
そんな『国宝』の勢いに押されて2位スタートとなったが、ブラッド・ピット主演の最新映画『F1(R)/エフワン』(公開中)の初日から3日間の動員24万3148人、興収4億2186万円という成績もなかなかのもの。3年前のピット主演作『ブレット・トレイン』は土日2日間で動員16万8000人&興収2億5700万円かつ、木曜公開というイレギュラーで初日から4日間が動員28万4000人&興収4億1200万円(初日がサービスデーだったため単価が安くなる)。集計方法が異なるため直接比較はできないものの、おおよそ同水準か、それ以上と捉えることができよう。
トム・クルーズと並んで“ハリウッドスター”の代名詞的存在ともいえるピット。『セブン』(95)でのブレイクを皮切りに、1990年代後半にはメインキャストを務めた作品が7作連続で配給収入10億円を超えるヒットとなり、1997年から3年連続で主演作が正月興行の目玉を飾り、2000年代に入ってからも「オーシャンズ」シリーズや『トロイ』(04)、『Mr.&Mrs.スミス』(05)などが軒並み大ヒット。
とはいえ、やや通受けのするタイプの作品が続いた2010年代以降は『ワールド・ウォーZ』(13)の興収19億3000万円を頂点に、大作であっても興収10億円前後に落ち着く傾向があり、先述の『ブレット・トレイン』の最終興収も13億5000万円。初動の動員は(土日2日間の集計で)安定して10万人台を突破するものの、そこから先の伸びかたはやや流動的で、いつもよりやや高めの初動成績となった今回の映画『F1(R)/エフワン』がどちらに転ぶかは判断が難しいところ。
それでも大きなプラス材料となりそうなのは、F1の臨場感を追体験できるラージフォーマットでの上映が活況なことであり、初動の興収に占めるラージフォーマット上映の割合は37.8%とかなり高め。実際にラージフォーマットで鑑賞した観客からの評価も上々とのことで、複数のフォーマットをまたいでのリピート鑑賞への期待値も高い。ピットのスターパワーと、ここ最近の洋画実写作品の復調気配も相まって、“地上版『トップガン』”という異名にふさわしい成績を収めてくれることだろう。
公開4週目を迎えたディズニーの実写版『リロ&スティッチ』(公開中)は、この週末3日間で動員20万7000人、興収2億8500万円と、前週比80%以上の成績をキープして3位にランクイン。累計成績は動員158万人&興収22億円に達し、先日続編の製作も正式に決定。こちらもまだまだ勢いが持続しそうだ。
また、前週に引き続き4位をキープしている長澤まさみ主演の『ドールハウス』(公開中)も、週末3日間で動員13万4000人、興収1億7900万円と前週比80%以上の成績を保つ好調ぶりを発揮。こちらは累計成績で動員68万人&興収9億円を突破。ヒットの目安となる興収10億円到達がほぼ確実なものとなっている。
先述した映画『F1(R)/エフワン』を含め、今週はトップテン圏内のうち5作品が初登場タイトルとなっている。三池崇史監督と綾野剛が16年ぶりにタッグを組んだ『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』(公開中)は5位スタート。2003年に実際に起きた事件をもとにしたルポルタージュを映画化した同作は、柴咲コウ、亀梨和也、木村文乃といった実力派キャストの共演も話題に。
国民的アニメ「それいけ!アンパンマン」の劇場版第36作となる『映画 それいけ!アンパンマン チャポンのヒーロー!』(公開中)は8位に、京都アニメーション制作によるテレビアニメの劇場版『小林さんちのメイドラゴン さみしがりやの竜』(公開中)は9位。「ルパン三世」の完全新作となる『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』(公開中)は10位にそれぞれ初登場。
そして公開11週目にしてトップテン圏外となった『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』(公開中)だが、累計興収はすでに143億円に到達。前年の『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(24)に続いて2年連続の動員1000万人は目前まで迫っており、近日中にもその朗報が届くことだろう。
以下は、1~10位までのランキング(6月27日〜6月29日)
1位『国宝』
2位「映画『F1(R)/エフワン』」
3位『リロ&スティッチ』
4位『ドールハウス』
5位『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』
6位『フロントライン』
7位『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』
8位『映画 それいけ!アンパンマン チャポンのヒーロー!』
9位『小林さんちのメイドラゴン さみしがりやの竜』
10位『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』
今週末は、『国宝』の吉沢亮を主演に迎えて奥嶋ひろまさの同名コミックを実写映画化した『ババンババンバンバンパイア』(7月4日公開)、原田泰造主演で好評を博したテレビドラマの劇場版『映画 おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(7月4日公開)、ボーイズグループJO1に密着したドキュメンタリー映画第2弾『JO1 THE MOVIE『未完成』-Bon Voyage-』(7月4日公開)などが控えている。
文/久保田 和馬
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