“地上版『トップガン』”こと映画『F1(R)/エフワン』会心のヒットのカギは、興収シェア37.8%を誇るラージフォーマット?

“地上版『トップガン』”こと映画『F1(R)/エフワン』会心のヒットのカギは、興収シェア37.8%を誇るラージフォーマット?

6月27日から6月29日までの全国映画動員ランキングが発表。前週、公開から3週目にして1位に浮上するなど異例の大ヒットを続けている『国宝』(公開中)が今週も首位をキープし、見事2週連続No. 1を獲得。まずは同作の、公開4週目とは思えない週末成績からチェックしていくことにしよう。

またしても右肩上がりの『国宝』!どこまで“旋風”は続くのか

2025年公開の実写邦画No. 1にのぼり詰めた『国宝』
2025年公開の実写邦画No. 1にのぼり詰めた『国宝』[c]吉田修一/朝日新聞出版 [c]2025映画「国宝」製作委員会

週末3日間で観客動員41万2339人、興行収入6億1014万円を記録した『国宝』。この成績は前週の週末3日間対比118%であり、公開初週末の3日間と比較すると動員が168%で興収が176%。引き続き右肩上がりの成績を維持しているだけでなく、その上がり幅は公開2週目から公開3週目にかけての動員112%&興収114%よりも大きくなっている。

また、6月29日までの公開24日間の累計成績は動員が231万8016人で、興収が32億6795万7800円。これで『ファーストキス 1ST KISS』(25)を抜いて2025年の邦画実写映画No. 1のヒット作に躍りでたことになる。しかも概算できる平日4日間(6月23日から6月26日まで)の成績も前の週の平日4日間を大きく上回っており、この“旋風”はまだまだ続きそうだ。

ブラッド・ピット主演、映画『F1(R)/エフワン』は2位スタート!
ブラッド・ピット主演、映画『F1(R)/エフワン』は2位スタート![c] 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

そんな『国宝』の勢いに押されて2位スタートとなったが、ブラッド・ピット主演の最新映画『F1(R)/エフワン』(公開中)の初日から3日間の動員24万3148人、興収4億2186万円という成績もなかなかのもの。3年前のピット主演作『ブレット・トレイン』は土日2日間で動員16万8000人&興収2億5700万円かつ、木曜公開というイレギュラーで初日から4日間が動員28万4000人&興収4億1200万円(初日がサービスデーだったため単価が安くなる)。集計方法が異なるため直接比較はできないものの、おおよそ同水準か、それ以上と捉えることができよう。

トム・クルーズと並んで“ハリウッドスター”の代名詞的存在ともいえるピット。『セブン』(95)でのブレイクを皮切りに、1990年代後半にはメインキャストを務めた作品が7作連続で配給収入10億円を超えるヒットとなり、1997年から3年連続で主演作が正月興行の目玉を飾り、2000年代に入ってからも「オーシャンズ」シリーズや『トロイ』(04)、『Mr.&Mrs.スミス』(05)などが軒並み大ヒット。

【写真を見る】ラージフォーマットの興収シェア37.8%!ブラピの衰え知らずのスターパワーでどこまで興収を伸ばせるか
【写真を見る】ラージフォーマットの興収シェア37.8%!ブラピの衰え知らずのスターパワーでどこまで興収を伸ばせるか[c] 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

とはいえ、やや通受けのするタイプの作品が続いた2010年代以降は『ワールド・ウォーZ』(13)の興収19億3000万円を頂点に、大作であっても興収10億円前後に落ち着く傾向があり、先述の『ブレット・トレイン』の最終興収も13億5000万円。初動の動員は(土日2日間の集計で)安定して10万人台を突破するものの、そこから先の伸びかたはやや流動的で、いつもよりやや高めの初動成績となった今回の映画『F1(R)/エフワン』がどちらに転ぶかは判断が難しいところ。

それでも大きなプラス材料となりそうなのは、F1の臨場感を追体験できるラージフォーマットでの上映が活況なことであり、初動の興収に占めるラージフォーマット上映の割合は37.8%とかなり高め。実際にラージフォーマットで鑑賞した観客からの評価も上々とのことで、複数のフォーマットをまたいでのリピート鑑賞への期待値も高い。ピットのスターパワーと、ここ最近の洋画実写作品の復調気配も相まって、“地上版『トップガン』”という異名にふさわしい成績を収めてくれることだろう。

実際にF1マシンに乗り込んで撮影が行われた、臨場感たっぷりのレースシーンに絶賛の声が多数
実際にF1マシンに乗り込んで撮影が行われた、臨場感たっぷりのレースシーンに絶賛の声が多数[c] 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.
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