押井守が解説する『リトル・ダンサー』の特異性「コーチ映画でやるべきことをやらない」【押井守連載「勝手にジャンル。」第3回後編】

押井守が解説する『リトル・ダンサー』の特異性「コーチ映画でやるべきことをやらない」【押井守連載「勝手にジャンル。」第3回後編】

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「次のジャンルは『装甲騎兵ボトムズ 灰色の魔女』にも関係しているかな(笑)」

――今回のコーチ映画を含め押井さんは、私たちがつい頭に浮かべてしまう作品じゃないのを3本集めた感じですね。

「何度も言っちゃうけどスポ根みたいなのはコーチ映画じゃありませんから。3本ともみんなタイプが違うけど『リトル・ダンサー』は一番、簡素なコーチ映画じゃないかな。そのくせちゃんとコーチ映画の本質がある。条件も揃っているけど見せないだけ。バレエを好きになった導入部分と、最後に舞台に飛び出る結果しか見せてなくて、なぜここまで成長できたかは一切描いていない。バレエを好きになったきっかけは曖昧で、亡くなった母親がいつも踊っていたとは言うけど、それが理由だとも思えない。ロイヤルバレエ団のテストで『踊っていると鳥になったようだし、燃え上がる感じ』みたいなことを言うけど、それで合格したとも思えない」

押井監督が語る新ジャンルをお楽しみに!
押井監督が語る新ジャンルをお楽しみに!撮影/河内彩

――一般的には押井さん、そのほとばしるようなエネルギーがビリーのダンスの魅力と言われているようですよ。

「そうかもしれないけど、だからといってそういうふうには撮ってないじゃないの。その辺のところを外したところにこの映画の魅力があり、監督の才能があるんです。それにしてもとてもイギリスらしいイギリス映画だよね。ちゃんと階級映画になっている。コーチ映画でありつつ、イギリス社会を反映した階級映画にもなっている。階級社会が背景になければ、この映画は成立しません」

――押井さん、ではジャンル映画の第2弾はどうしますか?

「もう決めています。私がもっともこだわり続けているジャンル。『装甲騎兵ボトムズ 灰色の魔女』(11月20日公開)にも関係しているかな(笑)」

【写真を見る】押井守が選ぶ新ジャンル、次回のヒントは“灰色の魔女”に関連するようだが…?
【写真を見る】押井守が選ぶ新ジャンル、次回のヒントは“灰色の魔女”に関連するようだが…?[c]SUNRISE


取材・文/渡辺麻紀

前連載に加筆・再編集し書籍化した「裏切り御免!」が12月7日(月)発売!
著者:押井 守
構成・文:渡辺麻紀
発売日:2026年12月7日(月)※一部、発売日が異なる地域がございます。
定価:¥3,000(税込¥3,300)
仕様:A5変形(138×210mm)/320P
発行:株式会社ムービーウォーカー
発売:株式会社KADOKAWA
※内容・仕様は変更になる場合があります。
※詳細はこちらをご確認ください。

※表紙デザインは変更になる場合があります


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