実写映画『ルックバック』是枝裕和監督が再発見した映画館で観る価値「実写でできることってなんだろう、と考えた時に“音”だなって思ったんです」【連載「I’m a moviegoer」】
「映画を観ている観客の意識が、スクリーンの中の2人に集中しているんだなっていうのが、如実にわかる」
――ヴェネチア映画祭には、デビュー作の『幻の光』(95)、『三度目の殺人』(17)、『真実』(19)と、コンペティション参加も4度目となりました。
「正直に話してもいいと思いますが、僕は、『ルックバック』はコンペ部門に入るタイプの作品ではないなと思ってたんですよ。アルベルト(・バルベラ/ヴェネチア映画祭ディレクター)からいただいたメールに、『とても気に入った』というコメントがあって、選んでいただけるのであればということで参加しました。ヴェネチアに来て公式上映前のレッドカーペットで『こんな小さな作品に光を当てていただいてありがとうございました』とご挨拶したんですが、彼が『全然小さくないよ』って言ってくれました。『全然小さくない、描いてるものは小さくない』と。そう言っていただいて、すごくうれしかった。アルベルトは、いつも僕がやろうとしていることを作り手の目線で見てくれていて、監督と映画祭ディレクターというよりも、僕は信頼できる友人のような相手だと思っているので、うれしかったですね」
――是枝監督ご自身も「moviegoer(映画館で映画を観るひと)」の一人として、どんな想いで観客に作品を届けていらっしゃいますか?劇場で見てほしいという気持ちで映画を作られていると、是枝監督のお言葉から常々感じています。
「間違いなく、そうですね。今回ヴェネチアで上映して、観客が無言になる瞬間、すごいドキドキしたんですよ。逆に音がないものだから、客席が動かなくなるんです。お客さんの頭が動かなくなる。それを体感すると、映画を観ているみんなの意識が、スクリーンの中の2人に集中しているんだなっていうのが、如実にわかるんですよ。それをあの人数(パラッツォ・デル・シネマのSala Grandeの収容人数は1,032席)で共有しているのが、やはりすごいことだなぁと感じました。上映でのお客さんの反応もそうだし、上映翌日に取材に来たイタリアのメディアの方々が、ジャーナリストとか評論家ではなくて、いち映画ファンとして良かったって言ってくれてる感じが、今作には強く含まれている気がしました」
――この度、「I'm a moviegoer」で直筆サインが入ったTシャツが発売されますが、どんな気分でしょうか?
「恥ずかしいですよ(笑)。絵が描けるならば絵を描きますけど、僕は絵も描けないので。買っていただけて、何らかのお役に立てるのであればという感じですね」
取材・文/平井伊都子
カラー:ホワイト・ブラック・グレイッシュグリーン
サイズ:M、L、XL
販売価格:5,500円(税込)
発売店舗:
(オンライン販売)MOVIE WALKER STORE
https://store.moviewalker.jp/item/detail/5486
(店頭販売)グランドシネマサンシャイン池袋 4Fストア
https://www.cinemasunshine.co.jp/theater/gdcs/
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