プチョン国際映画祭2026レポート!NEON配給のクィア・ホラー『Leviticus』やパン兄弟最新作、インドネシアの注目ホラーがお披露目
バラエティに富んだ各国のホラー作品が集結!
ホラー映画の人気が高いインドネシアの注目作も、2本上映された。1本が、韓国の大ヒットホラー『コンジアム』(18)のリメイク、『Korean Haunted Hospital(原題)』。インドネシアのYouTuber集団が、視聴者数300万人を目指して韓国の有名な廃幽霊病院で突撃ライブ配信を始めるが、恐ろしい怪現象に見舞われるという、ストーリーは『コンジアム』とほぼ同じなのだが、オリジナルへのリスペクトなのか韓国を舞台に韓国で撮影された作品。インドネシアのキャストたちが醸し出すユーモラスな空気が緊迫感を和らげるため、スリルに乏しいホラーだが、クライマックスの惨劇の畳み掛けかたは『REC/レック』(07)を彷彿とさせるものがあった。
もう1本が、今年のベルリン映画祭でワールドプレミア上映された『Ghost in the Cell(原題)』。極悪犯罪者が収監された悪名高い刑務所で、目に見えない謎の存在による殺人事件が次々と起こり、犯罪者と看守がタッグを組んでこの怪事件解明に乗り出す、というストーリー。ブルータルなゴア描写がパワフルで強烈なインパクトを残すが、同様にコメディにも心血を注いでおり要所で爆笑を誘う作風は独特だが、これがインドネシア流なのだろう。ユニークなキャラクターが数多く登場するエンタテインメント性の高い力作に仕上がっていた。
今年のカンヌ国際映画祭ミッドナイト・スクリーニング部門でお披露目された、フランスの女性監督マリオン・ル・コロレールによるSFボディ・ホラー『Species(英題)』も上映された。競争の激しい救急救命室で働く若きインターンの女性が、奇妙な症状を訴えて運ばれてくる患者たちを診ているうちに、次第に自身の身体と精神も変化を遂げていく、というストーリー。ボディ・ホラーの祖、デヴィッド・クローネンバーグ監督の初期作品を彷彿とさせながらも、職場の激しいストレスに苦悩する若き女性の変容を描いたスタイリッシュでバイオレントな佳作だが、キャラクター造形も含めややインパクトは薄かった。
これ以外にも、ユソン主演の不気味な集合住宅を舞台にした韓国のホラースリラー『Home A Loan(英題)』や、スペインのフォーク・ホラー『Gaua(The Night)』、マオリ族の女性が主人公のニュージーランド産のゴシックホラー『Marama(原題)』、メキシコのインフルエンサー・ホラー『Don't Follow Me(英題)』、ジェシカ・ロース主演のSFホラー『Imposters(原題)』、NEONがアメリカ配給したアイルランドのスーパーナチュラル・ホラー『Hokum (原題)』、「13日の金曜日」シリーズにオマージュを捧げたジェーン・シェーンブルン監督の『Teenage Sex and Death at Camp Miasma(原題)』、フィンランドのハンナ・ベルイホルム監督のファンタジー・ホラー『ナイトボーン -夜哭-』(8月28日公開)、そして歴史的な大ヒットを記録したカリー・バーカー監督の低予算ホラー『オブセッション 災愛』(公開中)も上映され、バラエティに富んだワールドワイドなホラー映画を堪能することができた。
文/小林真里

