ドウェイン・ジョンソン「マウイは特別な役」『モアナと伝説の海』への想いと日本文化へのリスペクトを語る
「VFXチームにとっては作業がやりやすかったと思います」
劇中でマウイが歌う「You’re Welcome(俺のおかげさ)」はマウイを象徴する人気曲だ。「これまで『ジュマンジ』や『ワイルド・スピード』などいろいろな映画に出てきたけれど、歌ったりはしなかったので(笑)。みんなに愛されている曲を歌うのは今回の映画ではある意味挑戦でした。でも、これは非常に“Welcome”な挑戦で、本当に楽しくやらせてもらいました。なによりリン=マニュエル・ミランダがストーリーと深く結びついた歌詞を音楽に乗せてくれたので、それを頼りに歌うことができたというのは大きかったと思います」と感謝の言葉を述べた。
ジョンソンは本作でボディスーツを着用している。「もともとは自前の体で演じる予定でした」と語ったジョンソン。しかし、本作の撮影に入る前に日本で撮影していた映画で演じていた格闘家の役が影響し、ボディスーツを着用することになったと明かす。「かなりの試行錯誤がありました。ちょうど2年くらい前に日本で撮影していた『スマッシング・マシーン』で、体重を285ポンド(約129キロ)にしていたのですが、『モアナ』の撮影までに4週間しかなくて。その体型はマウイ役にはそぐわないということでボディスーツにしました。2か月くらいあれば、体づくりができたんだけど…」と話したジョンソン。『スマッシング・マシーン』で演じた役は、実在の元総合格闘家マーク・ケアー。肉体改造により、かなりの筋肉をつけていたという。
自分の体で演じることは叶わなかったが、ボディスーツを着用することによるメリットもあった。「アカデミー賞受賞歴のあるすばらしいスーツメイカーであるジョエル・ハーロウに急遽ボディスーツを作ってもらいました。僕の素肌にCGを合成するよりも、スーツの上にCGを合成するほうが、VFXチームにとっては作業がやりやすかったと思います」と、命を宿し自由に動き回るマウイのタトゥーが動く様子を指で再現しニッコリ。「結果オーライだった!」と満面の笑みを見せる。「ただ、あのスーツはめちゃくちゃ暑くて。重さは35ポンド(約16キロ)あるし、ウィッグもかぶらなきゃいけないから、暑いなかの大変な撮影でした。でも、最終的にはすばらしい作品が出来上がったので、挑戦できて本当によかったと思っています」と充実感を滲ませていた。
主人公モアナ役のキャサリン・ランガイアとの出会いについても語ったジョンソン。「トーマス・ケイル監督から、『モアナを見つけたかもしれない』と言われて。『なにがよかったの?』と訊いたら、彼女には言葉にできない“なにかがある”と言われて。実際に彼女に会ってみたら、本当に監督の言う通り、“なにかがある”と感じました」とのこと。その“なにか”は実際に映画を観れば、確かに“なにかがある”と感じると思うとも付け加え、「なにがすばらしいって、彼女は映画初出演だということ。初出演でこの対策に挑戦しないといけない。それはまるで、珊瑚礁を超えて大海原へ向かっていくモアナの状況そのもの。みんなに愛されている名曲を歌い、ハリウッド大作に初出演。かつ、17歳でそれをやるというのは、ものすごいことに挑戦したと思っていますし、本当に、劇中のモアナのように、島を飛び出し大海原へ出かけたという旅路をそのまま経験したんじゃないかなと思っています」と称賛。
「これは僕の想像だけど…」と前置きし、「さらに大変だったのは、初出演で共演相手が僕であるということ。ほぼ2人芝居だから、僕と芝居でスパーリングしないといけないし、2人の間にケミストリーが成り立っていないといけない。でも僕は、別に手加減をしたりするつもりはなくて。僕には3人の娘がいるのだけど、彼女を自分の娘のように思い見届けていました。彼女は見事に挑戦を受けて立ち向かってくれました。いろいろな映画評があるなかで、キャサリンの歌がすばらしかったとみんなが一様に言っています。本当に見事だったと思います!」とランガイアの挑戦に触れ、賛辞を送った。
取材・文/タナカシノブ
