映画ファンに刺さる小ネタだらけ!親友ミニオンズの映画作りに胸躍る『ミニオンズ&モンスターズ』
ミニオンズや映画への愛や遊び心がいっぱい!
映画の舞台裏を描いた本作には、映画のオマージュやパロディが次々に登場する。まずは「UNIVERSAL PICTURE」の文字が地球の周りを回るユニバーサルのロゴ。映しだされた次の瞬間、フィルムを逆回ししたようにどんどん古いロゴへと遡っていく。続くイルミネーションのロゴもサイレント時代のアニメ調だ。オープニングの背景に映しだされるのは、映画やアニメーションの原点でもあるエドワード・マイブリッジの動物の連続写真や、ルイス・リュミエールの『工場の出口』(1895)、リュミエール兄弟による『ラ・シオタ駅への列車の到着』(1896)、ジョルジュ・メリエスの『月世界旅行』(1902)といったサイレント時代の名作で、どれもミニオンズがフィルムの質感に合わせて合成されている。
物語の出だしは、現代の映画博物館。『E.T.』(82)や『ジョーズ』(75)、『キング・コング』(33)、『大アマゾンの半魚人』(54)などジャンル映画の展示物に紛れ、『フライングハイ』(80)の捻じれた飛行機が置かれているのはポイント高い。
ボス探しの旅では『ベン・ハー』(59)や『シンバッド 七回目の航海』(58)を思わせる描写が盛り込まれ、ハリウッドの街に向けてミニオンズが繰り広げる騒動のくだりにはキートンの『将軍』(1926)や『キートンの蒸気船』(28)などのパロディが矢継ぎ早に登場。ほかにも『カサブランカ』(42)や『翼』(27)、『クレオパトラ』(34)など無数のオマージュが大胆に、時にはさりげなく差し込まれている。そもそもトーキー移行時のスタジオという設定自体『雨に唄えば』(52)と同じ。モンスター映画作りに邁進するジェームズも、『フランケンシュタイン』(31)を手掛けた異端の映画監督ジェームズ・ホエールからの命名だろうか。全編にちりばめられたイースターエッグを探したり、その意味に思いを馳せるのも本作のお楽しみなのだ。
「ミニオンズ」のトレードマークであるドタバタ劇はそのままに、映画ファン目線でもお楽しみが満載の『ミニオンズ&モンスターズ』。監督は第1作『怪盗グルーの月泥棒』(10)から『怪盗グルーのミニオン大脱走』(17)までシリーズ4本を手掛け、全作品でミニオンズの声優を務めている生みの親ピエール・コフィン。9年ぶりに監督として復帰した本作は、ミニオンズや映画への愛や遊び心がたっぷり詰まったスクリーンの暗闇で味わいたい一本である。
文/神武団四郎

日本語吹替版キャスト:松平健、千葉雄大、鈴木愛理、山寺宏一、バッテリィズ、LiSA、銀河万丈、寺依沙織、小野友樹、芹澤優ほか
脚本:ブライアン・リンチ、ピエール・コフィン
監督:ピエール・コフィン
製作:クリス・メレダンドリ、ビル・ライアン
製作総指揮:ブライアンリンチ、クリス・ルノー
日本公開日:8月7日(金)
配給:東宝東和
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