こんなおじいちゃん、おばあちゃんはイヤだ!『ヴィジット』に『WEAPONS/ウェポンズ』、『ジェニー・ペンはご機嫌ななめ』まで狂気の“お年寄りホラー”たち
ホラー映画の世界ではジャンルの細分化が進行中。オカルトやモンスター、スラッシャーにスプラッター、さらに最近ではボディホラーというサブジャンルが幅を利かせている。そんな現状のなかで、『ジェニー・ペンはご機嫌ななめ』(公開中)をどう表現するべきか?これはもう“お年寄りホラー”と呼ぶしかない。世間から憐みと同情の目で見られている老人が、実はとんでもなく恐ろしいヤツだった!本作は、まさにそういう内容だ。
お年寄りホラーと呼んではみたが、これは決して新しいサブジャンルではなく、そう呼びたい作品はこれまでも存在していた。『ジェニー・ペンはご機嫌ななめ』を紹介する前に、気づけば増え続けていたお年寄りホラーの世界を振り返ってみよう。
後世のホラーに影響を与えた古典的名作『何がジェーンに起ったか?』
まずは古典的な作品をピックアップ。『何がジェーンに起ったか?』(62)は、現在も多くのホラーに影響を与え続けている傑作だ。芸能界で生きてきた姉妹の壮絶な葛藤を描いた物語。名子役であった妹は、名女優となっていった姉への嫉妬心を抱き続け、老境に差しかかった時、復讐を実行に移す。事故により身体の自由を失った姉を支配し、精神的に追い詰めていく妹。その恐ろしさは、妹を演じたベティ・デイヴィス、姉役のジョーン・クローフォードという2大女優の怪演により、鮮烈な恐怖を観る者に植えつけた。
孫視点で描く祖父母の恐怖に、最凶の戦闘マシーンおじいちゃん
近年のお年寄りホラーに目を移してみよう。異才M.ナイト・シャマランが手掛けた『ヴィジット』(15)では、15歳の姉と13歳の弟が、祖父母の家で恐ろしい体験をすることになる。昼間こそ祖父母は優しいが、夜になると不審な行動を取り始める。最初は老人だからしかたないと思っていたが、共に過ごすうちに状況はそんなに単純ではないことがわかってくるのだ。孫視点で描かれる、老人たちの衝撃の真実はトラウマ級の衝撃を投げかけるだろう。
『ドント・ブリーズ』(16)に登場する老人は、目の不自由な、独り暮らしの退役軍人。深夜にこの老人の家に盗みに入った若者3人組の視点で物語は展開していく。相手は目の見えない老人だし、窃盗も楽勝だろうと思ったのが運の尽き。戦闘能力に長けるうえに、不自由な視覚ゆえに敏感になった聴覚は、暗闇のなかでは老人の大きな武器となる。かくして若者たちは恐怖の一夜を過ごすことになるのだ。老人とはいえ、決してナメてはいけないという教訓を与えてくれる!?続編『ドント・ブリーズ2』(21)ともども必見!

