板垣李光人、口にして後悔したことは「無し」!『口に関するアンケート』口プレミア開催
「近畿地方のある場所について」の背筋による原作を、「呪怨」シリーズの清水崇が監督し、板垣李光人が実写映画単独初主演を務める映画『口に関するアンケート』(7月3日公開)の「口プレミア」が6月10日に、丸の内ピカデリーにて開催。舞台挨拶に板垣、綱啓永、吉川愛、MOMONA、森愁斗、西山智樹、柄本時生、清水監督が登壇した。
全国公開を前に、シッチェス・カタロニア国際映画祭やプチョン国際ファンタスティック映画祭への正式出品も決定し、早くも世界中で話題を呼んでいる本作。ステージ中央に設置された本作の象徴でもある巨大な「口」のモニュメントのなかからキャスト陣と監督が1人ずつ姿を現すと、会場からは割れんばかりの大きな拍手と歓声が湧き起こった。
墓地への肝試しを提案した大学生、翔太を演じた板垣が「この作品のお話をいただいてから、本当に素晴らしく面白い背筋さんの原作と出会い、清水監督のもと、今日ここにいる素晴らしいキャスト、スタッフの皆さんと映画を作り上げてきました。今日皆様にご覧いただけるということで、非常に楽しみな気持ちもありつつ、原作の素晴らしさがあるからこそ、少しドキドキしている気持ちもあります」と感慨深げに挨拶。
翔太の昔馴染みである明るい大学生、竜也役の綱も「皆さん、いまから観てくださるってことですよね。ちなみにホラー苦手という方はいますか?苦手なのにこんなに来てくれたというのは本当に嬉しいですし、僕も苦手なんですけれども…この作品は、もちろん怖さはありつつもちゃんと楽しんでいただける作品になってますので、楽しみにしてください」と、客席を和ませた。
肝試しの翌日に突如失踪してしまう女子大生の杏を演じた吉川は「この映画では、杏ちゃんがすごく憑依したり、いままで見たことない私が見られると思いますので、その部分を存分に味わっていただけましたら、すごく嬉しいです」と自身の見どころをアピール。
不思議な霊感を持つ女子大生、美玲役を演じたMOMONAは「お話をいただいて、原作を読ませていただき、最後にアンケートの意味が分かると本当にゾクッとする、二重で面白い作品だなと思いました。映画化して、本当にまた違った面白さが味わえる仕上がりとなっておりますので、皆様楽しみにしてくださったら嬉しいです」と笑顔を見せた。
面白半分で撮影にやってきたやんちゃな大学生、堀田役の森は「僕自身、ホラー映画が初めてなので、緊張もしていたのですが、皆さんと素晴らしい作品を作ることができたと思うので、ぜひ楽しみにしていてください」とコメント。彼に強制的に参加させられた気弱な大学生、川瀬役の西山は「演技が初挑戦だったんですけれども、清水監督をはじめ、素敵なキャストの皆様に囲まれて作品に携われたことがとても光栄で嬉しいです」とコメント。
事件を追う週刊誌記者、西役の柄本は「こんなにたくさんのお客様に来ていただいて本当にありがたいなと思っております。緊張しています」と、清水監督が「俳優陣が撮影現場とは違い、アイドルかタレントみたいになっていることに恐怖を感じております。“よそ行きの顔”をしやがって(笑)」とユーモアたっぷりに挨拶した。
誰もが圧倒された巨大な「口」からの登壇について、板垣は「この作品といえば、タイトルにも入ってますし、書影もそうですし、映画のポスターにも口があるので、“口”から出てきました!歯は硬かったですね(笑)。どうですか皆さん?」と問いかけると、キャストからは「すごいよね!」と興奮の声が。
さらに、今作が映画単独初主演である板垣は、本作の映像化について、「本が30分くらいで読める薄さで、あの小さいサイズ感と思うんですけど、最初に読んだ時は非常に新しい読書体験だなと思って。内容だけではなく、文字を使って、視覚的に、じわじわと怖くなる体験したことのない読書体験だったんです」と原作を読んでの感想を振り返り、「それと同時に、この作品をどういうふうに映画化するんだろうと。完成したものを観て、映画は映画で、映像からしか得られない恐怖があるなと思いました。この映画館という閉ざされた場所で、追い詰められる感じもあると思うので、本当にいい映像化になっていると思っています」と自信を覗かせた。
続いて、原作と同じく劇中で「証言」によって真相が明らかになっていく構成について話題が及ぶと、証言シーンがそれぞれ別々に撮影されたという過酷な現場を振り返り、綱が「みんなすごかったですね。本当に大変でしたね」とコメント。
MOMONAが「クランクインがあのシーンの撮影だったじゃないですか。本当に緊張したのを強く覚えています」と話すと、綱も「あの日撮り終えた瞬間に、ほぼクランクアップくらいの気持ちになるくらい、やり切ったっていう感覚がありました。初日で全部出した感がありますね!」と熱く語った。
劇中で証言シーンのなかった柄本に感想を求めると、「よく台詞みんな覚えたよね(笑)。でもやっぱり、映画のとても重要なところになっているので、それは本当に皆さんのお芝居でできあがった最高のものなんじゃないかなと思いました」と若手キャスト陣の卓越した演技力を大絶賛。
同じく証言シーンのなかった吉川も続けて「カメラ目線で相手がいない状態で感情をむき出しにするっていうのが、本当に私もやったことがないですし、大変なのは十中八九分かるので。本当に初日で皆さん撮られていたことにびっくりしましたし、本当にお疲れ様でしたと言いたいです」と労った。
するとすかさず綱が「大変でした!カメラ目線で、あといろんな部位も撮られるんです」、板垣も「恥ずかしかったよね。ちょっと『そんな寄らないで…』みたいな(笑)」と、アップ多めのカメラワークに対するリアルな照れを明かし、会場の笑いを誘った。
全編を通しての映画の感想を聞かれたMOMONAは、「この映画からしか感じられないゾクゾク感というか、この映画の目撃者になってしまったという、面白い余韻もあるので注目して見ていただきたいです」と語り、作品の見応えをアピール。
吉川は「アフレコの際に私がずっと笑って映像を見ていたんですけども、その見ているときの笑い声が、撮られていて、使われているっていうことがありまして(笑)。ぜひそこもチェックしてくれたら嬉しいんです」と小ネタを明かし、「『わっ!』って驚かされる映画でもあるんですけど、最初から最後までずっと体験させられてるというか、ゾワゾワがずっと止まらなくて。最初のシーンが重要だったりするので、最低でも2回は観てもらった方が、この結末で、最初のこのシーンが伏線だったんだ!とかの発見があると思うので、そこを観てくれたら嬉しいです」と、リピート鑑賞の重要性を話していた。
劇中で臨場感あふれるスマホ撮影を敢行した森と西山。森が「時間をかけて撮ったシーンで、撮影の前に一度リハーサルで、あの墓地を訪れた日もあって。そこで演技を固め、けっこうアドリブも多く、なかなか苦戦はしました」と振り返ると、清水監督も「西山くんがお芝居初めてで、すごく緊張していたので、その緊張も肝試しという場面に使いたかったんです。本番の時はアドリブが自然に出てたので、素晴らしかった!」と西山を大絶賛。西山は「光栄です、ありがとうございます」と照れ笑いを浮かべた。
また、映画オリジナルの記者役として中村獅童とともに事件の外側から介入した柄本は、「僕がとにかく清水監督のファンでして、清水組に参加できるというのが、感無量で嬉しかったです。文字を読む方が理解をする度合いが強い原作なんじゃないかなと思ってたんですけれども、清水さんの力によって、あの映像化が難しいものをこんなに面白くわかりやすく、心引き込まれるようになったものは本当に素晴らしくて、映画の底力を見たというか、本当に心が躍ったのを覚えております」と清水組への参加の喜びを告白。
さらに映画オリジナルの展開やラストへのこだわりについて、清水監督は「原作が本当に読み物ならではの面白さ、怖さなんです。僕もどう映像化したらいいんだろうと。逆にこれをやりきれたらっていう、挑戦したい気持ちになったんです。そこへこんな素晴らしいキャストも揃ってくれた。今日を迎えられてよかったです」と熱く語った。
早くも巻き起こっている海外での“口旋風”については、「この作品は翻訳も難しいんです。各国の英語にしたりスペイン語にしたり。どう皆さんに伝わるのかなとこれから楽しみです。もちろん国境を越えて伝わるものがあると思います」と、世界への広がりに対しても期待を込めた。
その後、「口は災いの元」となって恐ろしい出来事に巻き込まれていく本作のテーマにちなんだ企画コーナーへ。登壇者たちが事前に用意した「これまでに口にして後悔したこと」をフリップで一斉に発表した。まず、まさかの「無し」と掲げた板垣は、「言った言葉がってことじゃなくて、そもそもないんですよ、特に後悔したことが(笑)。言葉は生き物なので、自分のなかから出てしまったらどうしようもないし、後悔してもしょうがないなと」と堂々たる回答をする。これには清水監督も、「SNSやAIで広まって……まさにその怖さなんです、この映画の根底に置きたかったのは!」と、板垣のスタンスが作品の本質そのものであると力説した。
森は「怖くない」と回答。「僕がホラー作品初出演ということで、ワクワクが勝っていたんですが…。実際に撮影に入って、おやおやとなり始めて(笑)。でも、演技初の西山くんもいましたし、僕が引っ張らないとなっていうので、怖くないふりをしてたんですよね」と語ると、西山も「してましたね!全然怖くないって言ってましたよね」と証言。
森は「でも、家に帰ってからすごい怖くなっちゃって。気のせいかもしれませんが、いわゆるラップ音というものが頻繁に聞こえるようになったり、頭痛などが撮影終わりに珍しく出て、……震えて眠ってました(笑)。西山くんも僕と同じ症状が出ていたのですよね……」とまさかの怪奇現象を告白。西山は「墓地にあった神社のところで、2人でお祈りをしたらすぐになくなりました」とリアルな恐怖エピソードで会場をゾッとさせた。
最後に板垣が「原作が文字の力を非常に持っている作品なので、映像化するうえでの難しさっていう部分があったと思うんですが、完成したものを観て、本当に映画だからこそ味わえる恐怖であったり、自分の心の内側にじわじわと侵食してくる、忍び寄ってくる、そんななにかを感じていただけるような作品になっていると思います。この作品の一つのテーマとして『口は災いの元』という言葉がありますが、この映画を観終わった後は、皆様の口を使っていただいて、たくさん広めていただけたら嬉しいなと思っております。その際は呪いではなく、観たくなるような、おまじないをいろんな方にかけていただけたら嬉しいです。これが日本だけではなく、世界中に広がっていったら嬉しいなと思います。今日はありがとうございます」と力強く呼びかけ、「口プレミア」は幕を閉じた。
文/山崎伸子
